春アニメ『龍族 -The Blazing Dawn-』：山下大輝さん×本渡楓さん×村瀬歩さん声優座談会｜0話は主人公の成長に欠かせない要素であり、壮大な物語の第1歩

3人のスクールライフの想い出は声優を目指して頑張っていた時

――ルー・ミンフェイはカッセル学院への入学の誘いが届きますが、皆さんのスクールライフの想い出を聞かせてください。

村瀬：僕は大阪の養成所で週に1回、3時間のレッスンを受けていました。クラスで舞台の発表があって、その練習のために学校から15分くらいの公民館に行ったり、空いていない時は公園やカラオケBOXで、みんなで練習したのが楽しかったです。

まず発声練習からで、（響くような大きな声で）「アメンボ赤いなあいうえお！」とか、めちゃくちゃ大きな声で。1人では絶対できないけど、7～8人くらいでいると急に気が大きくなっちゃって、周りの人の目も気にせずに。今思うと恥ずかしいことをやっていました。

山下：同じ夢を持つ仲間やライバルたちと。

村瀬：練習が終わった後は、みんなでマックに行って。半額のクーポンでナゲットを食べながら。そのナゲットを3回くらい買いに行って、4～5時間いるみたいな。

　
山下：僕は上京してから2年間、音楽の専門学校に通っていたのですが、変わった人が多くて。学ランしか着ない人とか、こだわりが強い人が集まる学校で。義務教育では出しきれなかった、自分のこだわりや好きなものを、負けずに持ち続けて、あふれんばかりの愛をさらけ出していた人たちばかりだったので、みんな、輝いていました。

各々の「好き」を掲げているから居心地が良かったし、僕にとってみんなは特別な存在のように輝いて見えました。僕も「自分の好きを恥ずかしがらずにどんどん出していいんだ」と思えるようになったし、メンタル的にも鍛えられたし、その時に思った「好き」というもののシフトをお芝居に変えられたので、すごく意味がある、素敵な2年間でした。

本渡：高校生の時、初めてお芝居に触れるまでは「何が楽しいのか？」を探し求めていました。高校で初めて演劇部に入部したら「楽しい！　これ！これ！」とやっと見つかって。演劇の本番よりも読み合わせのほうがすごく楽しくて、「これが声優か!?」と。そして友達に誘われて、声優の養成所に入って、学校では演劇部、土日に養成所に通って。お芝居のことだけしか思い出せないくらい楽しくて、自分の好きなことでいっぱいいっぱいでした。勉強のほうはちょっと……という感じでした（笑）。

山下：フットワーク軽めにポンポン行けるんだね。すごいね。

本渡：養成所に通うためにバイトも始めて。

山下：行動力がすごい。

本渡：好きなことにすぐ飛びついていましたね。

――青春ですね。

山下：本当ですね。あの頃は無限の体力を持っていました（笑）。

0話はミンフェイの成長に欠かせない要素であり、壮大な物語の第1歩なのでぜひ見てください

――本作の見どころと注目ポイントのご紹介をお願いします。

村瀬：ミンゼイは意味深なタイミングで出てきて、意味ありげなことを告げていきますが、まだ彼の能力や目的などが見えないミステリアスなところがうまくボヤかされていて。それらが今後どうつながっていくのか、楽しみにしていただきたいです。ミンフェイとの関係も気になります。僕としては「何が言いたいの？　早く言ってよ」という感じで（笑）。

　
山下：視聴者の方もミンゼイの手のひらでコロコロされているように感じるだろうね。

村瀬：久しぶりに出てきたと思ったら笑うだけだったり。物語のキーになるキャラクターの1人ですし、彼の秘密がどう明かされていくのか、お楽しみに。

山下：ミンフェイは唐突に現れるミンゼイやノノ先輩など、次々に訪れる出来事に戸惑い、振り回されている感じですが……。

本渡：ノノに関しては演じている私も未知の部分が多いので（笑）。

山下：だからこそ視聴者の方にもミンフェイと同じ気持ちで楽しんでいただけたらと思います。また純粋に映像作品としてもクオリティの高いものになっているので、OPからEDまで見応えがあります。背景や日常のシーンなどに流れている中国の文化もきっと新鮮に感じられるのではないでしょうか。

――何気ない発言や出来事が後々の出来事に繋がることも多いですよね。

山下：伏線だらけで、気にし始めたら止まらないかも。それぞれのキャラクターも抱えているものがあったり、それらが複雑に絡み合ったりするので、誰目線で見ても楽しんでいただけると思います。一見明るく見えるフィンゲルでさえも実は……とか。

村瀬：一瞬、見せる表情が意味深だったりして。

山下：カッセル学院とは何？　どんな目的で作られたのか？　龍って一体、何なのか？

　
山下：謎が多いので、一つひとつの謎が解き明かされるごとに気持ちよさがあると思います。ただストーリーのスケールが大き過ぎて、今回放送される0話から16話まででは、もしかすると伏線がすべて回収されないかもしれません。

本渡：私は子供の頃から龍や魔法が好きで、いろいろな作品を通して夢を見させていただいていたので、この作品に関わらせていただいた時、同じようなワクワクを感じました。吹替なので、映像も完成していて、音楽ものった状態のものをリハーサルビデオとしていただいて、臨場感や絵力がすごくて、見るだけでとても楽しかったです。

演じるノノの気持ちにもなれるし、ミンフェイの気持ちにもなれて。私が楽しめるということは、何も知らない状態からご覧になっていただく視聴者の皆さんも見るたびに楽しくてしょうがないのではないかなと思って、ちょっとうらやましいです（笑）。たくさんの方に届いたらいいなと思っています。最初は見てわからないことが多いと思いますが、見ていくごとにわかっていきますので、毎回欠かさずに見てください。

作品概要

あらすじ

普通の高校生として孤独ながらも平凡な日々を過ごしていたルー・ミンフェイ。

ある日、突然届いたカッセル学院からの入学招待状が彼の人生を大きく変えることになる。

癖の強すぎる教師陣や個性豊かな同級生らが集結する奇妙なこの学院では、世界中から龍の血を宿した人間を集めており、その目的は人類の敵である“龍”を殺すことだった。

表の世界に隠されてきたもう一つの歴史、“龍族との戦い”を目の当たりにしたルー・ミンフェイは、千年の眠りについていた龍王たちを討伐する戦いに身を投じていく。