意味がありそうで、まったくなかった過去話。間違いなくギャグ回だった第7話を振り返り! 『THE MARGINAL SERVICE』杉田智和さん&中村悠一さんインタビュー【連載第8回】
ボルツはおかしな人
ーーここまでを通してお互いのキャラクターの印象を教えてください。
杉田:ロビンは全体を見渡していて、進行役から盛り上げ役、汚れ役まで進んでできる優秀な人です。どう接して良いのかわからない筋肉Botに対して、一緒に筋トレをしてあげるという選択肢を取れるところもすごいですし、こんな良い人いないよ?と思いました。
ーーたしかに、ロビンはボルツに合わせていることが多いですね。
杉田:そうなんです。逆はないですが。
ーーボルツについてはいかがでしょうか?
中村:ロビンのことを良く言ってもらったところ悪いんですが、ボルツはおかしな人だなと。とにかく語彙が少ないですし、会話が成立しているようで成立していないんですよね。
ただ、ライラとサイラスは真人間に見えた狂人だと思っていて、会話できる気がしないんですよ。でもボルツはこのふたりに比べて悪意がなくまっすぐな人物だと思っていて。杉田が音響側からセリフの指示をもらっているのを聞いていると、スタッフ側もそういう風に描きたいんじゃないのかなと思いました。
ーーお話を聞いていて、改めて不思議なコンビだと感じました。
中村:前回のインタビューでロビンとボルツは、本当は仲が悪いとは言いましたが、根底には信頼があるのではないかなと僕は思っています。一緒に任務に赴いてもあまり邪魔することはありませんし、ふたりしてボケたりしていますし。意外と良いコンビなのかもしれませんね。
ーー第7話ではそんなふたりが本気でぶつかり合いました。
中村:アフレコ中の映像は未完成だったので、完成版はすごくシリアスになっているかもしれませんが、僕としては撃ち合っているのが隣同士に見えて面白かったです(笑)。そういうギャグなんでしょうか。どちらにせよ、本人たちは真剣に命の奪い合いをしたり、主義主張をしていますが、絵としてはすごくコントになっているんじゃないかなと思います。
ーーアフレコの様子はいかがでしたか?
中村:昨今は別録りが多い中、一緒に収録することができました。
ーー全体を通しておふたりは一緒に録られることが多かったのでしょうか?
中村:そうですね。ブライアンとゼノ、ライラとサイラスのペアと一緒に録ることが多かったと思います。
ーー杉田さんは掛け合いを収録されていかがでしたか?
杉田:ふたりの争いは日常的に行われていることだと思っていたので、今回の戦いをそこまで一大事とは捉えませんでした。そもそも自分の中での「大事」の度合いを上げ過ぎると、芝居の方向性が間違ってしまうことが時々あるんですよ。
でも今回は、ロビンの声を聴きながら演じたおかげで引き出されたものがありましたし、ひとりではもっと迷っていたかも、と思っています。そこに関しては掛け合いで収録できたことに感謝しかないです。自分ひとりで録る場合は、現場に向かう前にある程度芝居を固めないといけないので、なおさら。