この記事をかいた人
- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
現在放送中のテレビアニメ『怪獣8号』(原作・松本直也先生)。怪獣災害が頻発する日本を守る「日本防衛隊」の奮闘が描かれた作品です。
本作の主人公は、防衛隊になる夢を諦めた32歳・日比野カフカ。彼が再び夢を追う姿や彼を取り巻く防衛隊の仲間たちの関係性、怪獣とのバトルシーンが魅力で、アニメの放送を楽しみにしている方も多いかと思います。
そんな本作に、『怪獣8号 side B』というスピンオフ作品があるのをご存知でしょうか。本稿では『怪獣8号 side B』の概要に加え、あらすじ・見どころをご紹介! アニメが絶賛放送中の今こそ、ぜひ触れていただきたい物語です。
本作は『怪獣8号 密着!第3部隊』という小説を原作としたコミカライズ作品です。カフカたちが所属する第3部隊のいる立川基地に公共放送のテレビ取材が入り、第3部隊の新人隊員たちを密着取材するという形で物語が描かれています。
小説は全4編で構成されており、そのコミカライズがマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中です。現在公開されているのは、作中屈指の人気キャラクターである保科宗四郎編と四ノ宮キコル編。こちらの2本のあらすじと見どころをご紹介していきます。
第3部隊副隊長の保科宗四郎は、刀のスペシャリストであり、小・中型怪獣の討伐や近接戦闘においては隊長・亜白ミナを凌ぐ実力の持ち主です。面倒見もよく、カフカたち新人隊員の教育係的な役割も担っており、厳しくも優しい指導で部下たちからも慕われる上官です。
本作では、そんな保科が第3部隊に入隊するまでのいきさつが描かれています。
取材班に新人隊員たちについてインタビューを受けた保科。「今年の新人は優秀」だと話す保科に対し、他の隊員よりも能力の低いように思えるカフカの採用に疑問を持つインタビュアー。
採用の意図を尋ねられた保科は「お笑い枠」と言い、さらに「無鉄砲でアホ」「体力はないのに気合いだけは一人前」「現場を無駄に駆け回る始末」と酷評。しかし、最後には「そんなアホが嫌いじゃない」と付け加えます。
なんでも昔同じようなアホを見たことがあるのだとか──なんとそれは、保科宗四郎本人のことだったのです。優秀な新人たちに稽古をつけながら、保科は過去の自分を思い返します。
それはまだ保科が関西の防衛隊に所属していた頃のこと。そのとき既に怪獣討伐の主流は銃器であり、刀での討伐は時代遅れだと言われていました。そのため、保科がいくら剣技を磨いても、周囲は現場から退いて指南役になることばかりを勧めてきます。
ある日、所用で立川基地を訪れていた保科は、隊長・亜白に急遽呼ばれ、第3部隊にスカウトされます。得意な銃器の扱いに対し、刃物が大の苦手な亜白は、保科の力が必要だと言うのです。
誰からも言われたことのない言葉に虚を突かれた保科が戸惑っているところに、怪獣災害が発生。スカウトの返答をしないまま、保科も共に討伐に出ることになるのでした。果たして保科は戦場で存在証明できるのでしょうか……。
初めて自分を認めてくれた亜白に忠義を尽くす姿や、周囲の反対にめげず自分の剣技を磨き続ける姿が人気の保科。そんな保科の過去や彼が刀に懸けた想いも鮮明に描かれています。
今では見事な連携で討伐する亜白との初めての対面や連携プレーも注目したいポイント。個人的には、現在は長い髪をポニーテールにしているミナのボブカット姿もぜひ見ていただきたいです。
カフカの同期・四ノ宮キコルは、海外の防衛大学を飛び級で主席卒業したエリート。史上最高の逸材と謳われる少女で、入隊成績ももちろんトップ。防衛隊長官の父・四ノ宮功から厳しく育てられ、その期待に応えるために彼女自身が最大限の努力を続けてきました。
新人ながら第3部隊において隊長・副隊長に次ぐ実力を誇るキコルは、特別に斧型の専用武器を与えられています。本作で明かされているのは専用武器を手にするまでのストーリーです。
この武器は私の弱さを砕くー!!
— 中路(ジャンプ+・ゼブラック) (@nakaji2017) April 18, 2024
“失敗作”の武器を手にキコル躍動す
「怪獣8号 side B」第8話本日更新! #ジャンププラス #怪獣8号#怪獣8号sideBhttps://t.co/HxZHOvnK6a pic.twitter.com/QFncqVpKTW
入隊から2ヶ月が経過し、無事に初任務も終え、同期たちと訓練の日々を送るキコルは、亜白と保科のいるオペレーションルームに呼び出されます。不思議に思いながら尋ねたキコルに伝えられたのは専用武器支給の話でした。
専用武器は隊長格から支給されるのが通例。しかし、現状とキコルの実力を鑑みて支給されることとなったのです。用意された専用武器は大きな“刀剣”。まだ試作品ということで、さっそく訓練場で試すことになります。
討伐対象は蟹の姿をした本獣1体と余獣3体。硬い甲羅に覆われており、一般隊員の使う炸裂弾は全て跳ね返されてしまいます。しかし、専用武器を使うキコルは余獣をあっという間に撃破。
本獣も難なく討伐……かと思いきや、余獣とは比にならないほどの硬度で、専用武器を用いても傷ひとつ付けることができません。何度も攻撃を試みるキコルですが、ついに専用武器を奪い取られてしまい、丸腰に。
そんな時、戦闘の衝撃で倒れた武器輸送車からもうひとつの試作品が姿を見せます。それは、とんでもない重量の大斧でした。規格外で保留扱いとされた大斧を手に、キコルは再び本獣に立ち向かいます。とはいえ、相当な重さの斧……キコルは使いこなすことができるのでしょうか……。
本編では初めから斧型だった専用武器。しかし、最初に提示された専用武器はなんと刀剣型だったというのが驚き。大斧を豪快に振り回して怪獣を撃破するキコルはなんとも格好良いのですが、刀剣を手に戦場を駆ける彼女もスマートで惚れ惚れしてしまいます。
専用武器の特性やギミックなどについても解説されているため、武器に注目したい方にもおすすめです。
さらに、なぜだかカフカを意識してしまう、キコルの乙女な部分も垣間見えます。キコルに焦点が当たるからこそ、本編ではなかなか見せない可愛らしい表情が飛び出すシーンにもぜひ注目していただきたいと思います。
本編では描かれなかったエピソードが語られる『怪獣8号 side B』。さらにキャラクターや作品の理解が深まるスピンオフ作品です。「ジャンプ+」で初回に限り全話無料で読むことができるので、大型連休中に、アニメ『怪獣8号』の放送中に、ぜひ読んでみてくださいね。
少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌
ジャンプ+にて、1月5日より
— 肥田野健太郎 (@kenhi7000) December 17, 2023
『怪獣8号』のスピンオフ漫画
『怪獣8号sideB』を描かせていただきます!!
原作は松本直也先生と安藤敬而先生です!
短期連載です!よろしくお願いします!! pic.twitter.com/bkXCW6o7uG
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。