冬アニメ『ぶっちぎり?!』灯 荒仁役・大河元気さん×浅観音真宝役・星野佑典さんインタビュー|ヤンキー×千夜一夜物語という“ワケのわからなさ”が魅力!?
『呪術廻戦』や『進撃の巨人 The Final Season』などのアニメ制作でおなじみのMAPPAが手がける最新オリジナルアニメ『ぶっちぎり?!』が、2024年1月13日より放送スタート!
本作の主人公・灯 荒仁(ともしび あらじん)は、あま~い高校生活を夢見て、かつて住んでいた「本気町」に帰ってくるのですが、そこでは「魅那斗會」「シグマスクワッド」「NG BOYS」の3つのグループが抗争中でした。転校先の威血頭(いちず)高校でかつての親友・浅観音真宝(あさみね またから)と再会した荒仁は、その抗争に巻き込まれていき……?
「ヤンキー」×「千夜一夜物語」という奇想天外な組み合わせ、『ぶっちぎり?!』というタイトルなど、ティザービジュアルの発表時から大きな話題を集めた本作がついにベールを脱ぎます。
今回は、放送開始を記念し、主人公・荒仁役の大河元気さんと、真宝役の星野佑典さんの対談をお届けします!
作品の魅力は“ワケのわからなさ”。自由に動き回る個性豊かなキャラクターたちにも注目!
――台本や設定を読まれたり、演じてみて感じた作品の印象をお聞かせください。
灯 荒仁役・大河元気さん(以下、大河):ヤンキーもので、マジンが出てきて、タイトルが『ぶっちぎり?!』だと皆さんもワケがわからないですよね? たぶん「こんな作品じゃないかな」と想像されると思いますが、その推測はだいたい合っていると思います(笑)。
新しいPVも公開されていますが、もっと混乱させてしまうかもしれません。でも、そのワケのわからなさが一番の魅力かもしれません。何かわからないけどおもしろくて、1話があっという間に駆け抜けていって。まるでジェットコースターみたいで、それほど長い時間乗っているわけではないのに、なぜか印象に残っている。そんな作品かなと。皆さんが観てどう感じてもらえるのかが楽しみです。
浅観音真宝役・星野佑典さん(以下、星野):まず思ったのは『千夜一夜物語』というアラビアンなモチーフに、ヤンキーものをどう調和させていくのだろうかと。そしてシナリオを読んでみると、個性豊かでおもしろいキャラクターたちが自由に動き回っている姿が思い浮かんできました。設定や世界観も独特ですが、一番魅力を感じたのはキャラクターで、それぞれのキャラクターに注目して観てほしいなと思います。
――ご自身が演じるキャラクターの印象や共感できる点などをお聞かせください。
大河:荒仁くんは、自分の欲望のためには妄想力も行動力もすごく働きます。それゆえにいろいろな問題を起こしたり、トラブルに巻き込まれてしまうんですが、どこか憎めないし、「ああ、わかるわかる」と共感できるので、精一杯演じたいなと思いました。
ヤンキーものの主人公といえば、「強くなって、テッペンとってやる」みたいなイメージですが、荒仁くんはそうではなくて。そんな彼が物語の中でどんな活躍をするのか楽しみですし、僕とはまったく違うタイプなので、楽しんで演じています。
星野:真宝は優しくて、純粋で真っすぐな男の子です。彼は自分のためよりも人のために行動しているので、尊敬できます。真宝は、昔、荒仁と一緒だった時の出来事や言葉に大きな影響を受けていますが、僕自身も(他のキャストと)ご一緒して「いい人だな」と思ったら、頭の中でその方の人物像をどんどん膨らませてしまう傾向があって。その僕が作った理想像にあててしまいがちなところがありますが、真宝も荒仁に対して自分の抱いている理想像を押し付けてしまう部分があるので、「自分と同じだな」と思うことはありました。
荒仁を演じる時は「小さくまとまらない」ように。真宝は「荒仁への想い」を大切に演じた
――演じる時に意識された点や、収録時に受けたディレクションなどをお聞かせください。
大河:演じる上で、そしてこの作品では小さくまとまらないことが大事だなと思っていて。特に荒仁くんは、他のキャラたちとは違ったところ……斜め上の目標を持って突き進んでいるので、こじんまりとまとまらないように常に意識しています。
また、荒仁と真宝、2人の関係性がとても大事で、2人の掛け合いのシーンでは、彼がどんな気持ちで言っているセリフなのかを、監督や音響監督に相談することもよくあります。そうすることで、更におもしろくなる表現が見つかったりもして。
星野:真宝の原動力の大部分は、あらちゃん(真宝が荒仁を呼ぶ時の愛称)への想いなので、そこは絶対に失わないように、大切に心がけています。
あらちゃんのことで、まほろちゃんに話し掛けるシーンがあったんですが、そこは難しかったです。周りからは美男美女に見えるし、自然にまほろちゃんの目を見ながら話しているんですが、真宝自身は、あらちゃんのことが気になる。つまりまほろちゃんの向こうにあらちゃんを見ているからで……?!
大河:もういいよ!(笑)
星野:(笑)。真宝はその向こうにいるあらちゃんのことを考えながら話しかけなければいけないのが難しかったです。
大河:真宝と2人でしゃべるシーンは、とても繊細で難しかったです。荒仁がただ突き放しているように(視聴者に)見えてほしくはなくて。でも真宝が重すぎるんですよね。なので、僕もうっとうしく感じて、「うるせえな!」と言ったら、「怒りすぎ」と注意されて。2人の掛け合いシーンは、「苦労しているんだな」と思いながら観てください(笑)。
――お互いのキャラクターの印象とお芝居の感想についてお聞かせください。
大河:今、横で星野くんがしゃべっているのを聞いていて、「あっ、真宝の声だ!」と思いました(笑)。真宝が荒仁を実直に思っていてくれるから、こちらも「嫌だな」という気持ちをどこかで持つことができるし、助けられています。
星野:大河さんとご一緒させていただいたのは、この作品が初めてなんです。第1話の収録でお芝居を見せていただいた時、段々と大河さんが荒仁に見えてきて……。
大河:怖いよ!
星野:2人で掛け合いしているシーンの収録で、荒仁から突き放されたり、そっけない態度をとられた時、僕自身も大河さんにそっけなくされている錯覚におちいって、ちょっと寂しくなっちゃったことが1回ありました(笑)。それくらい僕の中では荒仁と大河さんがシンクロしています。