たくさんの応援、本当にありがとうございました！ ヒーローたちからのありったけのありがとうが無限にひろがった2日間、メインキャスト＆プリキュアシンガーが出演した『ひろがるスカイ！プリキュア 感謝祭』最終公演レポート

『わんだふるぷりきゅあ！』へのバトンタッチ

感動的な余韻が広がる中で「皆さん、新しいプリキュアのおともだちを紹介します！」という関根さんの掛け声で、わんだふるぷりきゅあ！とともに新オープニング主題歌を担う吉武さんが登場。映像と一緒にオープニング主題歌「わんだふるぷりきゅあ！evolution!! 」を届けます。さらに、石井さんと後本萌葉さんのタッグによるエンディング主題歌「FUN☆FUN☆わんだふるDAYS！」も披露。ハイタッチの音色が響きます。ちなみに、配信映像には、クラップを誘う「手」が組み込まれていました（そのほかもさまざなフレームや映像が、配信映像には散りばめられていました）。

これまでのプリキュアソングの魅力を継承しつつも、フレッシュでダンサブル、かつ、チャーミングさが弾ける2曲に、会場全体が一体感に包まれました。プリキュアシンガー3人の新衣装にも注目です。

「これから私たちのことを、応援してくれたら、とってもうれしいな！　よろしくね！」というキュアワンダフルとキュアフレンディのメッセージに続いて、石井さんも「みんなの声がパワーになっています。本当にありがとう。これから『わんぷり』も宜しくお願いします！」と伝えました。

ここで再びステージ転換し、『ひろプリ』の世界へと戻ります。ステージには、マイクが5本並べられていました。

完全書き下ろしのオリジナル朗読劇

完全書き下ろしのオリジナル朗読劇がはじまります。描かれていたのは、ヒーローショーのその後。ある日曜日の昼下がり、ましろ以外のソラたち4人はトランプをして遊んでいました。一方で、朝からずっと自室に閉じこもっているましろ。みんなの元に登場すると、ましろはみんなに内緒で、絵本の最後の仕上げをしていたと明かしました。タイトルはズバリ「『ひろがるスカイ！プリキュア ～NEXTフライト～』」。プリンセス・エルがクイーンになる10年後が舞台だと言います。しかし、エルはクイーンになるにあたってナーバスになっている様子。そして、ツバサと愛の逃避行を……!?　というまさかの展開にツバサが「ええええ!?」と驚きの声を上げます。「ダメです、ダメ！。こんな続編、ぼくは認めませんよ！」。

ましろは落ち込みながらも、あげは、ソラ、ツバサと順に挙がっていった奇想天外なアイデアを元に物語を書き直すことに。しかしやはり恋愛ドラマから離れられず、だんだんと物語はおかしな方向に進展（？）していきます。

まずはあげは案。やはりクイーン・エルとツバサは愛の逃避行をすることに。かくまってほしいとふたりはあげはの元に向かいましたが、あげはの正体は真実の愛を奪いに来た怪盗クロアゲハ。愛が本物だと分かるまで、怪盗クロアゲハがツバサを預かるという。しかも、ふたりのエナジーを吸い取って、怪盗クロアゲハは巨大な蛾へと成長。魔王サゲサゲとなります（ここまでがあげは案で、そのあとは思いつかず、ソラにバトンタッチ）。

そこにひとりの戦士が現れます。「10年間の修行の成果を見せる時がきたようですね！」とキュアスカイかと思いきや、髪の毛が青ではなく黄色……「キュアスカイを超えたキュアスカイの姿、スーパーキュアスカイです！」とどこかで聞いたことのあるセリフを名乗ると「タイムタイム！　大人の人に怒られる！」と、慌ててストップを掛けたましろ。「パワーアップの方向性を変えましょう！」とツバサが提案します。

