『僕の心のヤバイやつ』第2期 連載インタビュー最終回:市川京太郎役・堀江 瞬さん✕山田杏奈役・羊宮妃那さん|皆さんの心の中で、これからもキャラクターたちが生き続けてくれたら
市川の告白のシーンは緊張しました
――第25話の日記もあったんです?
羊宮:その後すぐに打ち上げだったので書けなかったんですが(笑)、25話は感覚として溢れて出る、いろいろな思いがありまして……。
それこそ告白をするシーン。おうちで何回も練習したんですけど、何回やっても泣いてしまっていました。特に、杏奈ちゃんが大切な修学旅行を楽しもうとしていたけど、結局ダメで泣いてしまう場面。当日のアフレコでは「ここまではちゃんと喋る」など、その場その場で生まれていく表現方法がありました。
難しいなと思うのは、役者としてキャラクターと向き合って、その場にキャラクターが来てくれるかのように感情が込められることもありますけども、それだけではなく、その場の作品の中で生きている杏奈ちゃんにも寄り添わないといけないので……自分が演じる杏奈ちゃんが全てではなくて、作品の中で生きている杏奈ちゃんに寄り添えるようにと思っています。それは私がその場のディレクションをどこまで吸収できるかに掛かっているので、練習はしていったものの、その場で作り直しました。最後の最後までいっぱいいっぱいになりながらも、杏奈ちゃんに向き合っていました。
――私は仮映像を見させてもらったのですが、あのシーンは見ている側としてもグッとくるものがあって……。
羊宮:そうですよね〜! (杏奈の気持ちは)分かるんですけど、分かるからこそ、演じる自分としては分からないようにしないといけない。杏奈ちゃんはその瞬間を生きているわけですから。そこが難しかったです。
堀江:僕も25話は市川の告白のシーンが印象に残っています。何十カットにも渡って、今までの生き方を振り返りながら、山田と出会うことで変わることができたことを大切に語るシーンがあって……。
(思い返しながら)う〜ん、う〜ん……うん。そこは、これまでを踏まえての、このセリフなので「ここは大切にしなければいけないシーンだ」と思っていました。部分部分で「このシーンを演じるのは緊張するな」ってことは、1期、2期を通してはなかったんです。でもこのシーンに関しては「やべえ緊張する」ってドキドキしながらやっていた記憶があります。
――ディレクションもあったんです?
堀江:どうだったかな。あったにはあったんです。ただ、必死過ぎて具体的にどんなディレクションを受けたかってところは忘れてしまっているんですけど。
――そういうものなのかもしれません。
堀江:気持ちもベクトルもそのままで、涙の量だったり、成分の調整だったり……というディレクションだったと思います。それと、こういう長台詞でありがちな「状況説明だけで終わってしまわないように気をつける」というのは意識していました。
これまではこういう生き方をしてきた、って字面だと暗いことなんですが、山田と出会って抜け出した市川が喋っているから、過去を暗く喋る必要はないというディレクションをいただきました。
原作で「今後も見守っていただけたら」
――今日は『ツイヤバ』(12月より「Amazon Prime Video」で独占配信中)のアフレコ収録日でもあります。『僕ヤバ』の放送が終わってロスになっている方が沢山いると思うので、『僕ヤバ』ファンの方々にメッセージをいただきたいです。
羊宮:私はすでにロスになっているんです(苦笑)。だから今日の『ツイヤバ』の収録がすごく楽しみだったんです。『ツイヤバ』は台本を読むたびにかわいいなぁ、かわいいなぁって思います! ただ、『僕ヤバ』はこのインタビューでもお話してきた通り、その場で生まれるものがたくさんあって。「ここはどういう空気感になるのかな?」って楽しみです。
第2期が終わってしまって、思い返して寂しい気持ちになっている方もいると思うんですけど、私もそう思えるほど、とっても素敵な作品であり、素敵な現場でした。何度でも見返していただいて、皆さんの心の中で、これからもキャラクターたちが生き続けてくれたらなと思います。原作の方はまだまだ続いておりますので、今後も見守っていただけると嬉しいです!
堀江:アニメ本編でたくさんキュンキュンしてくれたと思うんですが、『ツイヤバ』はそんなキュンキュンするシーンだけをこれでもかってくらい詰め込んでみました!という内容になっています。
ロスに陥った皆さんの寂しい気持ちも吹き飛んで、逆に「もう良いです、もう良いです! さすがにそこまではこちら側も多くを求めてませんからっ!」と言ってしまうほど、求めている以上のものがあると思います。本当に大満足していただける内容になっているので、ぜひそこでロスを解消していただけたらと。
[インタビュー&文・逆井マリ]
作品情報
あらすじ
美少女らしからぬ行動を繰り出す山田に、市川は目を離せずにいた。
そんな市川の恋心を知ってか知らずか、山田は天真爛漫に近づいて来る!!
全く違う世界にいたはずの2人。しかしその距離は、徐々に近づいていき……。
キャスト
(C)桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会