『僕のヒーローアカデミア』【爆豪勝己】誕生日記念|あなたの「かっちゃん」沼はどこから? 「ヒール役」的存在だった爆豪が一番人気キャラに登りつめた理由を探る!
週刊少年ジャンプで2014年から連載され、2016年にはアニメ化もされた堀越耕平先生の大人気漫画『僕のヒーローアカデミア』。
無個性だった主人公・緑谷出久(みどりや いずく)が最高のヒーローになるまでを描く本作は、手に汗握るヒーローvs敵(ヴィラン)の攻防戦や、雄英高校1年A組のメンバーと出久との絆など熱いエピソードが展開され、読者・視聴者を魅了してやみません。
2023年3月に第6期放送が終了したアニメは、新たに第7期の制作も発表され、依然として注目を集めています。
そんな本作の、まさに「個性」豊かな登場人物たちの中でひときわ目を惹くのが、主人公・出久の幼なじみであり、雄英高校1年A組のクラスメイトにもなった【爆豪勝己】。
「かっちゃん、かっこいい!」──強い個性と豊かな才能に恵まれた爆豪は、出久の憧れの存在でもありました。しかし爆豪は、無個性の出久を「道ばたの石ころ」だと見下したり、誰が相手でも不遜な態度や粗暴な言動が目立つなど、当初は出久に対して「ヒール役」のような存在でした。
しかしながら、週刊少年ジャンプ誌上で行われたキャラクター人気投票では、第2回から第7回現在まで第1位を獲得し続けるほどの大人気キャラクターとなっています。一見すると乱暴者のような爆豪が、このように数多くの読者・視聴者から愛されているポイントは一体どんなところにあるのでしょうか。
本稿では、主人公・出久のめざましい成長過程の裏で、「誰よりもすごい」と信じていた傲慢さを打ち砕かれ、自尊心をへし折られながらも心身ともに成長していく爆豪の、珠玉のエピソードを振り返りつつその魅力を紐解いて行きます。なお、アニメ第6期までのネタバレも含まれますのでご注意ください!
また、本日4月20日はそんな爆豪のお誕生日でもあります。知れば知るほど溺れそうな「かっちゃん」沼、覗いてみませんか。
爆豪勝己とは
まずは爆豪勝己の生い立ちや、幼い頃から中学時代までの出久との関係性について振り返ってみましょう。
「自信家」「傲慢」「粗暴」? 爆豪勝己の人格形成まで
幼少期より、周囲から頭一つ抜きん出た才能を見せていた爆豪勝己。常に「かっこいい」「すごい」と褒めそやされた結果、幼い爆豪は「オレがすげぇんだ」「みんな、オレよりすごくない」という「自尊心の塊」のまま育ちます。周囲の人間は自分より「格下」であると見下しているため、自信家で傲慢な態度や粗暴な言動が日常となっていきます。
また、見た目が派手な「爆破」が個性である爆豪は、自身が「ヒーロー向き」であることを自覚します。折しも、世間では平和の象徴であるNo.1ヒーロー「オールマイト」が大活躍中。無敵のオールマイトに憧れた爆豪は、彼を越えるヒーローになることを夢見るようになって行きます。
「石ころ」と天才!? 中学時代までの出久と爆豪
主人公・緑谷出久とは幼なじみの爆豪。「個性」があって当たり前の中、当時「無個性」だった出久に対して「道ばたの石ころ」とからかったりいじめることでさらに自尊心を大きく育てて行くのでした。
ところが、どんなにいじめられても、強い「個性」を持つ爆豪に対し「かっちゃん、かっこいい!」と目を輝かせ、その背中を追っていた幼い出久。そんな出久の言葉に、最初は爆豪も得意気になっていたことでしょう。
しかしそんな「石ころ」出久が、いじめっ子・爆豪に対し(涙ながらとはいえ)立ち向かってみせたり、誤って川に転落した爆豪にいち早く手を差し伸べるなど、まるで「ヒーロー」を彷彿とさせられる行動をしたことで、次第に爆豪は出久に対して苛立ちを覚え始めます。
敵(ヴィラン)との遭遇で関係性に変化が!
そんなある日、爆豪が敵(ヴィラン)に襲われます……! ヒーローたちも手をこまねく中、爆豪を救出しようと群衆から駆け出したのは、無個性の出久でした。
爆豪が「助けを求める顔をしていた」と感じ、頭で考えるよりも先に「足が勝手に」動いた出久の思いがけない行動に、オールマイトを含むヒーローたちはもちろん、爆豪自身にも衝撃が走ります。爆豪は敵(ヴィラン)に襲われるという屈辱的な場面を出久や多くの人々に目撃された上、格下だと思っていた出久に結果的に「助けられた」形となり、プライドを傷つけられたように感じたことでしょう。
また、自分とは歴然の差があるはずの出久が爆豪と同じく、プロヒーローを多数輩出する雄英高校へ合格したことで「中学で”唯一”、”初の”雄英進学者」を目論んでいた完璧主義の爆豪はさらに苛立ちや屈辱感をふくらませて行くのでした。