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『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』オルフェ・ラム・タオ役 下野 紘がもっともプレッシャーを感じたシーンとは

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』オルフェ・ラム・タオ役:下野 紘さんインタビュー | オルフェはラクスとの距離の詰め方がおかしい!? もっともプレッシャーを感じたシーンのエピソードも

 

劇場版を表現するなら“フェス”だと思った

――台本をご覧になられた時の物語全体の印象や、面白かったポイントを教えてください。

下野:自分が演じているところでは、オルフェは普段代表としてしっかりしていて、大人っぽい雰囲気を漂わせているのですが、中身に関してはすごく子供なんだなと感じる瞬間が多いんです。

ラクスに対していろいろ言ったあと、一瞬ラクスが靡きそうになるけれどうまくいかなかった時など、全然大人ではないなと(笑)。キラに対しても、「こいつ生意気だからとっちめてやろう」という雰囲気があって、要所要所で幼さを感じられる部分は少しかわいいなと思いました。

それ以外の部分ですと、終盤のアスランと中村(悠一)くんが演じているシュラの戦いでしょうか。あそこは本当に「何それ!?」となりました。

一同:(爆笑)。

下野:可能性としては分かるのですが、もう少しシリアスに戦おうよと(笑)。急にラブコメ的な要素が入ってきたのは少し驚きました。

 

 

――TVシリーズに関しては、「キラキラと思ったらドロドロだった」みたいな話がありましたが、劇場版の物語についてはどんな印象を抱かれましたか?

下野:あくまでも僕個人の感想になりますが、話はすごくシリアスですし、キラの立場から見ると辛いお話ではあるものの、本作は“フェス”なのかなという印象を受けました。そう考えると、さっきお話した、最後にラブコメ的な要素が入ってくることも納得できます。

――それ以外にも、ツッコミを入れたり驚いたシーンはありましたか?

下野:オルフェについていえば、ずっとラクスに対して使命感にも近い特別な感情をもっていましたが、とはいえ距離感の詰め方がおかしいというか。最初から近いんだよ!本当に嫌われるよ!……ということは思っていました(笑)。キラに対してもそうですが、どれだけ鬱屈としたものを抱えていたのだろうなと。

あとは、僕自身モビルスーツに乗るキャラクターを演じる機会がなくて、ずっと演じてみたいなという想いを抱いていたタイミングで今回のお話をいただけたのも嬉しかったです。

『ガンダムUC』の時は機体を整備する役柄だったので、最後まで乗れなかったんですが、今回は乗れるなと(笑)。あの時から、ガンダムではなくてもいいから何かしらの機体に乗りたいとはずっと思っていたので、念願が叶った部分がありましたね。演じる時も戦闘シーンはすごく気合が入りました。

――初対面のラクスに、あそこまで距離を詰められるって普通の感覚だとできないと思うんですが、オルフェのラクスへの感情についてはどのように考えられていますか?

下野:これはオルフェ自身の生い立ちを含め、僕の勝手な想像になるんですが、きっとラクスに対しては、愛情というよりは使命感に近い感情なのではないかと思っています。

そうするのが絶対で、この世界を生きる上での真理みたいなものだという考えが植え付けられてしまっているというか。

 

 
だからラクスに対する感情も、恋や愛も少なからずはあるのかもしれないですが、そういう使命感みたいなものの方が圧倒的に強いのかなと。その想いをずっと持ち続けていたのに、一緒にいられなかったことも、あの距離感に繋がっているのかもしれないですね。

これはキラに対してもそうで、キラがラクスとずっと一緒にいることを知っているから、あんな敵意向き出しの状態になったのではないかなと思います。

――今までそうやって生きてきたからこそ、それ以外の選択肢がなかったというか。

下野:それ以外の選択肢がなかったというよりは、それが絶対に間違っていないとういう考え方でしょうか。おそらくオルフェ自身は、そうやって生きてきて失敗したことが一度もなかったのではないかと思います。

 

いつでもオルフェを演じられるように準備しておきたい

――「SEEDシリーズ」では、キラ、アスラン、シンという3人の主人公的なキャラクターが登場しますが、一番共感できたのはどのキャラクターでしたか?

下野:やっぱり、キラですね。最初の『SEED』の時は違う部分もありますが、今回はとくにオルフェとの対比でかなり大人だなと感じる部分が多くて、何でも感情的になるのではなく、いろいろなことを考えて話したり黙ったりしていますよね。なんだかんだ、キラが言っていることって間違っていないよなぁと思えることが多くて、そういう意味でも共感しやすいなと思います。

 

 

――オルフェにあれだけ言われたら、普通ならもっと感情的になりますよね。

下野:そうなんですよ。普通ならもっと言い返したりしてもいいと思うのですが、そうではなく、大人としていろいろなことを考えて話しているんだろうなと。悩むシーンもありますが、最初の『SEED』の頃とは悩みの次元が違っていて、成長を感じられるのもいいですよね。

――オルフェはいわゆる悪役に近いポジションではありますが、作中だと結構人望もありますよね。魅力だと感じた部分はありましたか?

