共演を通して感じた心強さと親和性。周りの人たちの優しさに応えたい――『エクソシスト 信じる者』アンジェラ役・佐倉綾音さん×キャサリン役・鬼頭明里さん吹き替え声優インタビュー
”信じるもの”に向かって進んでいく人々
ーーアンジェラとキャサリン以外に、気になった登場人物はいましたか。
鬼頭:一作目のお母さん(クリス・マクニール)が出てきたのは、熱かったよね!
佐倉:とても高潔だし、めっちゃ綺麗だった! 個人的には若い神父も好きでした。
鬼頭:わかる!
佐倉:彼だけが色々なことが二転三転するので、かなり印象に残っています(笑)。
ーー最終的な結末も含めて、神父って大変なんだなと。
佐倉:個人的には、一作目に登場したふたりの神父にも重ね合わせてしまいました。でも、手伝ってくれる大人たちはみんな格好良かったよね。
ーーアンジェラとキャサリンの家族については、どんな印象を持ちましたか。
佐倉:私のお父さん(ヴィクター)は割と格好良かったと思います。
鬼頭:キャサリンの家は……お父さんがちょっと気になります。
佐倉:キャサリン一家は、あの中では凡人だったかもしれない(笑)。いざ自分があの立場に置かれたら、取り乱すのも分かるけど……。行方不明になったふたりを探すシーンで、家ごとの取り組み方に差が出ているなと感じました。起こったことに対して、他人にイライラをぶつけるのか、そんなことは無意味だと気づいて、自分にできることを探すのか。
鬼頭:キャサリンは、両親と仲が良くなさそうな雰囲気もありました。どちらが悪いとかではなく、色々な家族の形があるんだろうなと。
ーー悪魔祓いを含む終盤の展開では、それが色濃く描かれていると感じました。
鬼頭:最初は悪魔を信じていなかったヴィクターが、「娘のためにやるぞ!」と覚悟を決めるシーンは格好良かったです。
佐倉:「結果的に報われるかどうかわからない」という部分も含めてかなり印象的でした。置かれた環境や他人からの指示といった外的要因ではなく、自分で決めた「こうしたい」という想いに沿って行動するのは、未来が見えていないと怖いはずです。そんな中で、自分の“信じるもの”に向かって進んでいけるのは、とても素敵なことだなと。
ーー最後に、今作の『信じる者』というタイトルにちなんで、おふたりが生きるうえで大切にしている信念を教えていただけますか。
鬼頭:「良いことも悪いことも全て自分に返ってくる」ということをずっと信じています。悪いことをしたら、それが自分にも返ってきたり、嘘をついたら、回り回ってもっと大変なことになったり。一方で、悪いことがあったときは「この後で良いことが起こるんだろうな」と考えるようにしています。
ーーとても素敵な考え方ですね。
鬼頭:とても辛いことがたくさん起きた時期があって。そんなときにTVを観ていたら、それを言っている人がいたんです。その後で本当に良いことが沢山起きたので、すごく気持ちが楽になりました。
佐倉:私は「客観的でいること」です。自分本位にならないように、必ず誰かのためを思って、行動することを心がけています。その拠り所がないと主観的になって、暴走の原因にもなるので。
鬼頭:綾音はいつも誰かを助けてる印象があります。
佐倉:そんなことはないけど(笑)。
鬼頭:綾音が人の話を聞いてあげている場面をよく見るんです。私も相談するので、言いたくなる気持ちは分かります。
佐倉:私自身が「何かあった人、聞かせて!」と募集しているわけではまったくなくて(笑)。ただ、自分にとって正しいことがその人にとって正しいかはわからないので、なるべく客観的な目線で全ての物事をさばくようにしています。いつも周りの人たちに優しくしてもらっているからこそ、頼られたときにはちゃんと応えられるようにしたいと思うんです。
[取材・文/小川いなり 編集/鳥谷部宏平]
『エクソシスト 信じる者』作品情報
あらすじ
ある日、アンジェラとその友人キャサリンが森の中で姿を消し、
3日後に何が起こったのかまったく覚えてない状態で戻ってきた時、
2人の少女とその家族はかつてない恐怖と対峙することになる…。
キャスト
(C)2023 Universal Studios. All rights reserved.