声優
2024年1月の総括(お笑い感)|青山吉能『みずいろPlace』#85

2024年1月の総括(お笑い感)|青山吉能『みずいろPlace』#85

皆さんこんにちは、なんだかお久しぶりですが元気ですか?

わたしは元気です。

青山吉能です。

明けましておめでとうございます。

「おめでとう」という言葉の軽快さと重みを、ぐるぐると考えさせられる年始でした。

たった数分であんまりにも大きく崩された、暖かなお正月休み。こんなにも苦しい対義語はありません。

何もかもを真正面から受けとめやすいわたしにとって、この地震災害のことを「知る」という過程は、それらすべての擬似体験に近く、視聴覚から伝わる情報に一憂一憂し、しかしそれがあくまでも「擬似」であるという偽善さに自分で辟易し、さあ冷静になったところで、結局己が無力であることは解決できないまま。

「正しさ」を探す旅に終わりはなく、悶々とする日々。この心のぐにゃぐにゃから脱したきっかけというのは、いつものように始まった「仕事」という存在でした。

仕事始めの日は拍子抜けするほどいつも通りで、馴染みのスタジオで録りものを何本か済ませ、夜は翌々日に控えるライブに向けていつもの美容室に向かい、帰りに好きなものをちょっと食べて、帰る。

あくまでも、わたしはわたしで日常を過ごすということ。

感情の共有は直接的な助けにはならないけれど、生き続けることで経済を回し、先に生まれていた想いの形は募金として、被災された皆さまが少しでもはやく温かく笑い合う日々が戻ってきますように願いを込めて協力させていただきました。

これをわたしは、わたし自身が作り出した複雑な迷路の出口だと感じました。

「しあわせでいてくれますように」

あの曲の歌詞の一節ですが、これはひょっとしたら、わたしの生きるモットーなのかもしれません。

新年1発目のみずいろPlace

さて、そんなこんなで始まった新年1発目のみずいろPlaceなのですが、なんだかこんなにも筆を取らなかったのは初めてなので、少し生まれ変わってしまった気もしてしまいます。なんてったって、新年だから。ぼんやりしている脳に、爆音を轟かせながらやってくる「確変」という豪速球は相当こたえるでしょう。

いつもこのコラムでは、わたしのほんの小さな日常についてお送りしていました。

その小ささゆえに、ふるいにかけても箸にも棒にも網にもかからず転がり落ちて、面白いのかどうかすら誰も選別できないものたちが溢れかえってしまっていました。

いくら綺麗で新鮮でも、ゴミ箱に入ってしまったらもう別物なのです。「弱い」と判断されたそれらは、わたしの手によってわたしの奥底にある棚の中にそっと仕舞われます。

しかし、普段は見向きもしないそのひとつひとつを拾い上げて、良きように昇華させてくれていたのがこのみずいろPlaceでした。

青山吉能たる所以が滲み溢れまくるこのコラムのことを、すなわち人間性を評価していただくことは、わたしにとってのなによりの救済です。

最近はというと、ふるいに乗せるものの入荷が極端に少なく、同じものを何度も反芻し、言わずもがなを皆さんに定着させてばかりでした。牛の食事さながら、という言い回しさながら。

2024年になったからには、なにか新しい発見はあったかなと考えてみたところ、ひとつだけ思い当たる新鮮がありました。

最近実は、お笑い芸人さんという存在に興味を持っています。

興味といっても、2023年末に開催されたM-1グランプリ2023からのド・新規で、この身そのまま体重を預けて始めているわけでもなく、右手で平等に手に入りそうな情報はとりあえず片っぱしから集め散らかしている程度のものです。

彼らのかつてのネタやYouTube番組、ラジオ、Podcastを見聞き漁り、コラムなどを読み漁る、まだまだこの位。しかし、テレビで見たものの人間性に興味を持つことは初めてで、もう毎日が新鮮です。「知る」という世界は1歩1歩がこんなにも輝くんですね。

たまたま、というにはもう嘘っぽすぎるくらい流行っていますが、本当にたまたまM-1グランプリ決勝を見届けてしまったのが始まりでした。

またここでもお得意の擬似体験。

「ツッコミの間合い、ワード、あまりにも閃き」「スモーク煙た〜いでも憧れるんだよね」「噛んだ!!あああ悔しい、むしろおいしい?いやそんなわけあるか悔しいわ俺は」「トップバッターで優勝!これこれこれ快挙おこしたったわ〜!」

と、まあほぼ感想のような体験をこんな感じで。

前述の疑似体験と大きく異なるのが、TV主導で作られるアフターストーリーがあることや、それぞれのコンビが持つメディアなどで振り返ることによる「正解」があること。

その正解が、このCV:青山吉能の勝手さとあんまりにも乖離していてね。

そうして、俄然皆さんに対して興味が湧きました。

そこからゆるゆると、インターネットが勝手にカスタマイズした情報の中から取捨選択をしながら、新鮮と向き合っています。

通り過ぎていくものごとを横目に、ひたすら明日のことを考えてる日々。

大変な横目なものですから、過去に起きた喜びや悔しさの形がwavからmp3へ変換され情報がどんどん小さく、その調子でいつかはなくなってしまうんじゃないかと危惧しています。

なのでこのように機微を細かに記すことができるコラムという場は本当にありがたく、不定期更新になったとしても続けていきたいなと思っています。

明日になってわたしがなにに興味を失ったっていいわけです。

わたしにとっても、2024年1月は特に、綺麗な思い出として忘れたくないと思える景色をたくさん見させていただきました。

その一員として参加してくださった皆さま、ありがとう。魂を飛ばしてくれたみんなもね!

それではこの辺りで終わります。

さようなら。

青山吉能

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企画協力:81プロデュース
編集担当:川野優希

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