『贄姫と獣の王』第2クールED曲「call your name」を歌うkatagiriさんに初インタビュー! 音楽のルーツや『贄姫』の魅力、プロジェクトの展望などを語る
英詞のブロックは、最初はハミングだった!? お気に入りのフレーズはBメロ
――曲名が英語なのに英語が入っているのは長めの英詞が並ぶ2つのブロックのみというのもおもしろいですね。英詞の部分がおとぎ話感も感じさせます。
katagiri:この英語の部分は、yonkeyさんにアレンジしていただいた時、最初は1番と2番の間のインターバルと後奏の部分にハミングを入れたらどうかというアドバイスをいただいてハミングが入っていたんです。その後、「英語の歌詞を入れてみたら」と提案していただいて。英詞に対して苦手意識があったんですが、挑戦してみようと。英詞は英語ができる方にお願いしました。「1人に思えていても実は周りにいるたくさんの人たちに支えられていて、そのたくさんの光が包み込んで応援してくれているから1人じゃないんだよ」というメッセージを送れた気がして、英詞に挑戦して良かったです。
――お気に入りのフレーズと聴きどころを挙げるとすれば?
katagiri:Bメロのフレーズが好きです。1Bでは「その言葉一つが誰かを救って その言葉一つが誰かを追い詰めた」、2Bでは「その刃一つが誰かを傷つけ その刃一つが誰かを生かした」で、その後に「なんて難しい世界に生まれ落ちた」と歌っているように、この世界には矛盾がたくさんあって。私が歌詞を書く時は、自分が感じている「引っかかり」を歌詞にすることが多いんですが、タイアップ曲でも、アニメの世界観を大切にしながら、自分が大切にしていることもしっかり落とし込むことができて、自分の作品として出せて良かったと思っています。
聴きどころとしては、アニメのEDでは、最後に「あなたの名前を呼び続ける」と歌ってフェードアウトしていきますが、タイトルにつながるこのフレーズは作品とリンクできているなと思っています。名前を呼び合うことができるのは、“あなたと私”がお互いに認識し合えているからで、全然知らない同士ではできないわけです。例えば、サリフィとレオンハートの場合、サリフィがレオンハートと名付けてお互いに名前を呼び合っていますが、その2人の絆もこの曲の中で表現したかったことで。お互いに生き続けないとリアルに名前を呼び合うことができないので、これからも続いていく関係性にも想いをはせて。例えこの作品が終わったとしてもその後もサリフィとレオンハートがどんな生活をしているのだろうと想像したくなるような、そんなED曲にしたいなと思っていたので、最後に「あなたの名前を呼び続ける」というフレーズがふわっと聴こえて終わる形になったことで、いいEDになったなと思うし、『贄姫と獣の王』の曲になれたかなと思えて嬉しかったです。
――アニメの第2クール直前に配信が始まり、アニメのEDでも流れましたが反響はいかがでしたか?
katagiri:katagiriというアーティストをまだよく知らない方が多かったと思いますが、花澤さんと日野さんとヨルムンガンド役の小林親弘さん、アミト役の潘めぐみさんの生配信番組(6月27日配信「アニメ『贄姫と獣の王』前半振り返り生放送」)で、第4弾PVが披露されて。その中で楽曲が流れた時、「ED曲すごくきれいな声」とか「いい歌詞」などのコメントが寄せられたのを見た時、「作品に合った曲を書けたかな」と嬉しさと安心感を感じました。
それと同時に、第2クールの放送が進んでいく中で、この曲がアニメに染み込んでいったらいいなと思いましたし、最終回が来た時、「このED曲で良かった」と思ってもらえたらいいなとも思いました。
自分の可能性を広げる挑戦をしつつ、katagiriらしさも出していけるようなプロジェクトにしたい
――この曲には更にリリックビデオ風のMVもありますし、いろいろな聴き方や楽しみ方もできますね。
katagiri:そうですね。ED映像で初めて聴いてくださった方も、私の公式YouTubeで「call your name」のMVが見られますので、そちらもご覧になっていただくことで新たな感じ方や発見があるかもしれないのでぜひ。
EDの1分半の尺もいいけど、やっぱりフルで聴いていただきたいですね。ラスサビがどれだけ熱量がこもっているのかとか、最後の英詞の部分も支えられている感がよく出ていると思うので。感想も聞かせていただけたら嬉しいです。
――ジャケットは、上空に手を伸ばす女性の目線の先に誰かの手が伸びていて、その周りに舞う蝶々など幻想的なビジュアルですね。
katagiri:ずっとお世話になっていて、私のアーティストビジュアルも描いていただいたイラストレーターのwatabokuさんに描いていただきました。最初に「この曲は優しくて温かみがあって、ふわふわっとしたきれいな布のような包み込む楽曲です」とだけ説明させていただいたら、この曲の世界観を更に広げてくれるような、素敵なジャケットを描いてくださいました。
