成長や変化、感情の振れ幅が見え隠れする、若き五条を演じるためのポイントは? 夏アニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」五条 悟役・中村悠一さんインタビュー
若き五条を演じるためには経験値を引いた状態に
ーー第2期はいきなり過去に遡ったところから始まりますが、若い五条 悟を演じてみていかがでしたか?
中村:年齢的な若さを念頭に置きました。今回強敵と対峙することになるんですが、当時の五条は自分が持っていて育ててきたそのままの能力で何とかなってきた人だと思うんです。それでここまで上がっているわけだから、調子に乗っている気がなくても、周りからはそう見えるだろうし、本人にも自信があるんだろうなって。なので、そういう根拠のない自信やその年代特有の青さみたいな部分は、演じる上でも必要なところなのかなと思いました。
これまで演じてきた五条はいろんなものを経てきているんですよね。強敵とも戦った経験値がある上で振る舞っていたので、そこから経験値を引いた状態にしていくことは意識しました。
ーー単純に若い声を出すという部分では技術もあるでしょうが、それよりも、その時の五条 悟を演じるということなんだなと思いました。ただ、若い頃は、どこかもっと人間っぽいなと感じました。
中村:そうかもしれないですね。しっかり焦ったりするシーンがあるので。今の彼を演じるよりは、少し人間味があるというか、感情の振れ幅は大きい気がします。
ーー強敵である伏黒甚爾は子安武人さんが演じられましたが、掛け合っていかがでしたか?
中村:一緒に収録できたことは嬉しかったんですが、実際に掛け合った話数がそれほどあるわけではなくて、五条からすると、伏黒と昔から因縁があるわけでもないんですよね。
ーーそう言われてみると、確かに深い因縁があるとかではないですね。
中村:甚爾とのシーンのテストでは、僕が発したものに対して、子安さんが返してくれたんですけど、そこはお互いの主張をしているだけだから、掛け合わなくてもいいと。でもそれは確かにそうなんですよね。
甚爾は五条を知っていて意識をしているんですが、五条からしたら急に現れた奴がいきなり出てきて戦いになっている認識なので、感情的なシーン、気持ちのぶつけ合いはそこにはないんです。演出意図を理解できましたし、テストで子安さんと掛け合えて楽しかったです。
ーー夏油 傑に関してはいかがですか?
中村:今回のエピソードがあって、劇場版やTVシリーズの第1期に繋がる時系列のため、劇場版で夏油とやり取りしているところを少しでも汲んだ上で、今回のお話に取り組めると良いのかなという感覚は持っていました。
ーー最後に、放送へ向けての意気込みをお願いします。
中村:少しお待たせしましたが。TVシリーズ第1期と『劇場版 呪術廻戦 0』を経て、原作の続きをお届けできます。今回のエピソードで五条 悟という人物を深く知ることができると思います。ぜひ一緒に作品を盛り上げていただければと思います。よろしくお願いします。
[取材/塚越淳一]
TVアニメ『呪術廻戦』作品情報
●第1期
Blu-ray&DVDシリーズ 第1巻~第8巻発売中!
TVシリーズ 各動画配信サービスで配信中!
●第2期
7月6日から毎週木曜23:56~MBS/TBS系列全国28局にて放送開始!
「懐玉・玉折」PV第2弾
イントロダクション
少年は戦うーー「正しい死」を求めて
集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々による漫画作品『呪術廻戦』。
2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊20巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の7,000万部を突破。
2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてTVアニメ第1期が放送され、国内のみならず全世界で大きな反響を呼んだ。さらに、同年12月24日、第1期の前日譚にあたる物語が描かれる『劇場版 呪術廻戦 0』を上映し、全世界で一大ムーブメントを巻き起こした。
そして、2023年に放送が決定している第2期で描かれるのは、五条 悟と夏油 傑の高専時代の物語「懐玉・玉折」。劇場版にて示唆された五条と夏油の決別した過去がついに明らかとなる。
さらに、連続2クール内にて「懐玉・玉折」の後、第1期から続く時間軸の物語「渋谷事変」も描かれることが決定。10月31日、ハロウィンで賑わう渋谷駅周辺に突如“帳”が下ろされ大勢の一般人が閉じ込められる。単独で渋谷平定へと向かう五条だが、これは夏油や真人ら呪詛師・呪霊達による罠だった…。虎杖、伏黒、釘崎といった高専生のメンバーや呪術師たちも渋谷に集結し、かつてない大規模な戦闘が始まろうしていた。
呪いを廻る壮絶な物語が再び廻りだすー
「懐玉・玉折」ストーリー
最強の2人 戻れない青い春
2018年6月、両面宿儺を己の身に宿した虎杖悠仁。
2017年12月、祈本里香の呪いを解いた乙骨憂太。
そして更に時は遡り2006年(春)—。高専時代の五条 悟と夏油 傑。
呪術師として活躍し、向かうところ敵のない2人の元に、不死の術式を持つ呪術界の要・天元からの依頼が届く。
依頼は2つ。天元との適合者である“星漿体(せいしょうたい)” 天内理子、その少女の「護衛」と「抹消」。
呪術界存続の為の護衛任務へと赴くことになった2人だが、そこに伏黒を名乗る“術師殺し”が“星漿体”の暗殺を狙い介入する…。
後に最強の呪術師と最悪の呪詛師と呼ばれる五条と夏油、道を違えた2人の過去が明かされる―。
STAFF
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史・小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東 潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳 圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
主題歌
オープニングテーマ:キタニタツヤ「青のすみか」(Sony Music Labels)
エンディングテーマ:崎山蒼志「燈」(Sony Music Labels)
CAST
五条 悟:中村悠一
夏油 傑:櫻井孝宏
家入硝子:遠藤 綾
天内理子:永瀬アンナ
伏黒甚爾:子安武人