下野:まず、指揮官としてや宰相としてでしたり、全体的な能力としてはすごく優秀で、言っていることに伴う実力はもっているのだと思います。あれだけ色々な部下や、ずっと一緒にいてくれる存在がいるというのは、ある種のカリスマ性みたいなものもあったりするのかなと。

でも個人的には、そういう政治とか国とかの話をしていない時、ラクスやキラと接している時のオルフェの方が好きなのかもしれないですね。あの時のオルフェは言い回しこそ大人っぽいのですが、直接的なことを言っているし、子供みたいな感情変化も多いのですが、そこが逆に人間臭さを感じられました。

「僕はラクスちゃんと絶対結婚するんだよ!」と言っているところにキラがやってきたから「キラくんはなんでラクスちゃんを盗るんだよ!お前なんか嫌いだ!」というような。もちろん、実際の言い方は全然違いますが、本質はこういうことなのではないかと思うと、「君、かわいいな」と(笑)。台本を読めば読むほど、彼は子供なんだなと感じるようになっていきました。

 

 

――20年前から出演されているキャスト陣が、現在もあれだけ熱量のあるお芝居をされているというのは、下野さんから見ていかがでしたか?

下野:先程、20年前よりも先輩たちとの距離がどんどん広がっているように感じているという話をしましたが、第一線で活躍されているベテランの方々と現場でお会いすると、アニメでオンエアされているお芝居は、作品やキャラクターとして抑えられたものになっているんだなと、『SEED』を含めいろいろな現場で実感しています。

今回の場合、元々演じてこられたキャラクターであるからこそ、熱量と共に大切にキャラクターを演じられていると感じたので、自分自身も負けないよう、オルフェというキャラクターをもっと熱量をもって演じないといけないなと感じました。

――そういった先輩方のお芝居を、今も見られるというのは凄いことですよね。

下野:いろいろな大ベテランの先輩方からお話を聞かせてもらうことがあるのですが、皆さんキャラクターをいつでも演じられるように常に準備されていて。今回共演させていただいた皆さんもそういう方ばかりだと思うので、さらに10年、20年先も演じる機会があるかもしれないという準備を既にされているのではないかとも感じました。

自分の場合、またオルフェを演じる機会が……あるかは分からないですが(笑)、今まで演じてきたキャラクターをいつでも演じられるように、その想いは常に持ち続けなければといけないと思っています。

 

 

――最後に、映画を楽しまれるファンの方々のへメッセージや、本作の見どころをお願いします。

下野:やはり昔からのファンの方は、本作をすごく楽しみにされていたと思います。今回、新たなメンバーとしてオルフェ役で参加させていただきましたが、彼は彼なりのいろいろな考え方をもっていて、中には今日お話しした子供っぽい部分があったりもしますが、まずは一度通しで見てもらって、あとからそういう面も意識して見返していただけると、さらに作品を楽しめるのではないかと思います。

初めて見られる方に関しては、まずは一度テレビシリーズをご覧いただけるといいのかなと。引き続き登場しているキャラクターや、様々な『SEED』ならではの用語も出てきますので、より劇場版を楽しく見られると思いますし、それ以外にも様々な楽しみ方をしていただけたら嬉しいです。

――ありがとうございました。

 

作品情報

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

あらすじ

C.E.75、戦いはまだ続いていた。
デュランダル議長の死により、デスティニープランは消滅したが、同時に大戦終結後の世界を安定させる指標は失われた。
各地で独立運動が起こり、ブルーコスモスによる侵攻はくり返され、人々はさらなる戦乱と不安の最中にあった。
事態を沈静化するべく、ラクスを初代総裁とする世界平和監視機構・コンパスが創設され、キラたちはその一員として、各地の戦闘に介入する。
そんな折、ユーラシア連邦からの独立を果たした国・ファウンデーション王国から要請があった。ブルーコスモス本拠地へのコンパス出動を求めるものだ。
要請を受け、キラたちはラクスを伴い、ファウンデーション王国へ向かう。

キャスト

キラ・ヤマト:保志総一朗
ラクス・クライン:田中理恵
アスラン・ザラ:石田彰
カガリ・ユラ・アスハ:森なな子
シン・アスカ:鈴村健一
ルナマリア・ホーク:坂本真綾
メイリン・ホーク:折笠富美子
マリュー・ラミアス:三石琴乃
ムウ・ラ・フラガ:子安武人
イザーク・ジュール:関智一
ディアッカ・エルスマン:笹沼晃
アグネス・ギーベンラート:桑島法子
トーヤ・マシマ:佐倉綾音
アレクセイ・コノエ:大塚芳忠
アルバート・ハインライン:福山潤
ヒルダ・ハーケン:根谷美智子
ヘルベルト・フォン・ラインハルト:楠大典
マーズ・シメオン:諏訪部順一
アウラ・マハ・ハイバル:田村ゆかり
オルフェ・ラム・タオ:下野紘
シュラ・サーペンタイン:中村悠一
イングリット・トラドール:上坂すみれ
リデラード・トラドール:福圓美里
ダニエル・ハルパー:松岡禎丞
リュー・シェンチアン:利根健太朗
グリフィン・アルバレスト:森崎ウィン
ギルバート・デュランダル:池田秀一

(C)創通・サンライズ

 

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