私のアーティストビジュアルは、watabokuさんが誰か1人をモデルにポートレイト的に描く作品集の企画があって、その1人が私だったんですが、その作品が素晴らしかったので「アーティストビジュアルに使ってもいいですか?」とお願いして、使わせていただいているんです。
――金魚が泳いでいる水槽にいるような幻想的なビジュアルだったので、お会いするまでドキドキしました(笑)。すごくポップでアートなビジュアルで、後ろに「LEO」と書かれた缶があったりと遊び心もありますよね。
katagiri:katagiriを想像して描いたらこうなったみたいです。素敵ですよね。現実の私は、もう黒髪ではなく、金髪になっちゃいましたけど(笑)。
――katagiriプロジェクトがスタートしましたが、今後の展望や目標などお聞かせください。
katagiri:自分の声が武器だなと思っているので、どれだけ活かしていけるのか、可能性を広げていけるのか、このプロジェクトで挑戦していきたいと思っています。いろいろなタイプの楽曲も歌っていきたいですし、いろいろな歌い方やサウンドにもチャレンジしていきたいです。
――「call your name」のようなミディアムで、しっとりと歌い上げる曲は、むしろあまりないとお聞きしたので、「これぞkatagiri!」という曲も聴いてみたいです。
katagiri:バンド活動では自分で作詞・作曲しているし、アレンジもメンバーとしていますが、このプロジェクトでは他の方にアレンジやサウンドプロデュースをお願いすることで、いろいろな色に染めていただきつつ、どんな曲でもkatagiriの良さを出していけたらいいなと思っています。
――アニメタイアップは今後もやっていきたいですか?
katagiri:やりたいです! アニメ好きなので、各作品への愛情の注ぎ込み方もひと一倍だと思うし、向き合い方も真剣過ぎて気持ち悪く思われてしまうかもしれないですけど(笑)。タイアップは、まずアニメや原作の世界観があるので、それをどう感じて、何を伝えていくのかを考えることも、そこに自分の想いや考えをどう入れ込んでいくのかも楽しいですし。今回のようにいろいろなところから反響や感想もいただけますし、自分の可能性を広げる意味でもまた機会があればやりたいです。
――最後に、皆さんへメッセージをお願いします。
katagiri:『贄姫と獣の王』のアニメ第2クールが始まりました。皆さん楽しんでいただけているでしょうか? もちろん私はどハマり中です(笑)。サリフィとレオンハートが生きていく世界は、厳しく、難しい世界ですが、負けずに立ち向かいながら進んでいく2人とキャラクターたちの姿にリンクするED曲が作れたかなと思っています。これからますます見逃せない展開が続いていきますし、次回予告をしているアヌビスが面白いので、毎回、最初から次回予告、ED映像までしっかり楽しんでください。
katagiriプロジェクトの第1弾シングルとして「call your name」をリリースさせていただきましたが、このプロジェクトは今後も続いていきますので、第2、3弾とどんな曲を発表し、歌うのかご期待ください。今後、「call your name」から聴いていたよと自慢してもらえるようなアーティストになれるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします。
「call your name」リリース情報
katagiriプロジェクト第1弾シングル
2023.07.12 digital release
配信はこちら▶︎ https://lnk.to/call_your_name
katagiri プロフィール
シンガーソングライター。
高校時代からライブハウスで弾き語りを始める。哀しくも優しい力強さを携えた「歌」はZ世代を中心に多くの共感を呼ぶ。
●katagiri Official Twitter
https://twitter.com/katagiri_info
●katagiri Official Instagram
https://www.instagram.com/katagiri_info/
●katagiri Official TikTok
https://www.tiktok.com/@katagiri_info
TVアニメ『贄姫と獣の王』作品情報
あらすじ
彼女は自分の運命を受け入れ、生贄の儀式へと向かう。
そこで、何者も寄せ付けない、恐れられている王・レオンハートの真実を知り、サリフィは妃として迎えられることになる。
キャスト
(C)友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会