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夏アニメ『AYAKA ‐あやか‐』連載インタビュー:寺島拓篤(沙川尽義 役)【第2回】

夏アニメ『AYAKA ‐あやか‐』連載 第2回:寺島拓篤(沙川尽義 役)|ろくでなしだけど、今後大事になるのは尽義のコミュニケーション能力

酔っ払い9:シラフ1、かつてない尽義の酔っぱらい具合

――では改めてですが、演じている沙川尽義について、どんなキャラクターでしょうか。

寺島:現段階では、ずっと酔っぱらっているろくでもない男だということくらいしか言えないし、実際、どうしようもない人だな~って感じでした。

――確かに、1~2話はろくでもない感じがあるんですけど、どこかちゃんとした部分がありそうな感じもするんですよね。

寺島:そうですね。尽義が面白いのは、ものすごく奥のほうにある芯となるちゃんとした部分と、表に出ている全開まで酔っ払っている部分の、どちらもが本物であるところですよね(笑)。酔っ払ったふりして、物語を展開させていく人もいますけど、彼はマジで酔っ払っているから、こんな人、アニメであまり見ないなって思いました。しかも全編通してですからね。

アフレコのときって色が付いていないときもあるんですけど、「ここも酔っ払ってます」って言われるので、じゃあ、いつシラフなの? この人っていう(笑)。酔っ払い9、シラフ1くらいの感じなんです。真面目なこと言ってても、基本酔っ払っているので、酩酊状態ではないにしても、アルコールは入ってますね。

――その演技も大変そうですね。

寺島:僕がアニメ好きというのもあるんですけど、整えたくなってしまうんですよ。向こう側で生きている人をちゃんと演じようと思ってしまうので。

台本の言葉もちゃんと読みたいしっていう僕の思いもあって、どこか崩しきれないところがあるんですけど、そこをいかに崩せるかが課題でした。

――もっとろれつが回っていない感じでも良かったのかもしれない。

寺島:オッケーは出たかもしれないです。そこまで行ってみても良かったかもしれないけど、職人としてのブレーキが掛かってしまうという。だからオンエアが楽しみであり、不安でもあるんですよ(笑)。大丈夫だったかな?って。

――でも、真面目なセリフを言うときに、彼の良さが見え隠れするような予感はしています。

寺島:根本的に人が良いのでね。ただ僕はそこを全面に出していこうと思っていないので、酔っ払って人に絡むときは、「本当にめんどくせーな、この人!」っていうのがちゃんと伝わるように演じられたらいいなと、気をつけています。

――第2話の時点で、尽義は幸人に対して、どんな気持ちでいると思いますか?

寺島:実際のところは最終話まで行って、そこから振り返ってみてわかるものだと思うんですけど、尽義は幸人に心を開いてほしい。それは自分の願望というよりは、幸人にとってそれが絶対にいいという確信がどこにあって、そこに自分の酔っ払いという要素を使っているんじゃないかなっていう気がしているんです。

僕もまだ最後は知らないので、尽義がどういう思いで幸人と向き合っていたのかっていうのが、いつか語られるのではないかと楽しみにしているんですけど、それがどういうシーンで訪れるのかは想像もつかないので、今は怖くもあります。

――見ている分には、いい兄貴分な感じはしました。

寺島:そうですね。やっぱり弟分を振り回すくらいが、兄貴分としては面白いしちょうどいいのかなって思いました。そうすることで、今までなかったものが芽生えてきたり、隠れていたものが目覚めたり、そういうきっかけにはなると思うので、幸人に刺激を与える人物としては、すごくいい存在なんじゃないかなって思います。

――第1話の最後あたりで、もう心を開いているような感じでしたからね。

寺島:ですよね! 最初にやったとき、テンポよく進んでいったこともあって、幸人を演じている上村祐翔くんに「ちょっと心を開きすぎ」ってディレクションがあったりもしたので。でもそのあたりの匙加減ってすごく繊細で、それに対して、上村くんの良いお芝居が炸裂しているので、今後も幸人の成長に注目してほしいです。

ろくでなしだけど、今後大事になるのは尽義のコミュニケーション能力

――2人はバディ的なポジションにいると思うんですけど、幸人役が上村さんだと知ったときはどう思いましたか?

寺島:本人から聞いたんですよ。別作品で一緒になったとき、「今度『AYAKA -あやか-』でよろしくお願いします」と言われて、上村くんだったの!って(笑)。なかなかガッツリやり合うことが多くなかった役者さんだったので、どういう感じでくるんだろうってワクワクしていました。

――ちょっと表現が合っているかわからないですが、ナチュラルめのお芝居をする印象があるんです。

寺島:今の若い役者は、わりとそうだと思いますよ。でも僕はできないんですよ。やり方がいまいちわからないし、やり方があるものでもないとは思うんですけど、世代による特質な気もするんです。僕ができないことをやっているので、すごいなって思っていますし、自分だったらあの置き方はできないぞ、みたいな感じです。そういうところも吸収できたらいいなと思うので、実はこっそり見ています。

――掛け合うことで引き出されるものは、やはりあるのですか?

