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キュア・カルテットが「雫のプリキュア」について熱く語り合う!/インタビュー

『キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~』のエンディングを彩る「雫のプリキュア」について、キュア・カルテットの五條真由美さん、うちやえゆかさん、工藤真由さん、宮本佳那子さんが熱く語り合う!

 

キュア・カルテットに至るまでの軌跡を振り返って

宮本:キュア・カルテットは本当に個性的ですよね。それまでそれぞれの『プリキュア』シリーズに、ソロアーティストとして参加していたので、違う個性を持っているのは当然だとは思うんです。それをお互いに認めあっているからこそ、プリキュアというひとつの作品に向かって、いろいろな方向から歌っているという印象です。

五條:『Yes!プリキュア5』(以下、『5』)時代までは今とはまた違って、クロスな形で作品がつながっていったからというのも大きいのかもね。シンガーも『プリキュア』とのつながりがそのままあって。

私自身は一度『ふたりはプリキュア Splash☆Star』(以下、『Splash☆Star』)で卒業かなぁと思っていたんですけども、イベントには引き続き出させてもらっていて、その先にキュア・カルテットがあって。

 

 
うちやえ:その流れも良かったんですよね。『ふたりはプリキュア』の存在はあまりにも大きすぎて。当時「こんな素敵な声で歌われる人がいるんだ」と、五條さんのことをネットで検索した記憶があります。そしてその場所に参加できることになって、五條さんのようにはなれないだろうけど、目指したほうが良いだろうなとは思っていました。私以降のプリキュアシンガーには、皆さんそういう想いがあるように思います。

でも実際にお会いしたら……(五條さんを見て)こんな感じだったので。

五條:こんな感じって!(笑)

うちやえ:ものすごく気さくなんですよ! 「一緒に楽しくやっていこ〜!」と柔らかく迎えてくれて。プリキュアたちが学校でそれぞれ楽しみながら頑張ってる、の実写版というか。私もこういう形で歌っていいんだ!と思いました。また、「この方と一緒に歌えたら楽しいだろうな」「歌をうたうことを楽しんで良いんだな」とも。

五條さんのおかげで、良い意味で力が抜けましたし、新しい世界への扉を開いてもらいました。洗礼を受けたというか。そこからどんどん仲間も増えていって……。

宮本:私たちも、うちやえさんと一緒にミュージカル・ショーをやらせてもらえた経験はすごく大きくて。うちやえさんのスタンスを見て「こういう感じなんだ」と学びました。

工藤:本当にそう。先輩たちの存在は本当に大きいよね。

五條:これが少しピリつくような現場だったら、また違ったのかもしれないね。みんなは『Splash☆Star』からは『プリキュア』が認識されている状態でスタートしているじゃない? 特にいまの新しいシンガーの人たちは、「あのプリキュアで!」という状態だと思うんです。

でも私の時はまだ『プリキュア』がまだ認識されていない状態だったから、みんなのように気負わないままスタートしていて。だから少し、みんなとは違うのかなって。前に本名陽子さんやゆかなさんとも話をしたんです。だからみんなと比べると、少し気が楽にスタートしているかもしれない。

うちやえ:そういう意味では、私も相当なプレッシャーがありました。「こんなに人気な作品に……」と。

 

 
工藤:実際、私も最初は気負っていました。もちろん主題歌を歌えることが決まったときはすごく嬉しくて、よしやるぞ!っていう気持ちでしたけども……。『5』からはプリキュアが5人になって、作品的にも心機一転して。その中で私の歌が受け入れられるのかは不安でした。

しかも当時はハタチ前後。もしかしたら批判もあるのかな?なんて考えていましたね。でもうちやえさんから色々なことを教えてもらって、キュア・カルテットになって。そして(五條さん・うちやえさんの)ふたりの良さを知ったことで、おふたりの考え方をみんなに伝えていこうと思うように。おふたりの影響は、私たちにとってとっても大きかったんです。

五條:佳那ちゃんは『ふたりはプリキュア』から(コーラスとして)参加してるけど、どうだった?

