『葬送のフリーレン』物語の鍵を握る? フリーレンと勇者ヒンメルの切なくも愛溢れる関係を考察してみました!
魔王を打ち倒した後の物語が描かれた人気作品『葬送のフリーレン』。エルフの魔法使いフリーレンが、魔王討伐の旅を共にした勇者ヒンメルの死をきっかけに“人を知る旅”に出る物語です。
本作において大きな鍵を握っているのが、フリーレンとヒンメルの関係。元々ドライな性格であるフリーレンは、ヒンメルが亡くなってから彼を知ろうとしなかったことを後悔します。
一方、回想シーンで登場する冒険の道中でのヒンメルはフリーレンに仲間以上の特別な感情を抱いている様子。そんな2人の関係性を楽しみに作品に触れているファンも多いようです。そして、筆者もそんなファンのひとり。
というわけで、改めて2人の関係性に注目して原作漫画を読み返して考察してみました。
※本記事にはネタバレ及び個人的な見解が含まれます。
目次
- 恋愛感情に超鈍感なフリーレン
- ヒンメルはなぜ想いを伝えなかったのか
- ヒンメルが贈った指輪の意味
- ヒンメルは生涯独身だった?
- ヒンメルがフリーレンを好きになったのはいつ?
- 2人をそばで見守っていたハイターとアイゼン
- フリーレンとヒンメルにまつわる印象的なエピソード
- 原作117話でヒンメルの「諦めた夢」が登場 ※ネタバレ注意!
- ヒンメルの気持ちに気づくのはまだ先の話……
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恋愛感情に超鈍感なフリーレン
読み返してみてまず気になったのは、フリーレンの「私達エルフは長くは生きるけど、恋愛感情や生殖本能みたいなものが軒並み欠落しているからね」(原作第13話)という発言。
種族としてそういう特性があることに加えて、元々ドライで他者への関心が低いフリーレンは、エルフの中でも特に恋愛感情に鈍感だと思われます。現に、ヒンメルがあんなにわかりやすく愛情表現をしているにもかかわらず、フリーレンは未だに彼が抱いていた特別な感情に気づいていません。
このことから、本作の鍵は「ヒンメルが自分に抱いていた特別な感情にフリーレンが気付くこと」だと私は考えます。
ヒンメルはなぜ想いを伝えなかったのか
いくら超鈍感なフリーレンであっても、直接想いを伝えられればその気持ちを知ることになります。しかしながらヒンメルは自分の想いを彼女に伝えないままこの世を去ってしまいました。
ヒンメルがフリーレンに想いを伝えなかった一番の理由は、彼女を一人残して自分が先に死んでしまうからではないでしょうか。もし想いが通じて恋人になったり結婚できたりしても、フリーレンの時間感覚ではヒンメルはあっという間にいなくなってしまいますし、1人になった後の人生の方がずっと長いことでしょう。
自分が彼女の特別な存在になってしまうことで、自分が死んで以降、フリーレンに何百年、下手すれば何千年も寂しい時間を過ごさせてしまうことのないよう、ヒンメルは想いを胸の内に秘めたまま亡くなったのではないかと私は考えています。
もちろん、ドライなフリーレンのことなので、ヒンメルが振られてしまう可能性もありますし、それで関係が壊れることを心配していた可能性もないとは言い切れません。しかし、とても前向きな性格のヒンメルがその程度のことを恐れて告白しないとは思えませんし、フリーレンが1人になる未来についてヒンメルはたびたび口にしていることからも、この説が有力と言えるのではないでしょうか。
ヒンメルが贈った指輪の意味
2人の関係において外せないエピソードといえば、指輪のエピソード(原作第30話)です。旅の途中で討伐依頼を頑張ってくれたお礼にと、好きなアクセサリーを選ぶようフリーレンに勧めるヒンメル。
「じゃあこれでいいや」と特に悩むことなく適当な指輪を選んだフリーレンでしたが、たまたま選んだその指輪の意匠は鏡蓮華。その花言葉は「久遠の愛情」です。しかし、フリーレンがそれを知ったのはヒンメルが亡くなって29年後のこと。当時はそのことを知らずに選んでいたのでした。
「ヒンメルもそんな花言葉知らなかったと思うよ」と話すフリーレンですが、回想シーンで指輪を見つめて意味深な表情を見せるヒンメル……さらに、跪いてフリーレンの左手薬指にその指輪を嵌めるヒンメル……これで意味を知らないと思う方が難しい気がします。
『葬送のフリーレン』
— 『葬送のフリーレン』アニメ公式 (@Anime_Frieren) December 10, 2023
第1話~最新第14話
各動画配信サービスで配信中🪄
各話のWEB限定次回予告はこちら
▼https://t.co/pGWPfAQooL
配信サービスはこちら▼https://t.co/0uCweQYBF6 #フリーレン #frieren pic.twitter.com/okflIRMSYg
人間にとっては永遠に等しいくらい長い寿命を持つフリーレン。そんな彼女に「久遠の愛情」の意を持つ指輪をまるでプロポーズのように贈る姿に、この時彼が生涯独身を貫く決意さえしたように私は思えました。
アニメで描かれた #フリーレン が
— 『葬送のフリーレン』公式 (@FRIEREN_PR) December 13, 2023
マンガで読める魔法🪄
ヒンメルに貰った指輪を
諦めずに探すお話。
1/6 pic.twitter.com/w8R6E0HgD8
ヒンメルは生涯独身だった?
ヒンメルが生涯独身だったことをうかがわせるのは、彼の葬儀シーンです。偉大な勇者が眠る棺を大勢の民衆が囲んでおり、彼が多くの人から慕われていたことが感じられる一方で、ヒンメルの家族や親族らしき人物は一切描かれていません。一番近しい人物として参列しているのが、フリーレン、ハイター、アイゼンの3人のようです。
魔王討伐を果たした英雄である彼を周囲の女性が放っておくとは思えませんし、ナルシストなところはあるものの、確かに整った顔立ちではありますし、困っている人を放っておけない優しく思いやりのある人格者なヒンメルはその気になれば結婚できたはず。婚期は幾度となく訪れていたでしょう。
それでも彼が結婚しなかったのはフリーレンへの「久遠の愛情」があったからではないかと思います。