『火狩りの王』第2シーズンより、久野美咲さん&石毛翔弥さんのオフィシャルインタビューが公開!
日向理恵子先生による長編ファンタジー小説を原作とし、監督を西村純二氏、構成・脚本を押井守氏が担当するアニメ『火狩りの王』第2シーズン。
2024年1月14日(日)の放送・配信を前に、灯子役の久野美咲さんと、煌四役の石毛翔弥さんの公式インタビューが公開されました。
久野美咲さん&石毛翔弥さん公式インタビュー
ーー第1シーズンのアフレコを振り返って、そしてオンエアを視聴してのご感想をお聞かせください。
久野:第1シーズンのアフレコは、特に最初はものすごく緊張したのを覚えています。灯子は人見知りな性格なのですが、私自身もそういう部分があるので、村から首都に向かうなかで初めて出会う人たちに、なかなか思っていることを伝えることができないシーンはとても共感できました。
『火狩りの王』という作品は、世界観が壮大で、特に第1シーズンは村と首都の対比が鮮明なんですよね。原作小説を読んでいるときから感じていましたが、映像になると、より空気感ががらっと変わります。音響効果も、村のシーンでは、あたかも自分が森の中にいるような感覚を味わえる足音だったり、風の音も草木が揺れる音もすごくリアルなんですけど、打って変わって首都のシーンでは、機械的というか、人工的な音がすごく使われていて。
これはアニメになったからこそ味わえる感覚だなって。原作の魅力のひとつでもある世界の対比が、アニメでより表現されているように感じました。
石毛:第1シーズンは本当に、ただただ必死に演じさせてもらっていたので、いろいろな不安もあったんですけど、完成した作品を観た時に、アフレコ時にはわからなかった部分が補完された感じがして、これから第2シーズンを演じる上での指標になったな、と強く感じられました。
僕たちはアニメーションで表現される世界の一部を一人の人物として声で表現していますが、やっぱり映像や木々や水の音などがすべて合わさって、作品世界ができあがるので、そういった意味で「演じているのは自分だけじゃないんだな」っていうのを強く感じられましたね。煌四の足音だったり、彼が出す一つ一つの音がよりリアルに感じられると、煌四がその世界にしっかり存在しているんだって言うのが、より鮮明に、際立って表現されていると思いました。
久野:人物の存在感はもちろん、表情や感情の繊細な表現にも感動しました。灯子は自分の感情を言葉であまり表現できないシーンが多かったのですが、灯子の瞳の揺れ動きによって、その心の内が繊細に表現されていて。
他にも、アドリブで入れた息に合うような表情やアクションにしていただいたり。言葉にはされていない感情がしっかり伝わってくるような表現にもなっていて、本当にありがたいなって思います。
ーー第1シーズンで一番印象に残っているシーンを教えてください。
久野:印象的なシーンはいろいろあるのですが、第9話「電撃砲」で、灯子と明楽さんが星空の下で会話する場面ですね。あのシーンは、明楽役の坂本真綾さんと一緒にアフレコさせていただきました。
灯子の「大切な人たちができたからこそ、みんなに危ない目に遭って欲しくない」という思いもどんどん強くなっていって。でも、この揺れ動く世界の運命に逆らうことができない状況にどんどん追い込まれていくといった、演じていて胸が締め付けられるシーンではありました。でも、明楽さんとの会話で、灯子自身も今後どうしていきたいかしっかりと内省することができる大切なシーンでもあったので、心を込めてお芝居させていただきました。
オンエアを見たら、星空がとても綺麗で。空に輝く星たちが、まるで灯子たちを応援してるようにも見えましたし、今まで旅の途中で出会った人たちや、村で待ってくれている人たち、そしてこれから灯子が出会う人たちのようにも思えてきて。いろんな人たちの思いが交錯しているのだろうなと感じて、すごく印象に残りました。
石毛:僕は第一話「旅立ち」で、お母さんのお墓の前で、緋名子と手を繋ぐ煌四が、とつとつと語る場面ですね。初登場シーンだったというのはもちろんあるんですけど、セリフ数はそんなに多くないけれど、煌四が、この世界に対してより、自分自身の境遇に対して思いをめぐらせているという部分でも一番印象に残っていますし、演じていて、重要な場面だと感じたのを覚えています。
