『エロマンガ先生』の監督を務めた竹下良平監督と『弱キャラ友崎くん』原作者・屋久ユウキ先生による夢のタッグが実現! オリジナル新作アニメ『夜のクラゲは泳げない』AnimeJapan内トークイベントレポート【AJ2023】
2023年3月25日(土)に東京ビッグサイトにて行われた『AnimeJapan 2023』のKINGAMUSEMENT CREATIVEブース特設ステージにてオリジナル新作アニメ『夜のクラゲは泳げない』のトークイベントが開催!
出演は、竹下良平監督とシリーズ構成・脚本を担当する屋久ユウキ先生、MCの青木佑磨さんの3名。
イベント前日、『夜のクラゲは泳げない』の制作発表と公式サイト公開、そしてPVが初披露されたものの、まだ謎が多い同作品。
そんな本作へのヒントや竹下監督と屋久先生の出会い、そして本作の見どころなどを知ることができたトークイベントをレポート!
『夜のクラゲは泳げない』のPVはエモい映像!
『AnimeJapan 2023』の開催前日まで、 KINGAMUSEMENT CREATIVEの同イベントは「新作アニメーショントークイベント」と表記され、作品もイベント出演者もシークレット状態だったため、多くのアニメファンから話題と注目を集めていました。
本作は動画工房によるオリジナルアニメ作品で、監督を務める竹下さんはアニメ『エロマンガ先生』で監督を担当するほか、『呪術廻戦』や『ヲタクに恋は難しい』などに関わっているアニメクリエイターです。
また、シリーズ構成・脚本はアニメ化され、2期制作も決定している『弱キャラ友崎くん』の原作者・屋久先生が担当するという夢のタッグが実現!
キャラクター原案に人気イラストレーターのpopman3580さん、キャラクターデザインに『魔法少女まどか☆マギカ』や『刀剣乱舞-花丸-』などのキャラクターデザインで知られる谷口淳一郎さんという豪華スタッフ陣が集結。
トークイベントでは、簡単なごあいさつから前日公開されたばかりのPVの上映へ。ハンディビデオカメラで撮影された渋谷の街並みからクラゲのCG、そしてたくさんのセリフが画面上に次々映し出されると共にキャストの声も。誰が演じているのは現時点ではわからないまま。リアルと神秘性が混在した不思議な映像でした。
MCの青木さんは見終わった第一声に「謎過ぎる! だけど胸がキュンとする、不思議な質感の映像ですね」と本作への期待を露わにします。そして、夜の渋谷を舞台に、何ものになれずにいる少女が一つの特別な出会いをきっかけに変わり始め、「自分の好き」に向き合っていく物語という説明がされました。
本作は竹下監督の「自分の好きを見つけたい」という想いから生まれた
竹下監督が発案し、キングレコードと動画工房で新作アニメを作ることになり、そして竹下監督が企画書を作ったのが本作のスタート。その中で、監督ご自身が『弱キャラ友崎くん』のファンで、屋久先生と一緒にやりたいとオファーされたと明かします。
しかしそれ以前に屋久先生は監督のファンで、『エロマンガ先生』終了後に監督によるメイキングセミナーに参加されていたのが初対面だったとのこと。その時に『弱キャラ友崎くん』の原作を読んだ監督がその才能にほれ込んだというドラマチックなストーリーに会場のお客さんはビックリ。
ただ屋久先生はオファーがあった時は『弱キャラ友崎くん』のアニメにまつわる作業や原作小説の執筆などで多忙だったと話します。ですが「これは断ってはダメだ! こういうことをしたいから作家をやっているんだろう? 人間らしい生活を失ってでもやるか(笑)。でも受けて良かったです」と語り、会場の笑いを誘いました。
謎に包まれている本作について竹下監督は「今言えるのは少女たちによる渋谷を舞台にした青春群像劇です。この企画を最初に考えたきっかけは『自分の好きを見つけたい』と僕はずっと思っていて。今はSNSで人のキラキラした人生を目にすることができるけど、今の時代を若い人が生きるために何が必要かと考えた時、自分の好きという感情を掘り下げるようなアニメを作りたいと。ドラマチックな作品になっていると思います」と本作に込めた想いを伝えます。