寺島:ありますよ。役同士で、幸人がこうだから、尽義はこうしようとか。自分で家で練習しているものとは全然違うものが出てくるので。

――そうなんですね! 物語を振り返ると、第1話では幸人を川へ放り投げたり、リュックに詰め込んだり、めちゃくちゃでしたね。

寺島:尽義はめちゃくちゃなんですよ! ホントに。ピンチになるととんずらするし(笑)。人としてあるまじきことをまぁまぁしてるから、嫌われるよ?って思っています。人をリュックに詰め込むって、術の力とは言え怖すぎるだろ!と。

見ている皆さんも、えーー!!って思いながら振り回されてほしいです(笑)。だってアラミタマに幸人を投げ込んでましたからね。3話以降もそういうシーンになると、この人ヤバいなって思うので、僕個人としては、できれば師匠にしたくないです(笑)。

――第2話も、結構なことをしていましたが、いかがでしたか?

寺島:『水繰りの術』というもので、操り人形的なものを水で作り出す術を彼は使うんですけど、事件の原因が自分にあったって、ものすごいオチだなと思いました。僕もまさかとは思ったけど、「お前のせいじゃねーか!」って最後ツッコんだから、マジで尽義はヤバいんです。それだけはナシだよってことが尽義には起こるから、台本を読んでいても面白いところです。

だから、本当に僕と全然違うところにいる人だなって思いますね。僕は酔っ払って記憶をなくしたこともないので、人生楽しいだろうなって思いながら見ています。憧れはしないけど羨ましい。

でも、このオチもちょっと昭和テイストですよね(笑)。回り回って自分に来るっていう。あと、アラミタマのデザインも毎回違うので、何かモチーフがあるのかなって想像するのが面白かったです。

――鞍馬春秋(CV.鳥海浩輔)や伊吹 朱(CV.梅原裕一郎)も出てきますが、どんな印象がありますか?

寺島:春兄、朱兄って呼ぶくらい、もともとは距離が近い兄弟子2人なんですけど、今は道を違えている状況だというのは、尽義にとっても好ましくないし、できればみんなで仲良くいたいんだろうなと思って、2人にはアプローチするようにしています。

つまり、2人がまとっている空気感、ピリピリ感を尽義は気にしないようにしているんです。お芝居する上でも、全然気にせずにいつも通り付き合っていれば、いつかまた戻るんじゃないかなって、淡い期待も抱きながら接しているつもりです。

――ただ、気遣いはしていますよね。

寺島:それはもちろんそうですね。尽義って気を遣っているということを感じさせないように気遣いをするんですよ。

――さりげないんですよね!

寺島:そうなんです。傍から見るとわかるんですけど、実際対面している本人からしたら、気を遣われているなって気が全くしないと思うので、そこが尽義のバランス力、コミュニケーション能力なのかなって思います。

今後、その2人もそうですけど、2人の弟子や部下たち、それと幸人。色んな人間関係があるので、その中での尽義のコミュニケーション能力っていうのは、結構重要なんじゃないかなって思います。

――お金借りようとしたりしますけどね。

寺島:ホントろくでもないんですけど、それでも島の人から嫌われていない感じは、彼が持っているものなんでしょうね。

――ちなみに、寺島さんが気になるキャラクターはいますか?

寺島:好きなのは大人組ですね。幸人の日常生活を支えてくれている稲生三次さん(CV.飛田展男)とか、尼宮百々子さん(CV.早見沙織)。そのあたりの人たちの存在がすごく気になっています。

最初塞ぎ込んでいた幸人に、どんな手を差し伸べていくのか。そこを担っていたのがこの2人だと思うし、こういう素敵な大人がいて良かったねってすごく思います。不思議な力のことも知った上で、優しく振る舞ってくれるんですからね。

――最後に、今後楽しみにしてほしいことはありますか?

