花澤香菜さんも力説! 小林千晃さんの花野井くんは「重い愛を重く感じさせない演技」!? 常にほたるちゃんファーストに徹した演技とは?『花野井くんと恋の病』インタビュー
ほたるちゃんとの距離感を大事に
──花野井くんはミステリアスな部分だったり、人から見たら愛が重いなど、いろんな面を持つキャラクターだと思います。その役を演じるにあたって、役作りで大切にしていることなどはありますか。
小林:役作りで言うなら、ほたるちゃんファーストに尽きます。やりすぎてもいいくらいには、ほたるちゃんとほたるちゃん以外の人と話している時のトーンとか感覚が違うというのは大事にしたかもしれません。
もちろん、いろんなテクニカルな部分はありますけど、それでも何においてもほたるちゃん命というか。どんよりしている時でも、ほたるちゃんから連絡がくればパッと明るくなるし。ほたるちゃんと喋っている時はお花が咲いているじゃないですけど(笑)。そのくらいほたるちゃんと、ほたるちゃんに対する愛情というのを大事にしました。
花野井くんはすごく優しいので、ぐいぐい行くわけじゃないんですよね。ほたるちゃんが嫌だと言ったことは絶対にしないですし、逆に全部提案するというか。「これやりたいんだけど、どう?」とか「ほたるちゃんは、どう思う?」とかをやってくれる彼なので、押し付けるのではなく、とにかくほたるちゃんにまずは聞いてみて、提案してみる、そのほたるちゃんファーストの精神。レディーファーストという言葉がありますけど、とにかくほたるちゃんファーストで考えてました。
──花野井くんの切り替えが難しそうです。そこも意識して?
小林:どうですかね……。演じていると自然とトーンが変わる気がします。この作品においては、物理的な距離感はあまり意識しない。ここにこれだけ距離感があって、この距離感はあまり意識しないというのはアフレコの時にディレクションで言われました。
距離があっても、そんなにかけないでいい。花野井くんからしたらほたるちゃん以外は興味ないから。かけちゃうと意識が向いているように見えちゃうから、それをしなくていいと。
──難しそうですね。
小林:それがすごく楽しいです。
──台本を拝見したのですが、ディレクションが細かく書かれていて。原作の方のディレクションも書かれていたのが印象的だったのですが、その中で特に印象的だった演出があればお聞かせください。
小林:この台詞が、というのはパッと思い出せないんですけど、さっきのほたるちゃん以外の時はシャットダウンしてと言われました。逆にほたるちゃんと一緒にいる時に、耳元で言っている時はめちゃくちゃウィスパーで言うとか、肩に寄りかかっている時は、そっと呟くように言うとか。
ほたるちゃんとの距離感というのは、すごく大切に、丁寧に録らせていただいた記憶があります。他のアニメ作品以上に、ウィスパーとか目の前で喋っているぐらいの感覚というのをすごく大事にやっていた気がします。それだとやりすぎとか、それだと近すぎとか、もっと近づいてとか。結構、その辺りの距離感はトライアンドエラーした記憶があります。
──原作者の森野 萌先生が、細かい設定まで考えられていたそうなのですが、原作者の先生から特別コメントやリクエストはありましたか?
小林:基本的に、音響監督がアフレコの時にはいらっしゃるので。僕らは音響監督からディレクションを言われているので、それが監督からなのか先生からなのか、それとも音響監督自身が気付いたことなのか、誰からのディレクションかは判断できないんです。でも、先生もアフレコ現場には何度かいらっしゃっていたので、見守りつつ気になったことは言ってくださったのかなと。
──直接お話などは機会がなく?