また屋久先生からはPVについて「2キャラ分のセリフを見せていますが、まだあらすじには載っていない、ヒントがいくつか入っています。それらをつなぎ合わせて考えていくと勘がいい人はわかるかもしれないと思いました」と笑みを見せます。また、キャスト名は公開されていませんが音声は入っているため「聞く人が聞けばわかるかも」と語りました。
「めちゃめちゃ自分がやりたいやつだ!」
さらに、竹下監督からのオファーがあった際には「めちゃめちゃ自分がやりたいやつじゃん!」と感じたというエピソードを披露しました。そういったことから監督が『弱キャラ友崎くん』を読んでくれていることや、屋久先生が得意とすることをわかってくれていることを感じたと続けます。
竹下監督も『弱キャラ友崎くん』を読み、屋久先生というクリエイターの本質を引き出せる作品にしたいと思ったと語りました。
また『弱キャラ友崎くん』が学園ものだったことから学校ではない舞台にしたかったので、キャラはそれぞれ違う学校に通っていると竹下監督が明かしましたが、屋久先生も次は学園ものではないものをやりたいと思っていたとのこと。二人の考えや想いが見事に一致していたことに、会場も盛り上がりを見せていました。
メインビジュアルにも多くのヒントと監督のこだわりが!
PVと同時に発表されたメインビジュアルについて監督は、「まず『エモい』を目指そうと、フィルムカメラで撮影したような雰囲気をテーマに掲げています」と語り、他にもいろいろな伏線が入っていることや、考察できる要素がたくさんあると話しました。
同時に、キービジュアル左下に映る人の指からは誰かの視点であることが読み取れることや、若者の間でレトロなものが受け入れられていることからフィルムカメラを選んだことなどを明かします。1枚のビジュアルの中に多くの情報量やメッセージが詰め込まれていることにも監督のこだわりが感じられました。
ちなみにすでに収録は始まっているそうで、プロットも完成済とのこと。竹下監督も「制作は順調です!」と笑顔を見せます。屋久先生は「アフレコもすごく良くて、プロデューサーをはじめスタッフ陣も感動していました。キャストさんたちの力も加わっていいものができたと思います」と本作の完成度の高さを匂わせました。
そんな屋久先生の脚本に監督から「本当に素晴らしくて。屋久さんという才能をこの作品に引き入れたことが一番の功績かなと思っています」とメッセージが。ベタぼめされた屋久先生は嬉しさを滲ませていました。
そしてイベントの最後のあいさつに。
「僕も監督も初めてのオリジナルアニメなので、制作の段階からすごく気合が入りまくりで、あとはそれを皆さんに伝えるだけかなと思っています。TV放送はもちろん、今後いろいろな情報が出るのも楽しみにしてください」(屋久先生)
「動画工房の頼りになるスタッフと一緒に作品を作っていて、すごくいいものができている実感があります。僕の演出家人生の中でもすごい自信があるものに仕上がっているので、皆さんには期待してお待ちいただければと思います」(竹下監督)
竹下監督と屋久先生がタッグを組んだ、渋谷を舞台にした「エモい」青春群像劇の続報をお楽しみに!
TVアニメ「夜のクラゲは泳げない」作品情報
2024年放送!
"自分の好きを見つけたい"
アイデンティティに溢れる街、渋谷。
夜の渋谷を、プカプカと漂っては何者にもなれずにいる少女は、
ひとつの特別な出会いをきっかけに変わり始める。
創立50周年を迎えた動画工房が贈る、『エロマンガ先生』監督・竹下良平 ×『弱キャラ友崎くん』原作・屋久ユウキによる青春群像劇。
はじめて創作に触れる少女たちの、匿名クリエイティブ活動が始まるーーー
STAFF
原作:JELEE
監督:竹下良平
シリーズ構成・脚本:屋久ユウキ
キャラクター原案:popman3580
キャラクターデザイン:谷口淳一郎
アニメーション制作:動画工房