心の解放は抑え気味に──“いつの間にか”を意識した茜との距離感とは？ アニメ『山田くんとLv999の恋をする』山田秋斗役・内山昂輝さんインタビュー

ランキング不動の1位を獲得、シリーズ累計発行部数200万部突破の人気作がついにTV
アニメ化！

2019年3月より漫画アプリ「GANMA!」にて連載中の、ましろ先生による漫画『山田くんとLv999の恋をする』。同作を原作としたTVアニメが2023年4月1日（土）よりTOKYO MXほかにて放送スタート！

本作のヒロイン・女子大生の木之下茜は、ネットゲーム（以下、ネトゲ）で浮気した彼氏と別れたばかり。後日、元カレを見返そうと参加したオフラインイベントで、同じギルドの「山田」とリアル（現実）で出会ったことから物語がはじまります。

本稿では山田秋斗役を演じる内山昂輝さんのインタビューをお届け！　「心を開かないように」と心の解放を控え気味にし、“いつの間にか”恋に落ちるのを意識して演じたと話す内山さん。さらに、茜との距離感などについても語っていただきました。

山田の魅力は「取り繕わない性格」

──高い人気を誇る本作ですが、原作をご覧になった感想を教えてください。

内山昂輝さん（以下、内山）：面白いなと思いました。まず絵柄がキャッチーで、どんどん次が読みたくなります。現実世界とオンラインゲームを通して二重に交流し、仲良くなっていくのが特徴的で、プロゲーマーの高校生という山田の設定からは今っぽさも感じました。

──山田を演じることが決まった際のお気持ちはいかがでしたか？

内山：アフレコ中に、山田はとても人気のキャラクターだとスタッフの方々から伺いました。光栄だなと思うと同時に、良いキャラクターにしなきゃいけないと思いました。やりがいのあるお仕事ですが、プレッシャーも感じるというか。

──プレッシャーを感じるなか、山田をどのように演じられましたか？

内山：高校生であることと彼のキャラクターデザインを念頭に置きつつ、基本的にクールで格好良いですが、それを鼻にかけた感じではない点を大事にしました。そして、ぶっきらぼうな感じだけど本当の性格は攻撃的ではない。あと、人から好かれようとか気にしていないだろうなと感じたので、その辺りを意識しました。

──内山さんは彼のどんなところが魅力だと思いますか？

内山：取り繕わない性格が格好良いなと思いました。いつでも素のままでいられるのが良いですよね。

──だからこそクールでも人を放っておけない優しさが垣間見えたりしますよね。彼のさりげない優しさをどう表現されたのでしょうか。

内山：全体的には、セリフをさらっと言うことを心がけました。

具体的には抑揚をあまり大きく付けず、声量は落とし気味で、圧も強くしない、そして、語尾もはっきりと出さないようにしました。

──「人から好かれよう」と意識しない山田の考えといった部分はどのように声に乗せましたか？

内山：今は違いますが、10代の頃は山田と同じように考えている時期がありました。だからといって、昔の自分をそのまま表現するわけではないですが、気持ちを思い出しながらそれを活用しています。

ただ、自分も30代に入って、普段話していても以前より大人の声になったなと感じています。高校生らしさや年下感を演出したい時に、昔の自分の声の要素がほしくなりますね。今の自分に、微妙になにかしら加えないと山田らしくならない気がします。

──昔の声と今の声の違いとは？

内山：基本的なキーが少し下がっているのと、声が太くなっていて、響きが増えて、声のトーンが全体的に重くなっている感じがします。

子どもの時に演じた役を再び新録する際などに当時の声を聞く機会がありますが、スタジオのスピーカーで聞くと全然違いますね。その声をモノマネしなきゃいけないという（笑）。

──ご自身の真似とはなんとも難易度が高いような……。

内山：大変です（笑）。昔の自分との戦いって、変わった仕事ですよね（笑）。そうやって改めて聞くと、作品によっては「このキャラクターには昔の声の成分を入れたいな」と思うこともありまして。

技術が足りないからこその面白さ、幼さがもたらす、素材そのものが持つ強みもあります。キャリアを重ねれば経験は増えていきますが、肉体は変化するので、今の身体でできるベストをやっていくしかないなと思っています。

──本作には個性的なキャラクターが多く登場しますが、内山さんが好きなキャラクターは誰でしょうか？　ネタバレにならない範囲でお願いします。

内山：中盤から登場しますが、椿（ゆかり）が好きですね。同級生のキャラクターで、山田との交流も描かれるんですが、ドラマのあるいいキャラクターだなと思いました。