アニメならではな“間”の繊細さに感動。小さいフェルンに大号泣した初回放送を振り返り! 秋アニメ『葬送のフリーレン』フリーレン役・種﨑敦美さんインタビュー
小さいフェルンに大号泣!?
──映像をご覧になった感想を教えてください。
種﨑:すごかったです。原作の空気感を忠実に再現しつつも、アニメならではの部分がたくさんあって。特に漫画のコマとコマの間の膨らませ方です。
漫画はコマからコマに移っていきますが、当たり前ですがアニメではコマの間も動いていて。その部分で見たかった部分を描いてくれている気がするんです。本当に細かな部分まで繊細に描いているなと思います。
あと個人的に、目がすごく印象的で。この作品は言葉とか行動でなにかを明確に示すわけではなく、そうじゃない部分にもいろいろなものが詰まっていて。その言葉にならない部分が、キャラクターの目や口元からしっかり伝わってくるんです。
原作を読みながら自分の中に降り積もっていくものとか全部、取りこぼさず表現してくれているなと感じました。
──スタッフさんの熱量が凄まじいですよね。
種﨑:それはもう、見ていただいた方には伝わったと思います。私自身、絵や音楽が作品に寄り添うとこんなにもすごいものになるんだなと感じました。
──「金曜ロードショー」で放送された初回放送分を振り返った感想を教えてください。
種﨑:まさに「旅立ちの章」だったなと。最初はフリーレンが人間を知ることと、趣味の魔法収集を目的に旅を始めましたけど、最後はアイゼンとハイターがヒンメルに会わせようとしてくれたことがわかって、それが最後の旅の目的になるという。
「二人がかわいそうだと思った」とアイゼンが言うのですが、直接的な言葉が少ない今作でこのストレートなセリフ。とても印象に残っています。勇者一行の中だとフリーレンとヒンメルにフォーカスされることが多いですが、ハイターとアイゼンの存在は本当に大きいなと思います。
──たしかに。前半はフリーレンとヒンメルの別れも印象的です。
種﨑:フリーレンが人を知ろうとするきっかけになりましたが、私自身、フリーレンと同じような別れを経験していて。あの時は、なんであそこでああしなかったんだろうと後悔しましたし、人はいつか死ぬと知っていながらもそんな日が来るとは思っていなくて。
そういう経験があったからこそ重なるものがありましたし、共感しながら演じることができました。
──弟子となったフェルンの成長をご覧になっていかがでしたか?
種﨑:アフレコ自体進んでいることと、物語が進むにつれてフェルンが成長していることもあり、初回放送を見た時は「フェルンが小さい!」と驚いて(笑)。もう大号泣しちゃいました!
今では身長とか、身長以外もいろいろなところが成長しちゃっているので(笑)。「こんな時もあったんだよな…」と謎の懐かしさが押し寄せてしまいました。
そして、私が大号泣したということはもしかしたら、私以上にずっとフェルンの成長を見守っいるフリーレンの中にも同じ気持ちが生まれる可能性がなきにしもあらずなのかな……なんて考えたりしちゃいました。
──原作ファンも同じ気持ちになったかもしれませんね。
種﨑:自分でも「ここで?」というタイミングで大号泣してしまって。思っていた以上にフェルンのことを想っていたんだなと実感しました。彼女はこの先、すごい魔法使いになるんじゃないかなと思っています。皆さんにも彼女の成長を楽しみにしてほしいです。
──ありがとうございました!
【取材・撮影 MoA】
『葬送のフリーレン』作品情報
作品名 | 葬送のフリーレン |
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スケジュール | 2023年10月6日(金)~2024年3月22日(金) 日本テレビ系ほか |
あらすじ | 勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。 |
話数 | 全28話 |
キャスト | フリーレン:種﨑敦美 フェルン:市ノ瀬加那 シュタルク:小林千晃 カンネ:和氣あず未 ラヴィーネ:鈴代紗弓 ヴィアベル:谷山紀章 ユーベル:長谷川育美 デンケン:斉藤次郎 ラント:小松昌平 リヒター:花輪英司 ラオフェン:石上静香 エーレ:伊藤かな恵 ゼンゼ:照井春佳 ゲナウ:新垣樽助 ゼーリエ:伊瀬茉莉也 ヒンメル:岡本信彦 ハイター:東地宏樹 アイゼン:上田燿司 |
スタッフ | 原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中) 監督:斎藤圭一郎 シリーズ構成:鈴木智尋 キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子 コンセプトアート:吉岡誠子 魔物デザイン:原科大樹 アクションディレクター:岩澤亨 美術監督:高木佐和子 美術設定:杉山晋史 色彩設計:大野春恵 3DCGディレクター:廣住茂徳 撮影監督:伏原あかね 編集:木村佳史子 音響監督:はたしょう二 音楽:Evan Call アニメーション制作:マッドハウス |
主題歌 | OP1:「勇者」YOASOBI OP2:「晴る」ヨルシカ ED:「Anytime Anywhere」milet |
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会