映画
『次元大介』玉山鉄二&大塚明夫 対談

Amazon Original映画『次元大介』|実写版を演じる玉山鉄二さんとアニメ版を演じる大塚明夫さんの対談が実現! 玉山さんが次元大介を演じる喜びを語る「現場へ行った時に、いろいろな次元に出会えるんですよね」

 

引き継いでいくものと新しく発見すること

――実写版『ルパン三世』(2014年公開)から9年ぶりに次元大介を演じることになりました。当時と今では変化やこだわりはありますか。

玉山:特にはないんですけど、あの時よりも、今作ではフォーカスが次元に当たっているので、次元の佇まいであったりとか、当時だと、オフになっていた部分が今作ではきちんと表面化されている部分があります。

そういった意味では、自分の中では探り探りなところもありましたね。次元のかわいい部分だったりとか、そういうところは自分も現場で見つかったりして、すごく楽しかったです。

 

 

――大塚さんは2年前に小林清志さんより次元大介役を引き継がれましたが、どのようなお気持ちで次元大介を演じられていますか。

大塚:どこまでいっても、(小林)清志さんの面影が残っていると感じてほしいなと思っています。結局、僕自身が次元大介役の大ファンで、清志さんの次元大介で育ってきて、やがて僕もずいぶん大人になってきたんですけど、その間ずっと清志さんが次元を演じていてくれていました。

小林清志さんが演じたものが最初の次元大介なので、その遺伝子というものを大事にして、次の世代に誰かがまた拾ってやってくれるんだろうなと思っています。僕としては、それを繋いでいくバトンみたいなものを意識して走っていきたいですね。

――次元大介を演じる大塚明夫らしさ、大塚さんのオリジナリティーは意識されますか。

大塚:オリジナリティーというのは、出ちゃうものなのでね。清志さんのあの次元大介を忘れないでほしいと思ってやっていたところで、所詮僕が演じているので、そこは滲んで出ちゃうはずなんですよ。だから、そこをあえて出そうとは思っていないです。

 

 

次元大介を演じる中で得た喜び

――次元を演じる際に、大切にしたところを教えてください。

玉山:次元だけではないんですけど、自分の中でどの作品もキャラクター作りをすごく大切にしています。それはもちろん、他のキャストの方々とのバランスももちろん考慮して、自分が台本を読んで覚えて、その中で「このシーンはこうしたい。このシーンはああしたい」と思う以上に、現場へ行った時に、いろいろな次元に出会えるんですよね。

それは僕の頭の中に降ってきたものもあれば、監督から提示されたものもあるし、「自分が予期せぬ部分で出てきた次元がどういう次元なのか」ということを楽しみに毎日現場へ行っていたという感覚です。だから、自分の意識的に出したものではなく、無意識に出てきた次元にすごく驚きますし、それが他のシーンにも繋がったりもするんです。

アニメ版のルパンシリーズとは違って、子どもとの距離と縮めていく中で、たぶん僕にしか感じられない次元大介もあるわけで、そういったものがもちろん許容範囲としてあるかもしれないですけど、どうお客さんに提示できるかというところは、みなさんが楽しみにしていただける部分ではあります。

 

 

――次元大介を演じる上で、意識されていることはどんなことですか。

玉山:もう意識しなくても、いわゆる次元が持っている哲学、イデオロギーみたいなものというのは、たぶん現場に僕がいる時は、入っていると思うんですよね。その時に、僕が「これはキャパオーバーだ」とか「これは足りないかもしれない」とか、そういう自分の感覚、アンテナみたいなものをすごく大事にしながら、演じていますね。

だから、監督はセリフひとつをとっても、活字だと成立していたものがいざ声に出した時に、すごくキザに聞こえるかもしれないので、そういう部分に関しては自分で調節してくれていいからと話をしてくれていました。あとは、セリフではなくても、動作で表現できるなら、それに越したことはないということも話しました。

オトに帽子をかぶせてあげるシーンも台本にあったわけではなく、本当は言葉だったんです。でも、次元らしい優しさを考えた時に、現場でああいう行動に出たということは、自分が感じている次元らしさみたいなものが集約されている部分があるのかなとは思っていますね。

 

 

――次元大介の魅力である滲み出る優しさやダンディズムというのはどのように表現されていますか。

大塚:どこに魅力を感じるかは、受け手によって違うと思うんです。でも「優しいからとか、ダンディだからとか、そんなふうに記号的に言葉にできるのかな?」という感じはありますね。ちょっとしたテレが色気に繋がったりとか、全部トータルだと思うんですよ。だから、「やってみせるということを思うと、たぶん間違うな」という感じですよね。

玉山:僕の場合、アニメシリーズ含め、大塚さんたちがこれまで積み上げてきたものが土台にありました。そこに自分がどのように演じて、どういうスパイスを入れて、何を引いてとか、そういった集約する作業が必要でした。

アニメ「ルパン三世」シリーズ、その中でも「次元大介」に対するパブリックイメージや思いというのは、人それぞれにあると思います。そこに僕がどうアプローチしていくかを大事にしました。もちろん勇気のいることかもしれないけど、だからこそ足さないようにはしていましたね。そぎ落とすというか。そのアプローチが「次元大介」の魅力に繋がればいいですね。

――ありがとうございました!

 

 
[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク) 撮影/MoA]

 

映画『次元大介』作品情報

配信開始日:10月13日(金)より Prime Video にて世界独占配信

 
キャスト:
玉山鉄二、真木よう子、真木ことか
さとうほなみ、笹野高史、本宮泰風、波岡一喜、野村祐人、馬場徹、田中要次
永瀬正敏、草笛光子

脚本:赤松義正
監督:橋本一

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