中国で大ヒットしたアニメ映画の日本語吹き替え版が公開! eスポーツに人生をかけた若者たちの青春と激闘を描いた中国で大ヒットしたアニメ映画『マスターオブスキル -For the GLORY-』──主人公の葉 修(イエ・シュウ)役を演じる中村悠一さんへインタビュー!
中国で絶大な人気を誇る『マスターオブスキル』シリーズのアニメーション映画『マスターオブスキル -For the GLORY-』の日本語吹き替え版が2023年7月8日(土)よりグランドシネマサンシャイン池袋ほかで全国公開!
『マスターオブスキル』はオンラインゲームのプロゲーマーを主人公に、オンライン小説やマンガ、アニメ、実写化など幅広いメディアミックス展開されていて、『マスターオブスキル -For the GLORY-』は中国で公開後約242人を動員、興行収入8,560元(約13.5億円)という大ヒットを記録しました。
このたび公開される日本語吹き替え版では、主人公の葉 修(イエ・シュウ)役を演じる中村悠一さんのほか、内田雄馬さん、能登麻美子さん、杉田智和さん、福山 潤さんなど豪華キャスト陣が吹き替えを担当しています。
そんな注目作の公開を記念して、葉 修役の中村悠一さんに作品の印象や収録時のエピソード、題材になっているeスポーツについてなど語っていただきました。
実際のeスポーツの大会と近しい雰囲気と盛り上がり。日本でもeスポーツへがもっと盛り上がってほしい
──まず本作の印象についてお聞かせください。
葉 修(イエ・シュウ)役 中村悠一さん(以下、中村):海外で制作された作品なので、同じアニメでも考え方や方針などに特色があるんだなと感じました。
──中村さんはゲーム好きとしても知られていますが、eスポーツやオンラインゲームがテーマの作品で演じることに関して、意識したことや特別な想いはありましたか?
中村:僕はゲームが好きですが、eスポーツのような競技性の強いジャンルで扱われるゲームが得意というわけではないので、選手たちがどういう想いや考えで行動しているのかというところまではわからないんです。
この作品のテーマの1つとして大事なのが仲間とのチームワークで、1対1ではなく、自分と相手、そして味方がいて、味方も人間なので、こちらが想像しているようには動いてくれないため、いくつもの不測の事態に遭遇するわけです。
僕はそういうシチュエーションでプレーすることが少ないので、収録しながら「こういうものなんだな」と理解していきました。
──作中では大きなアリーナでeスポーツの大会が行われ、応援するチームの旗を振る人がいて、eスポーツの盛り上がりや熱狂ぶりがわかるシーンでした。中村さんはeスポーツの大会に触れたり、ご覧になったことはありますか?
中村:ネットで大会を配信している時に見たことはありますが、配信で大会を見るとゲーム画面が映されていることがほとんどで、会場の様子、どのくらいの規模で、どんな雰囲気でやっているのかはわからないんですよね。
なので作品で描かれているシーンがリアルなのか、それとも来るべき未来を表現しているのかもわからなくて。
でも現在リアルに行われている「EVO」という世界最大の格闘ゲームの大会の入場シーンを見る限りでは、近しい規模感と盛り上がりを見せている気がします。
スタッフ:チームの旗を振って応援するのも中国ではよくあります。
中村:そうなんですね。日本ではまだおとなしい気がするし、日本にもゲームの名作がたくさんあって、世界でも愛されているゲームもありますが、いまだにゲームは子供が遊ぶもので、大人が人生をかけて挑むものではないと考えている人も多い気がしていて、大会を行う場所やコンテンツがまだ少ないように感じていました。
でもアニメも元々は子供が見るものと言われていましたが、今では文化として認知されて、大人や有名人の人でも「アニメが好き」と口に出して言えるようになりました。
ゲームもこのシーンまで来てくれるんじゃないかなと思っていますが、海外のほうが一足先にそこに行きついているのは悔しい感じもあります。
演じる葉 修は一度成長した後も葛藤や悩みを抱える天才ゲーマー
──演じられた葉 修についての印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
中村:見てくれる方に葉 修がどんな人物なのかを感じ取ってほしいという風に作られているのかなと思ったので、「こういう人物です」とお答えするのが難しいんですけど、彼の会話の内容から一度成長した後で、だからチームのリーダーになっているんだなと感じました。
でもプライベートは順風満帆ではなく、自分がやりたいことに家族や周りから賛同や協力してもらえていないことが読み取れて。
いったん成長は迎えたけれど、まだまだ葛藤や悩みなどクリアになっていないものがたくさんある中で、eスポーツに対してどういう気持ちで向き合っていくのかなど心境や感情が揺れ動くところが葉 修というキャラのおもしろさであり、見どころなのかなと思います。
──葉 修は「闘神」と呼ばれる天才プロゲーマーですが、彼が「嘉世(かせい)」というチームを立ち上げたことで、チームをまとめるリーダーとしての役割と、絶対的なチャンピオンチーム「皇風」とどう戦うのか参謀的な役割を担っています。でも悩みを誰かに相談することもなく、自分の中で解決しようとする姿が頼もしくもあり、痛々しくもあり。
中村:もしかしたら自分のことも全体を見ることもできてしまうタイプなのかもしれませんね。性格的にも能力的にも。
嘉世のチームメイトを見ると、自分のことしか見られない、できないメンバーもいれば、周りは見えているけどまったく主張をしないメンバーもいて。メンバーを見渡してみた時、一番自然とチームのバランスを取ったり、まとめることができる人物なのかなと思うし、無理にリーダーとしての役割を担っているようにも感じませんでした。