魔王サゲサゲとの戦いが始まりました。実は巨大な敵に対抗する準備を密かに進めていたというツバサ。ツバサが開発したというスーパースカイミラージュをキュアスカイに渡し「超召喚！」と叫ぶと、世界の守護神・ビックスカイロボが爆誕。魔王サゲサゲに立ち向かいます（ここまでがツバサ案）。

その戦いの場に、キュアプリズムの妖精マシロンが登場。そしてマシロンが光り輝き始め、空には巨大なトンネルが開き、まっしろなお城が現れます。これは伝説のビックプリズムキャッスルだそうで、力を合わせて「スーパーアップドラフト・シャイニング」で魔王サゲサゲこと怪盗クロアゲハを浄化しました。

クイーン・エル「5人の前には、これからもたくさんの試練が立ちはだかることでしょう。でもみんなは前に進んでいくはず。だって5人は、ひろがるスカイ！プリキュアなのですから──」（ここまでがましろ/エル案）

物語のつばさはどんどんとひろがっていき、無事にNEXTフライトの旅路は完了（？）。みんなで笑いつつ、ご飯の材料を買いに行くことになり、それぞれ準備をはじめました。今後の物語の方向性に困り気味のましろに声をかけたのはソラ。ヒーローたちの日曜日を描くストーリーを提案しました。素朴な日常を描いた続編を読んでみたいと伝えると「わたしもそう思う！　書いてみる！」と声を弾ませました。

「行こう、ソラちゃん」
「はい。ましろさん！」

そうして別の場所へとうきうきしながら進んでいった5人。ティザービジュアルの再現をしながらバックヤードに戻っていく様子も心に残りました。

　
そんな日常のホッとするひとときを結んだのは、後期エンディング主題歌「Dear Shine Sky」。ステージに登場した吉武さんはソラたちと共にキラキラとした歌声を披露。視線と視線を結びながら〈We're Precure 〉という特別なメッセージを届けました。

さらに「FLY TOGETHER!!!!!」をプリキュア5人で届けます。愛し愛されたヒーローたちが、未来のヒーローたちに贈る歌。〈Power for you, Power for love, Power for dream, プ・リ・キュ・ア！ 〉という冒頭と最後の言葉が心にもリフレインしました。

実行委員会からのサプライズ（策略？）にキャスト陣大号泣

歌い終え「さて、楽しかった感謝祭もそろそろお別れの──」と切り出したその時です。「ターーーイム！」と割り込んだ石井さんと吉武さん。

「1年間ヒーローとして平和を守り抜き、プリキュアシリーズ20周年記念作品として歴史を背負ってたくさんのヒーロー活動をしてきた声優の皆さんお一人お一人に、ある方からメッセージが届いています」

「まずは関根さん！」。関根さんには『デリシャスパーティ♡プリキュア』キュアプレシャス／和実ゆい役・菱川花菜さんからメッセージが届いていると言います。

届いたお手紙は石井さん、吉武さんが順に代読していきました。

プリキュアを通じて深い関係性で結ばれている菱川さんと関根さん。昨年度の『デリシャスパーティ♡プリキュア感謝祭』後、関根さんから菱川さんに連絡をした、とインタビューでうかがったことがあります。今度はその菱川さんからのメッセージ。菱川さんは声優キャスト陣の1年間の活動を労いつつ「関根さんの演じるキュアスカイが大好きです。」と綴られており、右手を胸に当てながら聞く関根さんでしたが、瞳から大粒の涙がこぼれました。

続く「加隈さんにはキュアグレース役の……」と聞いた瞬間に両手で顔を押さえます。『ヒーリングっど♥プリキュア』キュアグレース／花寺のどか役の悠木 碧さんからのメッセージです。周知ではありますが、加隈さんは『ヒーリングっど♥プリキュア』で、キュアグレース／花寺のどかの相棒のラビリンを演じていました。

