GARNiDELiA(ガルニデリア)ニューアルバム「TEN」インタビュー|「諦めなければ何かが掴める」ということを証明できた1年。今まで以上に明確になった、“ファンへ届けたい想い”とは?
ボーカリスト・MARiA(メイリア)さんと、コンポーザー・tokuさんによる音楽ユニット「GARNiDELiA(ガルニデリア)」。
2014年のメジャーデビュー以降、日本のみならずアジア圏で高い人気を博してきた同ユニットにとって、2023年はさらなる飛躍を遂げた年となりました。MARiAさんは5月に中国のオーディション番組「乗風(チェンフォン)2023」に出演したことをきっかけに、大ブレイクを果たし、歌姫としての地位を確立。約4年ぶりとなるワールドツアーを開催するなど、1年を通して世界中の人に歌を届け続けました。
そんな絶好調のGARNiDELiAが、2024年1月17日(水)におよそ2年ぶりとなるニューアルバム「TEN」をリリース。今のGARNiDELiAの決意を歌ったアルバムタイトル曲「―TEN―」や、世界的人気ゲーム『原神』とコラボした「Future Wing」など、珠玉の13曲を収録しています。
アニメイトタイムズでは、アルバムリリースを記念し、おふたりにインタビューを実施! 「天変地異」と形容するほど、これまでと大きく変化した活動と、その中で考えてきたことなどを語っていただきました。
「諦めなければ何かが掴める」ということを証明できた1年
――まずは、今回のアルバムのコンセプトと、タイトル「TEN」に込めた想いをお聞かせください。
MARiAさん(以下、MARiA):いろんな意味を持たせていますが、タイトル曲「―TEN―」の歌詞にも入っているように、漢字の「天(てん)」が一番のメインテーマです。
今年の5月から生活のすべてが一変して、人生丸ごと変わったみたいな感じで、「こんな奇跡みたいなことが起きるんだ……!」と思っている中で、アルバムを制作するにあたって、最初に浮かんだ言葉が「天変地異」だったんです。あとは「ここからさらに上を目指していく」という意味でも「天」が私たちの気持ちにピッタリな言葉かもしれないと思って、「―TEN―」という曲が生まれました。
tokuさん(以下、toku):意味の一つで言えば、デビュー“10”周年とかもね。
MARiA:実はさっきの(別媒体の)取材で気付いたんですよ(笑)。(インタビュアーに)「デビュー10周年の“テン”ですよね?」って訊かれて。2014年にデビューしたので、確かにと。まあだから、ダブルミーニングですよね。
一同:(笑)
MARiA:うっかりしていると自分の誕生日を忘れちゃうことってあるじゃないですか。そんな感じで、10周年という節目を忘れてしまうくらいの勢いで今は日々を過ごしています。でも10周年というタイミングで、こういう奇跡みたいな展開が起きるのもご縁だなと思いました。
――そんな「―TEN―」が一曲目というのも驚きでした。拝聴した際、11曲目「一蓮托生」と対のようなイメージというか、この2曲は前後に来ると感じたので。5月以降の中国でのブレイクも含め、この数年のGARNiDELiAは本当に突き抜けた印象を受けたのですが、ここ数作のアルバムから変化した部分などはありますか?
MARiA:迷わなくなりました。迷っているヒマがないってことでもあるんですが(笑)。でもそれはある意味いいことだなと思っています。それぐらい勢いがあるというか、止まったら終わるというか(笑)。
toku:マグロみたいな(笑)。
MARiA:贅沢な悩みで、今までは「どうやってみんなに聴いてもらおう? どうやったら届くんだろう?」と悩む時間のほうが多かったと思います。でも今は、届ける場所がたくさんあるから、考える時間がないくらい働いていて、飛行機をタクシーみたいに使って、ライブをほぼ毎日やっているみたいな感じです。
コロナ禍で落ち込んで、「どうやったら私たちを繋ぐことができるのか」「とにかく耐えなくては」という4年間の後にボーン!と爆発して、待っている声が鳴り止まない状態にたどり着けたというのは、とんでもなく幸せなことだと感じていますし、「どんな曲を出しても、私たちが歌えば絶対いいものになる」という自信も持つことができました。その信頼関係みたいなものがあるからこそ、何の迷いもなく、今書きたいものを書くことができたのがこのアルバムですね。
toku:ほぼ海外に出てしまうので、家の機材を使う機会が減ってしまったんですが、新調したノートパソコンがすごく高性能で、1台でほぼ完結できるようになったというのも、アルバムの違いには繋がっているのかなと思います。技術の進歩ってすごいなと感じました(笑)。
――一方で、ステージ上での言葉や、いろんな媒体で見る言葉、歌詞も含めて、言葉はいい意味で全然変わっていないと感じます。ですが、同じ言葉でも今見ると説得力が違うなと。
MARiA:分かります! ライブでは当然過去の曲もやっていて、10年前に書いた曲とか、めっちゃ昔の曲も掘り出して歌っているんですが、当時歌っていたものと、今お客さんが聴くもので全然響き方が違うと思っています。(言葉が)今歌っていても全然おかしくないし、今の私にもフィットしているんですが、その当時に私が伝えているものと、今伝えているものって響き方が違うというか。自分でも不思議な感覚です。自分でも納得できるようになったし、それが成長なのだろうかとも思います。
toku:同じ曲をやっていても感じ方が変わっていきますよね、やっぱり。
MARiA:「今のために書いていたのかも」と思うこともめっちゃあります。
――今の自分に対しては、どんな言葉を送りたいですか?
MARiA:今送るなら……「がんばったね」ですかね(笑)。GARNiDELiAの前からも含めて、20年歌い続けていますから。しんどい時のほうが多かった中で、とにかく諦めなかった自分を褒めたいです。続けるって一番、何よりも大変なことだと思うので。もちろん、続けさせてもらえる環境を与えてくれたみんなへの感謝も忘れていません。
でもきっと、すぐに成功は掴めなかったんだろうなと。続けていく中で、私の性格がちゃんと伝わって、すごく真面目に一生懸命やってきたんだという過程があるから愛してもらえていると思うので、この20年は必要だった、無駄なことは何もなかったんだなと思っています。
今までずっと綺麗ごとみたいに「諦めなければ」と言い続けてきたし、「自分を信じて」といった言葉も歌ではたくさん言ってきましたが、それを実際に証明するのってすごく難しいじゃないですか。でも今回、とにかく諦めなければ何かを掴めることを、自ら証明できたので、今の自分が歌うGARNiDELiAの曲はもっとみんなに刺さると思うし、今まで書いてきた歌詞も含めて「なるほどな!」と納得できると思います。ステージから発する言葉も、歌も、より説得力が増したと思うので、やっぱり(自分に送る言葉は)「本当によかったね」ですね。
――これがスタートですもんね。
MARiA:ここからですよ!