『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第12話放送後インタビュー:古賀葵さん(秋里コノハ役)×阿部敦さん(六田守役)|第6話までで、おふたりが印象に残ったやり取りは? 最終話は何も考えず、ただただ楽しんでほしい
またもや先が読めないラスト。何も考えず、ただただ最終話を楽しんでほしい
――ここからは、放送が終わった第12話の話をしたいと思います。1話まるまるコノハの救出劇でしたが、第11話のラストで、人が何かに漬けこまれていて、何事か!と思いました。
古賀:もう、サスペンス!(笑)
阿部:バイオハザードみたいだったよね(笑)。
古賀:怖すぎます。
――でも、皆さん生きているんですよね?
阿部:「ギャラもお支払いしている」って言ってたから、そういうことなんでしょうね。
――本人が何もしなくていいなら楽かもしれないけど、ずっと想像力を働かせているとしたら大変でしょうね。
阿部:まぁ、絶対に体は衰えていきそうですけどね(笑)。
古賀:逆に、なんか働きすぎてヤバい描写もありましたよね?
阿部:「きゅう…きゅう…」ってずっと言っているやつね(笑)。
――ゾンビデバッカーですね(笑)。これって、皆さんで声を当てていたのですか?
阿部:僕はやっていますね。人が足りなかったので、やります!と言って。「ゾンビデバッカーには女性もいるんですか?」と聞いたら、女性もいるということだったので、女の子にもガヤに入ってもらって、みんなで「きゅう…きゅう…」言っていました。
古賀:言語能力がなくなっていて、「きゅう」しか言えなくなっているんです。
阿部:歯がない人とかもいて。このあたりは、結構ギャグ要素が強かったと思います。
――ある意味第12話も、急に来たSF回みたいな感じがしました。近未来SF感というか。
阿部:マモルくんが地元・秋葉原の知識を生かした潜入の仕方が面白かったです。堂々としていれば、意外とわからないものだなって思いました(笑)。
古賀:わりとしっかり人がいるところに入っていきましたからね。
阿部:「お疲れ様で〜す」とか言いながらね。その潜入したところが、何でしたっけ?
――「常磐新線プロジェクト跡地」ですね。
阿部:おそらく、つくばエクスプレスですよね。土壇場で秋葉原を経由しない路線になって、マモルくんも「この路線が開通している歴史もあったのか…」ってモノローグで言っていましたけど、「こっちの世界線だ!」って思いました(笑)。
――いわゆる今の秋葉原ですよね(笑)。
阿部:あとは冬夜ちゃんが板挟みでかわいそうだったなぁ。
古賀:苦しい……。
阿部:そうだよね、守るものがあると、そうなるよね!って思って。
――AIが人間をサポートしてくれていたけど、AIには想像力と爆発力がなく、似たゲームばかりを生み出して限界が来てしまったから、そこを人間で補うというのも、なるほどなぁと思いました。
阿部:真面目な話になりますが、AIって今ある技術に似たものは多分作れるし、おそらく今の僕たちができるくらいの芝居も、たぶんできるんですが、10年経っても変わらないと思うんですよね。おそらく人間は、10年経つともっとうまくなっていたり、クリエイトする幅が広がったりしていると思うんです。
なので短期的に見ると、AIってすごいものが作れるし、便利なんですが、10年20年先を考えると、AIだけだったら、やっぱり回らなくなるんだろうなって。そこはやっぱり人が作っていかなければ無理なんじゃないかなと思ったので、いろいろ考えさせられました。
――人間が成長して、その成長したものを模倣することはできると思うんですけどね。AIだけで、どう成長できるのかは知りたいところです。
阿部:作る側が、AIは便利だからAIだけでいいやってなると、多分終わるんですよ。「人間がいないとできないんだ」ということをみんながわかっていないと、おそらく何十年か後に衰退していくような気がします。
――そう思います。ただ、それすら越えてきてしまったらどうしようという怖さもあるんですけどね(笑)。
阿部:まぁ、それはそれでもうすごいなって思いますけど。
古賀:アトムみたいなロボットができたらどうするんだろう。
――このあたりのAIの未来については、みんなで議論したら面白いかもしれないですね。あと、第12話はコノハがプラグスーツみたいなものを着させられているという。
古賀:漬け込まれる寸前でした(笑)。目覚めて良かったし、マモルくんが助けに来てくれて良かったです!
阿部:「コノハー!!」って言ってたよね。
古賀:カッコ良かった! もうヒーローでした。
阿部:そこは「もっと思い切り言っちゃってください」というディレクションがありました。気づかれない程度で声を張って言ったほうがいいのかな?と思ったけど、本当のヒーローみたいでいいんだと思ってやったら、そのあと、ゼーゼー言ってて(笑)。
――46歳だから疲れちゃうっていう。
阿部:そもそもプログラマーなんで、体力なんてないんですよ(笑)。なので最後は完全に息が切れていた気がする。
古賀:ずっと走っていましたからね。
――走っているときの息の芝居は酸欠になるとよく聞きます。
阿部:本当に息があがるもんね?
古賀:あがります! 手が痺れてきます。
阿部:そうそうそうそう!!(笑) 手がビリビリするんですよ。
――少し戻りますが、コノハと冬夜のやり取りも、なかなかツラかったです。冬夜は会社のために、憧れているコノハにしたくないことをしなければいけない。で、コノハもコノハで、自分のしたことで冬夜を苦しめてしまっていた。しかも、知っている知識を過去に持っていっただけだと思っているから、余計に苦しいという。
古賀:そうなんですよね……。2023年から来ていなかったら『ラスト・ワルツ』もできていないし、冬夜ちゃんももしかしたらここまで影響を受けていなかったかもしれない。
阿部:冬夜ちゃんって、マモルくんとは違う「同好の士」だから、その人を傷つけてしまったという気持ちもそうだし、ある意味人生を狂わせてしまったわけだからね。
古賀:あのとき一緒にゲーム屋さんに入っていなかったら、もしかしたら違う道に行っていたかもしれないとか思ったらツラくて。
阿部:しかも何年かに一度しか会えない人だから。
古賀:余計憧れが強くなってしまったんでしょうね。
――電話でコノハを誘い出したのは冬夜ではなかったですけど、電話はかけていたみたいですしね。
古賀:そうなんですよ! かけてくれていたんだと思ったし、そりゃあ繋がらないよな〜って思いました。
――未来の電話番号ですからね。そして最後のオチがUFOという。
古賀:びっくりです! 第12話なのに、まだここからトンデモ展開があるの?ってなりました。
――最終話はどうなりそうですか?
阿部:こうなってくると、最終話がどうなるのか、むしろ読めないと思うんですよ。助けに来てくれたのかどうかもわからないUFOが突然現れたわけですから。でも、そこも含めて楽しみにしていてもらえればと思います。なので、先を読まないで、ただただ最終回を観ていただければ嬉しいです!
古賀:本当に第10話からずっと読めない展開なので、阿部さんがおっしゃった通り、何も考えずにストレートに観ていただきたいです。コノハちゃんの旅がどうなるのか、見届けていただけると嬉しいです。
『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』作品情報
あらすじ
ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームをゲームショップの店主から譲ってもらうことに。美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、『同級生』のパッケージを開くと突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは過去にタイムリープをしていた!
行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?
圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――『じゃ、始めるね!』
キャスト
(C)若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT