秋アニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』アース役・石川界人さん×ツヴァイ役・畠中 祐さん×ミリー役・岡咲美保さんインタビュー|VRMMOを知らなくても楽しめる、ゲームの楽しさを疑似体験できる作品
椎名ほわほわ先生による小説を原作とした、TVアニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』が2023年10月から放送開始!
本作の主人公・田中大地(CV:浪川大輔)は、ゲーム好きの普通の会社員。新作VRMMO『ワンモア・フリーライフ・オンライン』(以下:ワンモア)にプレイヤーキャラ「アース」として参加し、パーティーに属さず、目立たずにソロプレイでほどほどにのんびり楽しもうと、あえて人気や能力が低いスキルを選択します。しかし、一人で武器や薬剤作り、料理などをしているうちに人気や注目を集めてしまい、意図しない形でアースはどんどん人気者に――。
そんな『とあるおっさんのVRMMO活動記』のアニメの放送開始を記念し、大地が操るプレイヤーキャラで主人公のアースを演じる石川界人さん、ゲームの中でアースと出会うギルド「ブルーカラー」のリーダー・ツヴァイ役の畠中 祐さん、同ギルドに所属する魔法使い・ミリー役の岡咲美保さんの座談会が実現! 作品同様にほんわか楽しく、笑いにあふれた座談会の模様をお届けします。
新しいMMOをプレイする時と同じワクワクを感じられる作品。作品の一番の魅力は主人公・アース!
――原作を読んだり、演じてみて感じた『とあるおっさんのVRMMO活動記』の印象や、魅力を感じた点をお聞かせください。
ミリー役・岡咲美保さん(以下、岡咲):タイトルだけを見た時は、主人公のアースはきっと人気者なんだろうな、人気者になるためにいろいろな努力や研究をしているのかな、と想像していました。ですが、実際にコミックを読んでみたらそんなことはなくて、VRMMOの世界で目立たずにただ自由に楽しみたいはずが、周りに仲間が集まってきたり、結果的に流行の中心になってしまっていて。そういう状況になったうえで、周りに流されず、自分のやりたいことをまっすぐに楽しんでいる姿がまぶしく輝いて見えました。
私は素敵だなと思う人のマネをしがちなので、この作品を見て、アースのように自分の信念を貫いて生きられるようになりたいなと思いました。ストレスフリーで楽しめる作品ですが、その中にもちゃんとメッセージ性もあるところが素敵だなと思います。
ツヴァイ役・畠中 祐さん(以下、畠中):原作を読んだ時に最初に思ったのは「VRMMOって何だろう?」でした(笑)。僕自身、オンラインゲームなどにあまり触れてこなかったので、「ゲームの知識がないと理解できないのでは?」と心配になりましたが、アースがVRMMOや作品の舞台になっている架空のゲーム『ワンモア』について詳しく語ってくれるのでわかりやすかったです。
主人公のアースはゲーム内のキャラクターで、プレイヤーは冴えないおっさんなので、アースの見た目は若いですが、周りや自分の置かれている状況を俯瞰(ふかん)で見られるし、落ち着きがあるので、僕らも安心感を感じるし、一つひとつの行動に説得力があって。たぶん、この作品の一番の魅力はアースなのかなと思いました。
アース役・石川界人さん(以下、石川):僕はゲームが好きでよくプレイしていて、新しいMMOが出た時は要素やアイテムなど未知数な中でプレイを始めますが、その時のワクワク感をこの作品からも感じました。
また、主人公のアースは現在に存在しているアイテムを自分なりの解釈で組み合わせて、どのようにうまく活用していくのかにフォーカスしているので、創意工夫できるところや「こんなことできたらいいな」という夢の部分も楽しみつつも、ゲームシステムからはみ出ず、ルールの中で楽しんでいる様子が、『VRMMO活動記』というタイトル通り描かれていることに魅力を感じました。
なおかつ、祐くんのようにゲームをあまりやらない人も、この作品を見てからゲームをやるとシステムやアイテムの使い方などがわかって、ゲームを始める上での助けにもなる作品なのかなと思います。
――この作品の舞台となるゲーム『ワンモア』は、戦闘で経験値を集めてレベルアップしていくだけでなく、武器作りや料理の腕を上げたり、いろいろな楽しみ方ができる自由度が高いゲームで、実際にこんなゲームがあったらプレイしたくなりますよね。
石川:そうですね。昔はそこまでファンタジー要素は強くありませんでしたが、第二の人生を楽しむ「セカンドライフ」、今でいう「メタバース」みたいな仮想空間を楽しむものもありました。
畠中・岡咲:なるほど!(2人一緒に声を合わせてうなずく)。
アース、ツヴァイ、ミリー、それぞれのキャラクターの印象は?