ーー西村監督が第2シーズンに対して「さまざまな人々が闘争と心理戦を繰り広げる密度の濃い、過激な!シーズンになります。彼らの思いとその生き様や死に様!を是非、ご覧ください。」というコメントを寄せられましたが、お二人の第2シーズンへの印象をお聞かせください。
石毛:まったく監督がおっしゃる通りです(笑)。でも、本当に毎話つらいんですよね。第2シーズンの後半はそれぞれのキャラクターにとって切なくて悲しいというか、どうにもできないやるせなさや葛藤を覚える場面が増えてくるんです。
煌四としては、自分が開発した兵器で見ず知らずの人を傷つけたというパターンもあるじゃないですか。そこをどう受け止めなきゃいけないのかだったり、登場人物として描かれていなくとも、その世界に確かに生きている人たちの思いなども含めて、過激なシーズンになっていると思いますね。
久野:第1シーズンの時より、それぞれのキャラクターの心理がさらに深く濃く描かれているんです。「このキャラクターにはこういう信念や意思があって、だからこのように行動する」というのが、丁寧にしっかり描かれているので、キャラクター同士がぶつかり合った時は、本当に“火花が散る”という表現がふさわしいぐらいに熱く展開していきます。ご覧になる方も、きっと心が大きく揺さぶられるのではないかと思いますね。
ーー第2シーズンでは、ついに揺るる火が登場します。
石毛:演じられている石見舞菜香さんが一言話すごとに、はかなさが感じられるお芝居でしたね。
久野:聞いているだけで切なくなりますし、揺るる火がずっと寂しい思いを抱えていることがすごく伝わってきますよね。
石毛:地上に戻ってきた揺るる火が、自分の言葉を発する際の演出は、アフレコの段階でも本当にすごかったんですよ。
久野:一緒にアフレコした私たち自身も、完成したシーンを観るのが今から楽しみで仕方ないですね。
ーーオンエアを楽しみにされている皆さまへメッセージをお願いします。
石毛:登場人物すべてが、本当に細やかな思いを持って『火狩りの王』の世界を生きているので、そういった部分を楽しみにご覧いただけたら嬉しいです。
久野:第1シーズンで物語が始まったばかりの灯子は、自分の中でいろいろな感情が沸き上がっていても、相手に思っていることを伝えられなかったり、自分に自信がなくて行動に起こせないでいました。周りに言われてやっと行動できていた灯子が、首都への旅や、いろいろな人たちとの出会いの中で、どんどん変化していくんです。
みんなとの信頼関係ができていくからこそ、「大切な人たちを守りたい」という気持ちが芽生え、心が移ろいで行動も変わって行く。そんな彼女の成長も表現できたらと、お芝居させていただきました。この作品は、現実世界では考えられないようなことも起こるファンタジーですが、登場人物たちは、本当に必死に、巻き起こっている事態に逃げずに真正面から戦っています。
いつも一生懸命な灯子を演じていて、私自身もたくさんの勇気をもらいました。アニメをご覧になってくださる皆さんの心にも、何か届くものがあったらいいなと願っています。
第11話「月の鎌」の一部シーンを先行公開!
『火狩りの王』第2シーズン作品概要
あらすじ
世界の真実を灯子と煌四が知るのと時を同じくして、神族の統治転覆を狙う〈蜘蛛〉たちが炎魔を放ち、煌四が開発した強力な雷撃を落とす雷撃砲が工場に設置され、誘導用の雷瓶が各地に埋められるなど、さまざまな思惑が首都に忍び寄っていた。
そして、遂に、最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空を彷徨っていた人工の星〈揺るる火〉が、帰ってくる。
「千年彗星〈揺るる火〉を狩った火狩りは、〈火狩りの王〉と呼ばれるだろう」
首都すべての火狩りが千年彗星の帰還を知るなかで、煌四の父の形見でもある三日月鎌で炎魔を狩った灯子。
神族を取りまとめる手揺姫(姫神)へ、願い文を届けようとする明楽。
父の狩り犬・かなたを送り届けてくれた恩人の灯子を、神族によって体を作り替えられた妹・緋名子とともに守ろうとする煌四。
人々が必死に戦う中、神族は帰還した〈揺るる火〉を手揺姫の任を継ぐ者とするため、ある娘を依巫にしようとしていた。
そして、灯子は、姫神たちの孤独と悲しみを知る。
千年彗星〈揺るる火〉を狩り、新たな世界の統治者〈火狩りの王〉となるのは誰なのか。
灯子と煌四。運命に導かれた二人が解き明かしていく世界の秘密、そして彼らが選ぶ未来は―。
キャスト
(C)日向理恵子・ほるぷ出版/WOWOW