小林:挨拶はさせていただきました。アフレコ終わりにお会いすると、すごく僕も花澤さんも絶賛をしていただけるので(笑)。本当にありがたい限りでした。
ヘッドホンやイヤホンをつけて見るのもおすすめ
──花野井くんは重いと思われがちな男の子ですが、これまでに小林さんが、そのぐらい愛を注いでいたものなど何かありますか。
小林:半年ぐらい前に引越したんですけど、その時にペットを飼いたいなと思って。ずっと犬を飼いたかったので、犬を飼おうかなと思ったんですけど、これまでペットを飼ったことがなくて。
友達が引っ越し祝いにジャワのゴムの木を買ってくれたのでとりあえず育ててみようと、ペットを飼う前にそれを育てていたんですけど、そっちの方が可愛くなって。毎日様子を見て、陽当たりとか土を見て。育てやすい子なのですくすくと巨大化しています。
最初は犬を飼おうと思っていましたけど、散歩するとか大変さもあって諦めた部分も大きいです。今はこれで十分というか、あまり手はかからないけど植物のお世話も毎日の習慣になっていて。これまでペットを自分でちゃんと飼ったことがなかったので、植物すらも育てたことがなかったんですけど、育てるという感覚を初めてこの一年で味わえました。
そういう意味では、今愛情を注いでいるのはゴムの木かもしれないです(笑)。
──名前はあったりするんですか?
小林:ないですね。ジャワって呼んでますね(笑)。
──(笑)。話しを作品に戻しますが、小林さんがオンエアを楽しみにしているシーンなどありますか?
小林:楽しみなシーンはいっぱいありますけど、ほたるちゃんは食べ物にすごく食いつきがある女の子なので、その時に花澤さんが「もっとやってください」とか言われていたりして、いろんなトライをしていました。どれが本編に使われるんだろうと楽しみにしています。画と花澤さんの声が組み合わさると、アニメのほたるちゃんはどういう感じに食への探求を出してくれるんだろうと(笑)。
花野井くんとの掛け合いでもキュンキュンするシーンはたくさんあるので、そういうシーンも楽しみです。
──アニメならではの魅力や読者の方へのメッセージをお願いします。
小林:この作品は、学校やバイト先とか、そういったところが舞台になるわけですが、アニメになることによって、わいわいガヤガヤ感とか学生特有のキラキラ感やフレッシュ感が、すごくアニメーションの動きとマッチする作品だなと改めて思っています。
表紙の桜やお花もそうですけど、どれひとつを取ってもアニメーションで動きがあるし、それだけで入学シーズンとかを彷彿とさせられます。
キャラクター同士の距離感においても、漫画でもしっかりと描かれていますが、それを物理的に僕らが声で表現することによって、こんなに近い距離で喋っていたんだと気づくこともあると思います。動きの部分ももちろんですが、距離感というところにも注目していただきたいです。できればヘッドホンとかイヤホンで見た方が、他のアニメーション作品以上に、より感じ取りやすいかなと思います。
──ちなみに、小林さん自身は高校一年生の時どんな学生でしたか?
小林:あんまり変わってないかもしれないですね。まだお芝居をやる前だったので、バンドとかをやっていました。
──何を担当されていたんですか?
小林:一応ギターとボーカルをやっていたんですけど。
──おぉ! 青春ですね。
小林:それも一年に一回だけ、学園祭限定だったので全然弾けません。あとバイトもしていましたし、恋愛というよりはバンドやバイトとか同性とわいわいする学生生活をすごくエンジョイしていたかなと思います。
──第二の青春をこれで楽しめるみたいな(笑)。
小林:ほんとそうですね。制服デートとかしたことないんですよ。
──では、憧れが詰まっている。
小林:たしかに! そう言われるとそうかもしれないです。
作品概要
あらすじ
彼女は、ある日、隣のクラスのイケメン・花野井くんがフラれる現場を見てしまう。公園でひとりポツンとた たずんでいた花野井くんを見て、何気なく傘を差しだしたほたる。
その小さな出来事がきっかけで、後日「僕と付き合ってください」と花野井くんから公開告白されてしまった。
“好き”って何? “恋する”ってどういうこと?突然の告白に戸惑うほたると、“好きな子”のためなら、何でもしたい。注ぐ愛情が無限大な花野井くん。
恋がわからない女子×愛が重すぎる男子の初恋ラブストーリー。
キャスト
(C)森野萌・講談社/「花野井くんと恋の病」製作委員会