宮本:私はどういうことなのか、全然分かってなかったです。「歌のオーディションがあるから」と言われて受けにいって。オーディションに合格したよ、と聞いて「やった〜! 歌うのが好きだから聴いてもらえるのうれしい〜!」という気持ちでした。

自分の歌がテレビに流れるんだ、という恐怖を感じたのは、だいぶ後になります。

一同:(笑)

工藤:それが良かったのかもしれないね。私は気合いが入りすぎてしまっていました。

――しかも工藤さんの時は、オーディションが5次審査まであったんですよね。

五條&うちやえ&宮本:えーっ!

五條:すごいね〜!

うちやえ:そんなにあったんだ!

工藤:「まだ決まらない!」「まだか!」という感じで(笑)。

 

 
宮本:私はスタジオオーディションのみだったんですよね。スタジオでは「プリキュア5、スマイル go go!」の以前の歌詞のものを歌いましたが、「エンディングも歌ってみて」と言われて。当時は譜面が読めなかったから、一行ずつ耳コピして歌った記憶があります。

うちやえ:へえ〜!

工藤:そうそう、当時は「プリキュア5、スマイル go go!」の歌詞が違ったんだよね。それはすっごく覚えてる。

宮本:全然違ったんです。前の歌詞も、今の歌詞も好きです。

工藤:それだけスタッフさんたちも試行錯誤して、『プリキュア』を作っているんだなぁと感じていましたね。

宮本:そして15年の時を経て、キュア・カルテットとして一緒に歌えることがすごく嬉しいです。

 

「雫のプリキュア」の重すぎない涙の結晶

――プリキュアの曲は、オトナになった今だからこそ染みるものも多いと思うんです。今回は『キボウノチカラ〜オトナプリキュア’23〜』という作品だからこそより顕著に感じます。

五條:作詞家さんたちの力が大きいですよね。特に今回はオトナな歌詞。キュッと掴まれるものがあります。意外としっとりしてる歌詞なのに、でもしっかりとプリキュア。その塩梅が絶妙だなぁと思いつつも、どのあたりの温度感で歌えば良いかは、少し悩んだところでした。

しっとりしようと思えば、いくらでもできる歌詞ではあったんですけど……でもそうすると、プリキュアらしさが無くなってしまうような気がして。この曲が皆さんにどう届いてほしいのか、自分の予想だけでは分からないところがあったので、音楽プロデューサーの井上洸さんに「どう歌えばいいですか?」と聞いて。

――どういう返事があったのでしょうか?

五條:私の場合は3人のレコーディングが終わったあとだったので「まずは3人の歌を聴いてみますか」と、聴かせてもらって。みんなの歌声の温度感を確かめながらのレコーディングでした。

 

 
うちやえ:スケジュール的に私がトップバッターだったんです。歌が届いたときの第一印象としては「オトナっぽいな」だったんですけども、五條さんと同じように私自身も不安があって。

実はレコーディング前に、五條さんに「どう歌う?」と相談していたんです。その時には「やえさんがオトナっぽく歌いすぎてしまうと暗くなってしまう可能性があるかもしれないから、明るめのほうが良いんじゃないかな」といった話をしていました。そしたら当日に井上さんから「オトナっぽくして大丈夫です」と。「オトナっぽくして大丈夫なんですか?」と2回くらい聞いてしまいました(笑)。

五條:とは言え、そんなにオトナっぽくなっている感じではないよね。

うちやえ:そうなんです! 今までプリキュアを見てきてくれたオトナになった人たちに届ける“涙”というか。あまり重くならないくらいの涙にしようかなと。

工藤:そのあと、佳那子が歌って。順番的に、私はふたりの歌を聴きながらのレコーディングでした。私の場合はレコーディング自体久しぶりだったんです。『5』と一緒に、15年の時を経ているので、今の私が歌ったら『5』の歌に自然となるんじゃないかなと思っていました。一つひとつの言葉を見ると、中には少し重い言葉もあるとは思うんです。でもメロディーはキラキラしていて、しっとりとした中に軽やかさやピュアさも内包されていて。