「加隈さんがキュアプリズム役になったと聞いた時は、ラビリンがいなくなっちゃったらどうしよう…と実は少し寂しかったのですが、超杞憂でした！（中略）放送が終わっても出会えた奇跡は宝物。これからも、ラビリンとしても、プリズムとしても、加隈さんとしても、大好きなお友達でいて下さい！」

　
やさしい心がふわあ〜っとひろがる中、村瀬さんの番に。「村瀬さんにはキュアフローラ役の……」と伝えると「ムリムリ！」とくるっと背中を見せしゃがみ込みます。『Go！プリンセスプリキュア』キュアフローラ／春野はるか役・嶋村 侑さんからは、「映画の共演で、貴方に『プリンセス』と呼んでもらえた時、はるかも私も本当に幸せ満開だったよ。夢を繋げて大きく広げていくキュアウィングの聡明さが、大好きです。これからもヨロシクね♡お覚悟はよろしくて？」とメッセージ。

思わず顔を覆う村瀬さん。村瀬さんは王子役としてゲスト出演したことがある『Go！プリンセスプリキュア』のキュアフローラが大の推しであることは公言していました。そこには村瀬さんならではの、特別な想いがあるようで、その真意については、後ほど明らかになります。

七瀬さんには、実は養成所時代からの同期である『HUGっと！プリキュア』よりキュアエール／野乃はな役・引坂理絵さんより「おめでとう」と「お疲れ様」の言葉が送られました。

「プリキュアの1年は大変なことも嬉しいこともたくさんあったと思います。作品に一区切りつく時、寂しい気持ちもあるかと思いますが、『プリキュア』としていられる時間は永遠なので、それを胸に次の七瀬ちゃんの活躍を応援しています。フレッ！フレッ！七瀬ちゃん！」

七瀬さんは「ありがとう」とつぶやきながら号泣。

そして古賀さんには、『スター☆トゥインクルプリキュア』キュアミルキー ／ 羽衣ララ役の小原好美さんよりメッセージ。大の仲良しであるふたり。古賀さんは小原さんがきっかけで初めての感謝祭である『スター☆トゥインクルプリキュア 感謝祭』にも足を運んでいました。

「私がキュアミルキーになった時、自分のことの様に喜んでくれたね。私も貴女がプリキュアになれることをずっと夢見ていました。そしてその夢が叶った時、嬉し涙の姿を見た瞬間は私の夢が叶った瞬間でもありました。夢が叶うって幸せだね。感謝祭が終わっても私達はずっとプリキュアだルン！」

他の声優キャスト陣の手紙にも大粒の涙をこぼしていたり、こらえるような表情をしていたりと、改めてプリキュアチームの絆を感じる瞬間でもありました。そして、その姿を見て、代読していた石井さん、見守る吉武さんもグッときていたところに……なんとふたりにもサプライズ！

突如ステージに現れた後本さんが、プリキュアシンガーのMachicoさんからのメッセージを代読します。

『ひろプリ』で歌手デビューした石井さんにとって、以前から憧れであったMachicoさん。お互いの曲にコーラスで参加し、『映画プリキュアオールスターズF』OPテーマソング「For “F”」では念願のデュエットと、石井さんにとって大きな存在です。石井さんには「あみちゃんの可能性はこの空のように無限大！　これからも無邪気にわんだふるな笑顔を届けてね！」とポジティブなメッセージを送ります。そして、妹的な存在である吉武さんに対しては「これからはシンガーとして引っ張っていく側だけど、気張りすぎず吉武ちゃんらしくね。そのままで大丈夫！2人もキラキラのヒーローです！！」と、姉として、友人として、そしてプリキュアシンガーの仲間としてエールを贈りました。

「皆さんへのサプライズ大成功ーー！　ということでみんなー！」という後本さんの掛け声で、プリキュアがステージに！　感謝祭限定の球体ペンライトを再現したかのような、それぞれのイメージカラーのお花を閉じ込めたモニュメントがプリキュアから贈呈されます。石井さんにはバッタモンダーが、吉武さんにはカバトンがそれぞれ手渡ししました。