「「なりたい」という存在でいられるということは私自身、とてもうれしく感じています」──『ふたりはプリキュア Splash☆Star』ついに初の全話Blu-ray化&HDリマスター! 樹元オリエさん、榎本温子さんインタビュー
『プリキュア』シリーズ20周年を記念して『ふたりはプリキュア』3シリーズから、豪華特典満載の決定版Blu-rayBOXが3か月連続で発売されます。第3弾はプリキュア3年目のシリーズ『ふたりはプリキュア Splash☆Star』の『ふたりはプリキュア Splash☆Star ~20th LEGENDARY BOX~』。ついに初の全話Blu-ray化&HDリマスターです。
本作の発売を記念して、日向咲/キュアブルーム役の樹元オリエさん、美翔舞/キュアイーグレット役の榎本温子さんにインタビュー。『ふたりはプリキュア Splash☆Star ~20th LEGENDARY BOX~』のできたてのサンプルを手に取りながら、自然と会話がはじまっていきました。
お芝居を観てもらいたい
──『ふたりはプリキュア Splash☆Star ~20th LEGENDARY BOX~』は、現在入手困難なかつての特典のコレクターズ収録をはじめ、映像特典・封入特典も盛りだくさんですね。
榎本温子さん(以下、榎本):本当に! 今ボックスを手に取らせてもらっていますが、とにかくかわいい……! ファンの方が絶対に喜ぶはずです。私たちもうれしいですね。『ふたりはプリキュア Splash☆Star』(以下『S☆S』)は不遇と言われることもあるんですが、私はすごく恵まれていると思うんですよ。
樹元オリエさん(以下、樹元):うんうん。私もそう思う! 今回のBOXもスタッフの皆さんも気合いを入れてくれているのを感じています。本当にうれしい。
榎本:『S☆S』が愛されていることを感じて、私たちとしてもとてもうれしいです。ファンの方が年々増えているように感じているんですよね。「プリキュアの中でいちばん舞ちゃんが好き!」という声もよく聞くんです。これだけたくさんプリキュアが登場している中でそう言っていただけることにびっくりします。
樹元:遡って見てくれている方がいるもんね。舞は美少女って言われてるイメージがあります。それに本当に良い子。プリキュアたちは個性豊かですが、『S☆S』のふたりって、すごく良い子に描かれている印象があるんですよね。
榎本:嫌味のない良い子だよね。
樹元:そうそう! 背伸びしすぎてもないし、海沿いの田舎の雰囲気もあってか、ふたりも素朴な性格で……すごく良い。
榎本:今回の稲上晃さんの書き下ろしイラストも本当にかわいくて。本当に豪華な内容なのですが、いちばんは、声優さんたちのお芝居を観てもらいたいです。
樹元:いや、でも私のお芝居はなかなか……(苦笑)。初のメインキャストで緊張しっぱなしでしたから。
榎本:いやいや、オリエちゃんはいつもそう言うけど、オリエちゃんの演技は本当に素晴らしいよ。
──そう思います。
樹元:でも今になって冷静に見られるようになって。技術がついてきた今あらためてこの時の芝居を見ると、豪速球のストレートを投げているんですよね。それしかできない。でもそれを周りの人たちがいろいろな形で受け止めてくれるんですよね。私がそのままセリフを言っただけだと、ともすればキツく聞こえてしまうところもあったと思うんです。でもあっちゃんがそれを柔らかく受け止めてくれるから、掛け合いが成立しているんだなって思いました。
榎本:本当ですか?
樹元:そうですよ〜! 私は「この言い方しかできない」っていう言い方を全力でしているの。今だったらもう少しニュアンスを入れることもできたと思うんです。でも「どこに投げても受け止めてやるから、来い!」って言わんばかりの雰囲気で。例えば、フラッピもミズ・シタターレもそう。私の豪速球を受け止めてくれていました。
榎本:それが崩れるのが、満と薫が登場した場面じゃないですか。
樹元:ああ。
榎本:だから良いんですよね。天真爛漫で、悩むことは「ソフトボールうまくいかないなぁ」ってくらいで。でも満と薫により、初めて喪失を感じる。それが良いんだよ。
樹元:なるほどね。
──『S☆S』と言えば、満と薫の存在も大きいですよね。
榎本:満と薫によって「あんなに元気な咲ちゃんが」ってなるところも見ていても楽しいし、咲ちゃんの人間味を感じることができて良いんじゃないかな。