ラバーは善なのか悪なのか? EDテーマ「Salt & Sugar」は人間と≪境界人≫の関係性をフックに制作!『THE MARGINAL SERVICE』内田雄馬さんインタビュー【連載第9回】
ジャパン澁宿という架空の世界を舞台に、≪境界人≫と呼ばれる”伝説上の生き物”が起こす事件を解決する≪マージナルサービス≫というチームの活躍と、≪境界人≫たちの謎やドラマを描いたオリジナルTVアニメ『THE MARGINAL SERVICE(ザ・マージナルサービス)』が好評放送中!
第8話では、ラバーを追究しようとする≪マージナルサービス≫に突然、上層部から手を引くようにという指令が。ラバーの目的が明らかになりつつも、まだ深い闇が眠っていることを感じさせる回でした。
アニメイトタイムズでは、本作のインタビュー連載を毎週掲載中。第9回にご登場いただくのは世界的なポップスターのラバー・スーツ役を演じる内田雄馬さんです。放送されたばかりの第8話の振り返りとご自身が歌うEDテーマ「Salt & Sugar」についての紹介、今後の見どころなど語っていただきました。
前回のインタビューはこちら
作品の第一印象は「硬派なの? 違うの?」。≪マージナルサービス≫のメンバーには親近感
――作品に対する印象や感想をお聞かせください。
ラバー・スーツ役 内田雄馬さん(以下、内田):近未来を舞台にしながら現代的な要素もあって身近さを感じながらも大きな出来事や事件が起きていて。そしてアメリカ映画のテイストもあって、硬派な作品なんだろうなと想像していましたが、ティザービジュアルを見たらキャラクターがみんな裸で、「硬派じゃないのか? どっちなんだ!?」と困惑したのを覚えています(笑)。
≪マージナルサービス≫のメンバーは全員ニッカポッカを履いていてヒーローっぽくないけど、メンバーそれぞれが守るべきものや信念のために戦っているところに親近感を感じました。例えるとすれば、近所の良いお兄ちゃんとお姉ちゃんが街を守ってくれているような。
――先日放送された第8話のご感想をお願いします。
内田:やっと今回でラバーがしっかりしゃべったなと(笑)。これまでは登場してもひと言、ふた言のセリフを言うだけだったので、ラバーがどんな人物で、何を考えているのか読み取りにくくて難しい人だなと思っていました。でも今回しゃべって、もっとわからなくなりました(笑)。ラバーは≪境界人≫と人間の間にある差別や壁を取り払って世界を1つにしたいと願って行動していますが、彼が善なのか悪なのか、その方法が果たして正しいのか、彼の思惑が今後明らかになっていくんだろうなとより興味深く、楽しみになりました。
――思い起こせば第2話の最後で世界的なポップスターでありながら、≪境界人≫たちを束ねる黒幕的な存在として名前が上がって、第3話でラバーが開いたパーティーに≪マージナルサービス≫のメンバーが潜入捜査するエピソードで初登場しました。
内田:でもその第3話も影武者だったので、この回までで一番しゃべった回がラバーじゃないという、印象的な回でもあります(笑)。
――この前の第7話では遂に≪マージナルサービス≫のメンバーと対峙しました。
内田:これまでも裏で糸を引いてきましたが、決して≪マージナルサービス≫を敵視しているというわけでもなくて。第7話の後半にブライアンたちに追い詰められると「マージナルエクスプロージョン」と言って要塞を自爆させて白旗を上げるという。
――≪マージナルサービス≫のメンバーだけではなく、敵のラバーさえも決めゼリフの「マージナルエクスプロージョン」を使うのかと驚きました。
内田:そうですよね。でもこれまでも常に先回りしてきたラバーだからこそ、アリなのかも(笑)。
――そして第8話では、ラバーの体臭によって、人々がゾンビ化するという特性からパニックになり、最後は布団圧縮袋に詰められて。アメリカナイズしている作品とはほど遠い解決法でした(笑)。
内田:特性はあるのに、匂いがしないからやっかいですよね。どんどん謎が深まるばかりで本当に気になる男です。ラバー・スーツは。
なかなか本音を見せないラバーを毎回模索しながら収録
――ラバーを演じる際に意識されたことや受けたディレクションなどお聞かせください。
内田:「もうちょっとねちっこい感じで」とか「自分に酔っている感じで」というディレクションが多かった気がします。でもラバーの真偽が僕の中で見えにくい状態で、彼の行動の1つひとつの想いや理由を想像したり、考えるしかないんですよね。ラバーなりにあえてそうしているのかもしれないし、自分の中の答えを確認するための見せ方なのかもしれないし。8話になっても本音を見せてくれないので、模索しながら収録していました。
――お一人で収録することが多かったようなので、今回は≪マージナルサービス≫のメンバーと掛け合いができて楽しかったのでは?
内田:やっと≪マージナルサービス≫と対峙できたという喜びと、みんなと掛け合いをする楽しさを感じながらの収録でした。