これまで私自身が歌ってきたプリキュアの曲は、元気が良かったり、ノリが良かったりする曲が多かったので、「4人で歌ったらどういう曲になるんだろう?」とワクワクしていました。ひとりで練習している時は「どんな感じかな、大丈夫かな」って思っていたんですけども……ふたりの声を聴いたときに「キュア・カルテットはこうだよね!」って。ふたりの声からパワーをもらいながら、私のピュアさや、オトナになったちょっと重い部分を乗せました。それが伝わったらうれしいです。

――工藤さんが担当している歌詞の中には<答えのない日々>など、オトナならではの言葉がありますね。

工藤:そうなんですよね。一つひとつの言葉に、今までの『プリキュア』ソングにはなかったような響きがあって。今の私たち、オトナの皆さん、これからオトナになっていく皆さんの応援歌だなぁと思っていました。

 

 

――レコーディング2番手を務められたのが宮本さん。レコーディングはいかがでしたか。

宮本:私はうちやえさんの歌声を聴きながらレコーディングしたんですけど、やはり聴いた時に「うんうん」と頷いてしまいました(笑)。「うちやえさんの歌声はこうだよね!」って。違和感なく歌の世界に入り込めたのは、うちやえさんの歌の力もあったと思います。

この曲から、生きる強さ、『プリキュア』らしさを感じていたので、その部分を活かしつつ、なるべく子どもっぽくならないように(笑)、キュア・カルテットに馴染めるようにと心がけながら歌っていました。

――<涙は静かに>というフレーズから宮本さんのオトナっぽさも感じました。

宮本:オトナっぽいですよね!? 皆さん、聞きました?

一同:(笑)

宮本:でもなるべく……本当にやる気になれば、もうちょっとオトナっぽくも歌えたんですけども。

五條:「やる気になれば」(笑)。

宮本:『プリキュア』の曲を歌ってオトナになった、等身大の今の自分で歌いたいなという思いもあったんです。そこは残しつつ、歌ったつもりです。

――工藤さんと宮本さんは、五條さんのレコーディングを見学されていたんですよね。

五條:そうですね。佳那ちゃんは途中のコーラスまで、真由ちゃんは最後まで残っていました。

宮本:少しだけ居残りして、私は(工藤さん・五條さん)おふたりのレコーディングを見学しました。この曲がどう完成していくのか見届けたい思いもあって。今までのキュア・カルテットの曲はみんなで揃ってレコーディングすることも多かったんですよね。おふたりの声を聴きながら、懐かしい気持ちにもなりました。

 

 
五條:懐かしさがすごかったよね(笑)。

工藤:五條さんの歌をプレイバックしている時に「きた! キュア・カルテットきた!」って思いました。もうニヤニヤしちゃった。レコーディングのときも、「五條さんの魂が吹き込まれていく!」って興奮状態でしたね(笑)。

五條:あはははは。でも私はふたりのことはあまり気にしていなくて(笑)。昔は全員同じ時間に入って、同じ時間にバラしていたんです。だからふたりがその場にいることも、自然というか。当時はその場で「誰から歌おうか」と決めるような感じだったんですよね。他の3人の歌い方に合わせて、再度歌い直すこともありました。

宮本:そうなんですよね。今回も他の方の歌声に合わせて歌い直す可能性もあるのかなと思って少し残っていたのですが、今回は一発で。

工藤:尺の部分は調整しつつも、自由に歌わせてもらえたので、のびのびレコーディングできました。うちやえさんから、事前にレコーディングで変更があった部分もうかがっていましたし……。

うちやえ:そうそう、念のため伝えておこうかなと思って(グループLINEで)連絡したんですよね。五條さんからは「(伝えなくても)大丈夫だよ」って言われましたけど(笑)。

普段から後輩のふたりが報告してくれるんですよ。それはレコーディングに限らずで。いつも教えてもらって助かっていたんです。だから「今回は私がその役目じゃない!?」って。

宮本:実際に譜割りが変わったところを教えていただいて助かりました!

