『江戸前エルフ』小金井小柚子役・関根 瞳さんインタビュー|小柚子が本心を打ち明ける場面は、私もうるっときました
TVアニメ『江戸前エルフ』は、400年以上の歴史を持つ高耳(たかみみ)神社を舞台に、ご神体のエルフ・エルダとその巫女・小金井小糸、そして月島の人々のふれあいが描かれていく「ゆったり下町コメディ」。
アニメイトタイムズでは、本作を盛り上げるリレーインタビュー企画を連載中です!
連載第4回は、小糸の妹である小柚子役の関根 瞳さんが登場。小学生ながら家事が得意なしっかり者の小柚子ですが、第7話では秘められた思いが明らかになりました。関根さんは小柚子の思いをどのように受け止め、どのように表現しようとしたのでしょうか。小柚子への向き合い方をたっぷり伺いました。
「言葉の最後にハートマークをつけるようなイメージ」
――小柚子の第一印象はいかがでしたか?
関根瞳さん(以下、関根):原作のデザインを見た瞬間、「か、かわいい~!」と思いました。見た目はかわいくて癒やされるのに、芯の部分はしっかりしていて、子どもっぽくもあり、大人っぽくもあるところに魅力を感じました。
――オーディションではどのようなことを意識されましたか?
関根:小柚子はしっかり者な大人っぽい一面が強調されることが多いのですが、小学生なので、声のトーン自体はかわいらしいのかなと思ったんです。オーディションテープを録るときは、マネージャーさんにも相談しながら小柚子の幼い部分も意識にするようにしていました。
――アフレコが始まり、音響監督の藤田亜紀子さんから何かディレクションはありましたか?
関根:小糸とエルダの会話に混ざるときのテンション感について、いろいろとアドバイスをいただきました。基本的に小糸とエルダの会話劇がメインなので、小柚子は2人の間に混ざっていくことが多いんです。
しかも2人のノリにそのまま乗っかっていくというよりは、「大丈夫?」と2人を気にしたり、“エルダ様”に会える喜びと緊張であわあわしたりと、一歩引いたところがあって。そのうえで空気感を合わせる必要があるので、ノリやテンション感を掴むのに最初は苦戦しました。
――どのようなアドバイスがあったのでしょうか?
関根:小柚子に柔らかい印象を持っていたこともあり、最初はローテンションというほどではないのですが、大人しめなアプローチで演じてみたら、藤田さんから「普通に会話に混ざっていくような明るさはあるから、明るさは出していきましょう」とアドバイスをいただきました。
部分部分でかわいらしいところを積極的に出してほしいとのことで、例えば笑顔を見せるようなシーンでは「言葉の最後にハートマークをつけるようなイメージ」というディレクションもいただいて、それは特に印象に残っています。いろいろと教えていただけて、とても勉強になりました。
――小柚子の芝居は細かいニュアンスが大事なんですね。
関根:そうなんです。小柚子自身はけっしてあざといわけではないのですが、幼さを表現するにはかわいらしさを意識する必要があるんだなと思いましたし、それが自然にできたらいいなと思いながら演じていました。
――第1話だと、先ほどおっしゃったようにエルダに会う緊張感がとてもよく出ていました。
関根:小柚子はエルダに憧れがあるので、実際に会ってみたいという気持ちがあるんだろうなと思ったんです。エルダには知らない子への怯えがあったと思いますが、小柚子は逆でむしろ「生の芸能人を見かけた!」くらいの気持ちで作っていくようにしました。
――芸能人に会う感覚というのは、なるほどと思いました。
関根:藤田さんからも「ぱあっと明るくなるようなイメージがいいです」とディレクションをいただきました。
――小柚子といえば料理というくらい、料理や食事のシーンが大事に描かれています。こちらを演じるにあたって何か大切にされたことはありますか?
関根:あくまでも「好き」という気持ちで料理をしていることが伝わるような演技を心がけました。「料理をしなきゃ」という義務感ではなく、料理を作るのが好き、みんなが喜んでくれるのが好き、だから料理をする。好きが高じて家族のために料理をしているからこそ、料理をする喜びや楽しさは大事にしました。
――第2話のもんじゃ焼きを作るシーンも、とても楽しそうでした。
関根:そのシーンも最初は少し控えめに演じてしまったので、藤田さんからはもっとエッヘンとした感じや、「私が見せたる!」といったニュアンスを乗せてほしいとディレクションをいただいて。
確かに、子どもが自分の頑張りを「どう、どう?」と、周囲に自慢することってありますよね。私も子どもの頃、なんでも自分でやろうとしていましたし、「やってやって」「すごい!」と頼られることが嬉しかったりしたので、そのときの気持ちを思い出しながら、小柚子の純粋な喜びを表現しました。