「改めて素敵な作品だなと思いました」──アニメ『レヱル・ロマネスク2』放送開始を記念して、かにこ役の田中理恵さんが魅力を語る！

アニメでは間尺の違いを意識して、少し速めにハキハキと!?

──演じるかにこの印象と自身との共通点や共感できる点、魅力を感じる点などお聞かせください。

田中：かにこちゃんは昔、運用されていたC11型蒸気機関車の202シリーズがモデルになっていて、左右のライトが特徴でしたが、かにこちゃんの左右のこめかみのあたりにもライトが付いていて。

それがカニに見えるということで、かにこという名前になったらしいんですけど、彼女はそれが嫌だったみたいで。それが原因でちょっと無口になったり、愛想がなくなってしまって。

でも機関車として、いかにお客さんを長時間、リラックスさせて、快適かつ無事に目的地までお届けできるのかという使命に一生懸命取り組んでいて。

その結果、「北海道はカニもおいしいけど、かにこちゃんに乗るのが楽しみだよね」と言ってもらえるようになったことで、自分の名前に誇りを持てるようになって、自分のことも好きになっていきます。

ただまじめな性格であるがゆえに休みなしで、一生懸命働くひたむきさが素敵だなと思います。あと器用でいろいろなことに挑戦したり、そつなくこなすところはすごいですね。

私とかにこちゃんの似ているところはひたむきで器用なところと言いたいけれど……でも声優はいろいろな役を演じたり、様々な声色を使って、お芝居するという面では器用と言ってもいいのかな。そこが共通点ということで（笑）。

──ちなみに田中さんは北海道出身ですが、かにこも「北開道鉄道」所属で、C11型蒸気機関車もかつて北海道を走っていたとのことで、親近感も湧くのでは？

田中：そうですね。決まった時はすごく嬉しかったですし、自分が北海道出身だからこの役に決まったのかなと思っていました（笑）。

このC11型蒸気機関車の202は現存するのかなと思ってネットで調べたけど、なかなか情報が見つからなくて。検索しても模型の写真が出てくるだけで（笑）。

『レヱル・ロマネスク2』でかにこちゃんと関われたので、蒸気機関車にも乗ってみたいなと思ったし、C11型蒸気機関車の202が現存するのであれば見てみたいなと思っています。

──演じる時に意識された点や収録時にどんなディレクションを受けたのかお聞かせください。

田中：以前も演じたことがあったので、特に凝ったディレクションはありませんでしたが、アニメではしゃべる口調の速さが若干変わるし、内気な感じのままやっていると間尺が全然合わなくなるのでそこは特に意識しました。

『畜音レヱル』で聴いた方は「あれ!?　かにこちゃん、こんなにハキハキしてたっけ？」と思うかも（笑）。

──収録現場の雰囲気はいかがでしたか？

田中：3〜4人くらいで収録していましたが、久しぶりにみんなと会えたので、わいわい楽しくやっていました。久しぶりの方や他の現場でもご一緒している方もいたり、楽しかったし、嬉しかったです。

かにこのキャラクターソング「Snow Ephemeral」のサビは「ザ・北海道」

──実際にアニメの映像をご覧になった感想をお聞かせください。

田中：まずキャラクターがかわいいし、絵もきれいで、水が流れるシーンやお酒が波打つシーンなども繊細に描かれていて。5分アニメとは思えないクオリティでした。もちろん注目ポイントである「音」のリアルさや臨場感も素晴らしくて。

作中の滝のシーンは心地よすぎて、視聴者の方が寝落ちしてしまうんじゃないかと心配になるくらい（笑）。すごく時間と労力をかけて作られたことがわかるし、この作品への皆さんの愛情の深さを感じました。

──かにこのキャラクターソング「Snow Ephemeral」もレコーディングされたそうですが、どんな楽曲なのかの説明と聴きどころなどのご紹介をお願いします。

田中：すごくさわやかです清々しい曲で、電車での旅やお散歩する時に、景色を見ながら聴くのにちょうどいいかも。

ハラユカ。さんの歌詞も四季折々の情景などが描かれていて、耳にすっと入ってくる感覚になりました。サビが一番お気に入りで、「雪と氷、真っ白続く彼方」など「ザ・北海道」という感じで（笑）。

タイトルにある「Ephemeral」は「はかない」とか「刹那」という意味があるけど、決して寂しい曲ではなくて、最後にはちゃんと希望が持てるのが素敵だなと思います。

　
他のキャラクターの曲も聴きましたが、しっとりしていたり、アップテンポだったり、曲調はそれぞれ違うけど、旅に聴くのにピッタリの曲ばかりです。ぜひ毎回、誰の曲が流れるのか、期待していただきたいです。フルコーラスで歌いましたが、5分のアニメでは全部流すことはできないのが残念で。

でも12月21日に発売されるPS4やNintendo Switch用ソフト『レヱル・ロマネスク origin』の限定版の特典に今までの『レヱル・ロマネスク』の楽曲を収録したCDにこの曲のフルバージョンも収録されるそうです。

また『レヱル・ロマネスク2』の全話も収録したBDも封入されているそうなので、ぜひゲットしてくださいね！

──改めて、『レヱル・ロマネスク2』の見どころと、皆さんへメッセージをお願いします。

田中：私たちキャスト陣も蒸気機関車の擬人化であることを忘れてしまうくらい、人間味があってかわいくて。またかにこちゃんたちが素晴らしい音を録ろうという真剣さが伝わってくるし、実際に聴こえる音も素敵なので、視聴覚合わせて楽しんでいただきたいです。

地上波の放送は深夜ですが、疲れている時に見たらヒーリング効果が得られて、そのまま気持ちよく眠れると思います。

またそれぞれのキャラがどうしてその音を録ろうと思ったのかという動機や想いも明かされるので、ドラマの部分も注目していただきたいです。

そしてマイクや録音が好きというマニアの方もうなずくような知識も身に付きますよ（笑）。そして毎回流れるキャラクターソングも楽しみにしてください。

1期シリーズを見ていない方も楽しめるアニメになっていますし、もし興味が湧いた方は1期をチェックしたり、12月に発売されるゲームやASMRコンテンツなども合わせて楽しんでいただければ嬉しいです。

作品情報

あらすじ

鉄道輸送の中核を担う人形モジュール「レイルロオド」。

新交通システムにより壊滅寸前となった鉄路を観光振興やグッズ開発等で徐々に復権させてきたレイルロオドたちは更なる復興促進を目指し、第2回レイルロオドサミットに集まる。

今回のサミットのテーマは、御一夜市の魅力を音で伝えること。

レイルロオドたちは自分たちが録りたいと思う音を探し求めて、フィールドレコーディングの冒険に挑む。