――譜割りに変更があったんです?

五條:その譜割りに関しては、私が口出しをしてしまったんですよ(笑)。「こっちの譜割りのほうが良いんじゃないかな?」と思ったところがあって、その話をしていたら、やえさんが「井上さんに言っておくよ」と。

うちやえ:そうそう。それで伝えたところ、五條さんの案になったんですよね。それをみんなに伝えました。

五條:そうだった、忘れてた(笑)。

宮本:初対面のチームではできないことですよね。この4人だからこそできること。

工藤:そう思う!

 

 

作家陣に対するリスペクト「みんなチーム」

――五條さんとうちやえさんは「メロディーが(作曲の)高木(洋)さんっぽいよね」というお話をされたとか。

五條:そうそう。「ここは高木さんがこだわったんだろうね」なんて話をしていて。

うちやえ:高木さんっぽい曲ではあるなと思っていました。これまでの高木さんらしさもありながら『キボウノチカラ』の仕様に作られていて、さすがだなって。Dメロに加えて、Dダッシュがあるような曲の作りも新鮮でした。

ものすごく誠実な方なので、そのお人柄も出ているなと感じていました。高木さんには『Splash☆Star』のときからお世話になっていますけども、どんどん先に向かっていく高木さんに、自分も追いつきたいという気持ちが常にありました。今回もすごく先を行っているなぁって。それは、(作詞の)只野(菜摘)さんにも言えることなのですが……。

五條:そうだね。

宮本:『5』でも主題歌を書かれている只野さん。

工藤:只野さんは「プリキュア5、スマイル go go!」の時も試行錯誤されながら、歌詞を書いてくださったとうかがっています。歌のチームだけではなくて、作詞・作曲をされた作家さんたちともチームで。その人たちと一緒に曲を作れることも嬉しいですね。今回の歌詞も、只野さんっぽいなぁって思っていました。

五條&うちやえ&宮本:分かる!

宮本:一筋縄ではいかない、立体的な歌詞。

五條:只野さんっぽさがすごくあるなぁって思っていました。他の作家さんとはまた違った、只野さんならではの歌詞。リアルな人間味が溢れた言葉もある。

うちやえ:逆境をバネにするような歌詞なんですよね。真由ちゃんの曲を聴いた時も思っていたけど、抱えているものがあって、その上で弾けるような。決して明るいだけではないんですよね。

工藤:ああ、だから私は歌の世界に入りやすかったのかな? 馴染みがあるからこそスッと入ってきました。

うちやえ:『5』の時からお世話になっているもんね。私は⾺瀬みさきさんの編曲もすごく好きなんです。心の流れにあっているというか。

五條:うんうん、分かる。

うちやえ:Dメロからの最後のサビ、そこでそのキメ!?って。レコーディングの時にお会いしたんですけど、こんなにも可愛い人が、こんなにも情熱的な曲にアレンジするの!?と驚きました。もしどこかのカラオケ音源に入れるとしたら、これを真似して作るのは大変なのではないかな?と思ってしまったくらい(笑)。

 

 
それと、全部が必要な音のように感じたんです。無駄な音が一切ない。めちゃくちゃ気合い入っているなぁって。歌い手を助けてくれるようなアレンジで、馬瀬さんも「もうひとりのプリキュアでは?」と思いました(笑)。

宮本:⾺瀬さんは最近の『プリキュア』ソングの作曲・編曲も手掛けられている方なので、今の『プリキュア』らしさも入っているなとも思っていました。

うちやえ:ああ、なるほど!

――後半にかけての壮大さがすごいですよね。繊細な音づくりをされていて。

うちやえ:そう! キメとか、抜き方とか。細かいところで「にくいなぁ」と思うところがあって、すごいなぁと思いました。

 

(C)2023 キボウノチカラ オトナプリキュア製作委員会
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