『響け!ユーフォニアム3』北宇治吹部ってリアルなの? 吹奏楽部を経験した編集部員が実際の様子をまるっと解説します!
楽器が決まったらいの一番にやること→ニックネームを考える!
オーディションやら何やらを乗り越えて、自分の担当楽器が決定しました。その日、全国の吹奏楽部員が決まって取り掛かることが、実はひとつだけあります。
これから3年間使い続ける自分の楽器に、ニックネームを付けること!
作中においても、チューバを担当することになった葉月は、自身が使う学校の借用楽器に「チュパカブラ」と名付け、コントラバス担当の川島緑輝は「ジョージくん」と命名します。
実際に私のひとつ上の先輩はテナーサックスに「トシャ夫」といういまいちルーツのわからないニックネームをつけていましたし、後輩はシルバーのトランペットに「ゴールド」という縁起が良さそうな名前を与えていました。先輩による同調圧力ではなく、勝手に考え始めるのだから、不思議なものです。
私もご多分に漏れず、自分のサックスに「クロ」と名付けていました(製造番号の上3桁が”96”だったため……)。ボディは金色だったので、今考えればちょっとだけチグハグです。
公言していないだけで、心のなかでニックネームを付けていた部員もいたのでしょうね。
ちなみに本作を手掛けている京都アニメーションの大人気バンドアニメ『けいおん!』でも、主人公たちが楽器にニックネームをつけますが、これは京アニの共通点ではなく音楽経験者としての共通点だと考えて良さそうです。
いよいよ練習開始! 強制イベント「パート決めオーディション」
楽器とニックネームが決まれば今度こそ練習開始! 大切な高校生活の夏を最高なものとするために、全員が熱量を持って取り組みます。
しかし、ここでひとつ問題が。前述の通り、コンクールには出場できる最大人数が定められています。必ずしも全員が出場できるわけではありません。
そこで、オーディションが始まります。学年やパートをすべて跨いで、単なる実力を見られる魔の空間。どのような結果であっても誰かが涙を飲まなければならない、一年間で最も部内がピリつく瞬間です。
\ 放送まであと2⃣7⃣日🎷 /
— アニメ「響け!ユーフォニアム」公式 (@anime_eupho) March 11, 2024
第1期おさらい🧐
🎼第九回 おねがいオーディション
コンクールメンバーを決めるオーディションの日を迎えた。3年生も1年生も関係なく審査される場で、部員たちは自分の力を発揮しなければならない。そして、コンクールに出場できるメンバーが発表される。#ユーフォ3期 pic.twitter.com/uJ51C7lUhS
コンクールに出場しないと決め、オーディション不参加の選択をした部員であっても、部内の雰囲気が通常のそれとは異なります。ときには後輩がメンバーに選ばれ、先輩が外れることも。物々しい雰囲気を回避することができない、強制イベントがパート決めオーディションなのです。
本作の第1期でも、この様子がまざまざと描かれています。ユーフォニアムパートでは、2年生の中川夏紀ではなく、1年生の久美子がメンバー入りを果たしており、久美子は気まずさと少しの責任を感じていました。
さらに、曲の中で大きな見せ場となる「ソロ」を担当する部員も、大まかにこのタイミングで決定します。1年生・高坂麗奈と3年生・中世古香織のいざこざも、ここに起因したわけです。
【日めくりユーフォニアム🎺No.15】
— アニメ「響け!ユーフォニアム」公式 (@anime_eupho) March 15, 2019
「三年間やってきたんだもん。最後は吹きたい。自分の吹きたい所を。思い切り」(中世古香織)
響け!ユーフォニアム 第九回「おねがいオーディション」よりhttps://t.co/I7lxc7fTx7 #anime_eupho pic.twitter.com/2N8239CWMY
アニメ第3期では、総部員数が90名を超えた北宇治高校。今後描かれるオーディションでも、一波乱起こってもおかしくはありません。座して待ちましょう。
とは言っても、パート決めオーディションは部員間の軋轢を生み出すだけのイベントではありません。メンバーになるという目標に向かって頑張るその姿勢は、決して無駄にはなりません。落選した1、2年生は悔しさをバネに、メンバーとなった部員は自らが果たすべき責任を背負って、来年につなげる大事な転換点でもあるのです。
練習練習、また練習……熱い夏がやってくる
47都道府県の高校吹奏楽部のうち、高校Aの部全国大会に出場できるのはたった30校。都道府県の代表、支部の代表へとコマを進めるために必要となってくるのが練習です。
作中でも様々な練習風景が描かれていますが、一度、練習方法の規模と目的について振り返ってみましょう。
個人練習:ひとりで行う練習。譜読みやリズム確認、苦手な箇所の洗い直しが主な目的。
パート練習:トランペットやチューバといった、同じパートで集まり行う練習。同じ音やリズムで動くことが多いため、譜読みの最終確認作業としても行われる。
分奏:楽譜上において同じ役割、仕事を担うパートが集まって行う小規模な合奏。ハーモニーの確認や音色の統一が目的。
合奏:メンバー全員で行う練習。個人、パート、分奏で培ってきた成果を出す場所。最終的なバランスの調整の場であるとともに、曲の仕上げを行う。合奏中にひとりで演奏させられる”分解練習”が発生すると、練習場は地獄と化す。
※北宇治高校吹奏楽部ではユーフォ、チューバ、コントラバスなどが集まり「低音パート」として活動している模様。このあたりは学校によってカテゴライズが異なります。
Aの部で演奏する曲数は2曲。吹奏楽連盟によって定められた課題曲と、自分たちで決めた自由曲を、12分間で演奏しきらなければなりません。吹奏楽部はそのひと夏をかけて、この2曲に全力を注ぐのです。
\ 放送まであと2⃣3⃣日🎷 /
— アニメ「響け!ユーフォニアム」公式 (@anime_eupho) March 15, 2024
TVアニメ第2期をおさらい🧐
🎼第一回 まなつのファンファーレ
京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部は、強豪ひしめく関西大会に向けて練習を開始する。臨時講師も迎えて、レベルアップに勤しむ久美子たち。そこへ昨年退部した希美がやって来て……!?#ユーフォ3期 pic.twitter.com/DCikctEVZq