寺島:第1話の冒頭であった、八凪真人(CV.津田健次郎)が直面していたことが、今どうなっていて、そういう事がある物語の中で、これから幸人を中心にどう展開していくのかは、想像を超えて面白いものになっていくと思います。尽義的には酔っ払っているところしか見せていないので申し訳ないんですけど、もうちょっと付き合っていただいて、幸人や尽義たちがどう生きていくのかを見届けていただけたら嬉しいです。

[取材&文・塚越淳一]

TVアニメ『AYAKA -あやか-』作品情報

放送情報

2023年7月1日(土)よりTOKYO MX、BS11他にて放送中!
TOKYO MX:毎週土曜 25:00~ 初回放送=7月1日(土)
BS-11:毎週土曜 25:00~ 初回放送=7月1日(土)
AT-X:毎週火曜23:30~ 初回放送=7月4日(火)
(リピート放送:毎週木曜10:30~/毎週月曜16:30~)
北海道テレビ:毎週月曜25:55~ 初回放送=7月3日(月)

※放送日時は変更となる場合がございます。

配信情報

FODにて〈地上波同時〉見放題最速配信中!
毎週土曜25:00~ 初回配信=7月1日(土)

dアニメストア:毎週水曜25:00~ 初回配信=7月5日(水)
U-NEXT:毎週水曜25:00~ 初回配信=7月5日(水)
アニメ放題:毎週水曜25:00~ 初回配信=7月5日(水)

2023年7月8日(土)25:00より順次配信スタート
ABEMA
Amazon Prime Video
バンダイチャンネル
DMM TV
Hulu
J:COMオンデマンドメガパック
Lemino
milplus
ムービーフルPlus
ニコニコ生放送
ニコニコチャンネル
スマートパスプレミアム
TELASA
クランクイン!ビデオ
HAPPY!動画
ふらっと動画(ネットカフェ)

Introduction

GoRA×キングレコードがタッグを組む、完全新作オリジナルアニメーション『AYAKA ‐あやか‐』。

作家集団GoRAが、七つの島が連なる綾ヵ島を舞台に、相棒×師弟×好敵手×兄弟という関係性と、それぞれに宿命を背負った男たちの切なくも美しい絆の物語を描く。

シリーズ構成・脚本をGoRA、キャラクター原案を数々の著名作品の原案を担当するイラストレーターredjuice、監督は長山延好、キャラクターデザインを金子美咲、プロダクションデザインを田中直哉、アニメーション制作をスタジオブランが務める。

GoRA脚本による緻密なストーリーと、気鋭のスタッフ陣が織りなす完全新作アニメに、誰もが魅了され、宿命を背負う男たちの姿に心を揺さぶられる――。

あらすじ

八凪幸人は、本土の児童養護施設で育った少年だったが、ある時亡き父の弟子であるという傍若無人な青年・沙川尽義がやってきて、幸人を故郷である綾ヵ島に連れ出してしまう。

七つの島が連なる綾ヵ島は、火と水の龍の伝説が色濃く伝えられ、「ミタマ」と呼ばれる不思議な存在が当たり前のように生息する奇妙な島だった。

幸人は、綾ヵ島の調和を守る仙人であったという父の三人の弟子たちと関わりながら綾ヵ島で暮らし始める。だが尽義の二人の兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱の間には深い確執があった。

調和の崩れ始めた「あやかい」島で、幸人が直面する真実とは——

STAFF

原作:GoRA・KINGRECORDS
監督:長山延好 
シリーズ構成:来楽 零(GoRA)
モノガタリプランナー:宮沢龍生(GoRA)
アクション監修:柴田裕介 
キャラクター原案:redjuice 
サブキャラクター原案:TCB
キャラクターデザイン:金子美咲
モンスターデザイン:渋谷亮介 
プロップデザイン:佐藤玲子 
プロダクションデザイン:田中直哉
コンセプトアート:芳野満雄 
3Dセットデザイン:榎本嘉輝 
美術監督:海野よしみ
背景美術:プロダクション・アイ 
色彩設計:田中英里那 
撮影監督:豊岡茂紀
撮影:旭プロダクション 
CGディレクター:中島 豊 
編集:岡 祐司
音楽:澁江夏奈 
音楽制作:キングレコード 
音響監督:田中 亮
音響効果:武藤晶子 
録音調整:太田泰明(ピーズスタジオ)録音助手:西 美春
録音スタジオ:STUDIO T&T 
音響制作担当:濱 亮平 
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメーションプロデューサー:江里口武志 
設定制作:杉川竜太朗
アニメーション制作:スタジオブラン
製作:Project AYAKA

主題歌

オープニングテーマ:angela 「AYAKASHI」
エンディングテーマ:saji 「フラッシュバック」

CAST

八凪幸人:上村祐翔
沙川尽義:寺島拓篤
鞍馬春秋:鳥海浩輔
伊吹朱:梅原裕一郎
福分茶太郎:梶原岳人
天乃夜胡:榊原優希
一条いばら:花澤香菜
八凪真人:津田健次郎
尼宮百々子:早見沙織
稲生三次:飛田展男
薪田太平:福山潤
ミタマ:椎名へきる

公式サイト
公式ツイッター(@AYAKA_animePR)

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