――ご自身が演じるキャラクターの印象と、演じる際に意識した点、収録時に受けたディレクションなどをお聞かせください。
石川:アースは、現実世界の田中大地(CV.浪川大輔)のゲーム内のプレイヤーアバターなので、見た目は若めですが、内面はタイトル通り「おっさん」で、老成した(経験を重ねて成熟した)ような性格でありながらも、ゲーム内で活動している時は若々しくなっています。
一日のログイン時間が少ないことから、周りに迷惑をかけないようにという気持ちがあり、社交性はありながらも、あくまでソロ活動のために必要な最小限の交流という感じでプレイしています。会話をする時も相手によって対応が変わって、ギャグっぽく接してくる相手にはこちらもギャグに付き合ったり、嫌な相手には少し強めに出たりしていて。なので、接するキャラクターによって、見え方が変わってくると思いますし、周りの個性的なキャラに助けられてキャラクターメイクができているのかなと思います。
――見た目は若いけれど、内面は大人びているという点で、演じ方で意識されたことはありますか?
石川:若い声でやっても大人っぽく聴こえないと思うので、結果的に芯の部分が大人っぽければいいのかなと。なので、あまり意識せず演じました。
畠中:ツヴァイは、アースのようにプレイヤーがどんな人なのか明かされていませんが、プレイヤーアバターの属性に勇者を選んだり、一目置かれる「ブルーカラー」というギルドのリーダーとして引っ張っていこうするところなど、積極性を感じます。ですが、ちょっと短絡的だったり、バカっぽいところもあって。それでもみんなを盛り上げていったり、自分が楽しいから突っ走ってしまったりと根の明るさを感じるキャラクターです。
これは僕の予想ですが、実生活では、ボケたりしても周りに突っ込んでくれる人がいないから、アースのように発言を受け止めてくれた上で、しっかり突っ込んでくれて、会話のテンポ感もいい人をすごく求めているのかなって。ひょっとしたら、日常生活で寂しさを感じている人なのかもしれないと(笑)。誰でも会話の中でそんな心地よさを求めているんじゃないかなと共感できたし、アースとの掛け合いは楽しかったです。
――ツヴァイは「面白いことは正義である」を公言しています。アースをチームに誘ったのも彼の中のセンスにひっかかったのかなと。
畠中:もしかしたら、ツヴァイの中の人はお笑い芸人を目指している人なのかなと思ったりしました(笑)。ツヴァイというキャラからもとにかく楽しくなりたい、おもしろいことをしたいという好奇心が強いんだろうなと感じました。
岡咲:ミリーはミステリアスなキャラだなと思っていて。第一印象は見た目や語尾を伸ばすようなしゃべり方から「ふわふわしている、癒し系の子なのかな」と思っていましたが、要所要所でパーティーの中での緩和剤的な役割を担ったり、思いがけない鋭い言葉を言ったり、指摘をしたりしていたので、意外に感じました。表情もあまり崩さず、仲間がケンカしていても「まあまあ」と笑顔で仲裁するような立ち回りをするのに、怒った時はすごく怖くて(笑)。ニコニコしているけれど、心の中では何を考えているのかわからないタイプだなと思いました。
なので、演じる時もただかわいいだけではない表現をしたくて。ゆっくりめに話すことから、収録の時のしゃべるボールド(セリフの尺)もゆったりと取っていただいているため、割と表現の自由がきくんです。セリフの中で「ひょっとしたらミリーはこんなふうに思っているのかも」と“匂わせ”みたいな部分も、自分の中ですみ分けできたらいいなと思って、1つひとつ考えながら演じていました。
――リーダーのツヴァイが明るく、ちょっと抜けている感じがあるので、ミリーが常識人に見えました(笑)。ブルーカラーをうまくコントロールしているのも実はミリーなのでは?
岡咲:きっと頭がいいんだと思います(笑)。
畠中:演じている人も?
岡咲:いえいえ! そんなことないです!(笑)