『スパイ教室』2nd season「MISSION《夢語》」に寄せて──ジビア役・東山奈央さんにメールインタビュー【連載第10回】
各国のスパイによる“影の戦争“が繰り広げられる世界を舞台に、“不可能任務”に挑む機関「灯」に所属することになった実践経験のない少女たちと、「灯」の創設者である凄腕スパイ・クラウスによる、スパイ同士の騙し合いを描くファンタジー『スパイ教室』。2nd seasonが7月13日よりTOKYO MXほかにて放送中だ。
2nd seasonもいよいよ架橋に。第22話「MISSION《夢語》III」では、大都市ミータリオの裏で同時多発する闘いに「灯」はそれぞれ死力を尽くして立ち向かうが、「蛇」のメンバー「紫蟻」の悪辣さと強大さは、想定をはるかに上回っていて……。
アニメイトタイムズでは『スパイ教室 』のキャスト陣によるメールインタビューを連載中。第10回は、ジビア役・東山奈央さん。これまでのMISSIONや灯の日常を振り返りつつ、「MISSION《夢語》III」のこと、『スパイ教室 』の魅力をたっぷりと語ってくれた。
灯は素敵なチームです!
──2nd seasonが決定したとき、東山さんはどのようなお気持ちでしたか?
ジビア役・東山奈央さん(以下、東山):これからも「スパイ教室」の世界を生きていけるのだと知って、嬉しい気持ちになりました。ジビアにまつわるエピソードは序盤で描いていただいたのですが、灯メンバーの中にはまだスポットライトが当たっていないキャラクターもいたので、それぞれの物語を見ていくことができるのが楽しみでした。何より1st seasonを経たことで、灯のみんなへの愛着が深まっていたので、これから先の任務の中でみんながどのように成長していくのかも楽しみに思いました。
──1st season、そして2nd season中盤までを経て気づいた『スパイ教室』やジビアの魅力などを教えてください。
東山:いつものコミカルな日常シーンからは想像がつかないような、壮絶な過去を持っているメンバーばかりで、胸がギュッと締め付けられつつも、もっとみんなのことを知りたいと思えることがこの作品の魅力だと思います。ジビアも貧困と暴力の中で弟妹と交わした大切な約束があって、それが今も胸に生き続けているからこそ、スパイとしての日々を懸命に過ごしているのだと思います。また2nd seasonはアネットの物語からスタートしましたが、これもまたショッキングなものでしたよね……。お母さんとの決着がついたとき、作品のキャッチコピーの「世界最強の騙し合い」という言葉が頭に浮かび上がってきましたし、猟奇的な結末がしばらく頭から離れませんでした。最終回に向けて今はティアが頑張る番ですが、どのように自分を乗り越えていくのか最後まで目が離せませんね。
──これまでの2nd seasonのお話でお好きな場面やエピソードというと……?
東山:サラが恋愛詐欺師に騙されそうになってしまった回が印象に残っています。元々サラが好きで、この個性派集団の灯メンバーの中で健気に頑張っている姿にいつもキュンキュンをもらっていたのですが、この回ではいろいろなサラの表情を見ることができました。恋愛詐欺師とは知らずにときめいてしまってショックを受けたり、周りのメンバーが自分以上に怒ってくれても「だ、大丈夫っすよ……」とどこか惨めな気持ちを引きずっているようにも見えてこちらもつらい気持ちになったのですが、男を見返してやろうと協力するチームの絆が見えて、今まで騙されてきた人たちの思いも含めて仕返しを完遂させるサラとみんなの姿にスカッとするような思いでした。サラはとっても可愛くて魅力的ですし、灯は素敵なチームです!
──「安心しろ。あたしはな、自分を『お姉ちゃん』って呼ぶ奴は絶対に死なせない って決めたんだ」というセリフにグッときました。第22話の物語はどのような印象がありましたか?
東山:今も自分を「お姉ちゃん」と呼んでくれる存在がいることでジビアは強くなれていると思います。そういう風に呼ばれるたびに弟妹たちのことも思い出したりするかもしれませんね。でもジビアの表情にはすっきりとした強さがありましたし、私もあえて過去の感傷は入れず、今この瞬間自分を慕ってくれるエルナに向けて「任せとけ!」という気持ちをめいっぱい込めて演じました。バトルシーンでは、実は単純に文字が読めなくてたまたま非常口に向かって走っていただけだったりはするのですが(笑)そういうところもジビアらしいといいますか、ものすごく特殊な能力はないけれど泥臭く現状を突破していく感じがいいなと思った場面でもありました。