『僕の妻は感情がない』小杉タクマ役・豊永利行さん×ミーナ役・稲垣好さんインタビュー|「社畜サラリーマン」と「家事ロボット」の夫婦生活を通して、明るく楽しく価値観を"アップデート"してくれる作品
おふたりが無くしたくない感情とは?
ーー本作のテーマや、物語を通しておふたりが受け取ったメッセージがあれば、お聞きしたいです。
豊永:「人間ってなんだろう?」って逆に思うというか。漠然とはしているんですが、哲学的なことを受け取った気がしています。例えば、動物とか人間以外の命があるものに対する接し方や考え方について、考えさせられることって意外にあると思うんです。
でも、ロボットみたいに人が作り出したものに対する気持ち、考え方ってどこか蔑ろにしていたかもなと。意識していなかったけど、ぞんざいに扱っていたこともあるかもしれないなと思います。人間や、人間が生み出したものに対する価値観がちょっと変わったかもしれませんね。
最初は本作の設定に驚く方もいるかと思うんですが、自分が子どもの頃から好きだった人形やプラモデルへの愛着に近いと思うと、より親近感が増すかと。価値観の間口を広げてくれるような作品だと思います。
稲垣:実際に、ロボットが普及したり技術が発達すると「こういう世界になるんじゃないかな?」と思うくらいリアリティがある物語だと思います。そういうロボットと人間が共に生きる世界が来た時に、自分がどう向き合っていくのかを考えるきっかけにもなりますよね。
それは、ロボットに対する向き合い方だけではなく、人間に対する接し方や考え方にも繋がっていて。それは自分と向き合うことでもありますし、いろんなことを考えるきっかけになる作品だと思っています。
ーーロボットとのコミュニケーションを通して逆に人間同士のことを考えたり、自分の価値観と向き合ったりするきっかけになりますよね。ミーナのような家事ロボットが実現される可能性もあると思いますが、おふたりは欲しいですか?
豊永:ミーナちゃんが家に来たら、僕は絶対にだらけると思う!(笑)
稲垣:家事は任せっきりかな〜。
ーー家事ロボットですもんね。
稲垣:私はお風呂に入れて欲しいです。
豊永:えっ!?
稲垣:「早くお風呂に入りなさい!」って促して欲しいんですよ(笑)。たまにあるじゃないですか、疲れていて、お風呂に入るの面倒臭い……とか。
豊永:それは大変だ(笑)。面倒くさいのはわかるけどね。
稲垣:それで結局ダラダラしてしまって眠るのが遅くなったりもするので、「お風呂に入って!」って背中を押して欲しいんです!
ーーお風呂背中押しロボですね。
稲垣:それだけをミーナちゃんにやってもらって、あとは仲の良い友達として過ごしてほしいですね。
豊永:家族になるのも良いね。でも冷蔵庫の物を把握して、いろんなレシピで料理を作ってくれるなんて便利すぎて、何もしなくなっちゃうと思う。
ーー本作のタイトルは『僕の妻は感情がない』になっていますが、おふたりがなくしたくない感情をひとつ選ぶとしたらどれだと思いますか?
稲垣:えー! 全部なくしたくないですけど、強いて言うなら“可愛い”ですかね。
そこから愛情に繋がっていくと思うので、大切にしたい気持ちです!
豊永:僕は、怒りですね。
ーー怒りですか。
豊永:誰かに対してというよりは、自分に対する怒りです。自分を高めるために必要なのは、自分に対して厳しい視点を持つことだと思います。自分に対して、もっと良いものを求めたり、自分の怠惰な気持ちと戦ったりするための原動力として怒りという感情を持っていたいと思うので。
ーーおふたりの大切にしていることや、感情がわかった気がします。最後に、本作の放送を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。
豊永:いよいよアニメ『僕の妻は感情がない』のオンエアがスタートいたします。タクマとミーナちゃんの夫婦生活から物語は始まりますが、このふたりには夫婦になる前の恋愛期間やエピソードがありません。一体どんな夫婦になっていくのか楽しみに見ていただけたらと思います。
また、本作はオタク文化の味方といいますか、自分の好きなものに自信を持って良いんだなと思える作品です。いろんなものに対する価値観を考えさせてくれる作品なんですが、重い内容ではありません! 非常にライトに楽しく観れる作品なので、ふとそういうことを考える瞬間もありつつ、
とにかくミーナちゃんが可愛いです(笑)。他にも沢山の魅力的なキャラクターが登場しますので、楽しく視聴していただきたいと思います。
稲垣:もうシンプルに面白いです! これは見ていただかないと実感できない面白さなのですが、ロボットと人間だからこその温度差や会話のズレに笑ってしまったり。逆に、このふたりがどうやって絆を深めていくのか、夫婦になっていくのかを一緒に追っていただきたいです。それから豊永さんがおっしゃる通り、登場人物が沢山いますが、みんなうるさいです!
豊永:うるさいね〜(笑)
稲垣:賑やかなんですよ。最初は無機質な感じで始まりますが、騒がしくて賑やかでワクワクするシーンもあります。やはりライトに、ゆるゆると楽しんでいただければ嬉しいです!
[取材・文/タイラ 撮影/小川いなり]
『僕の妻は感情がない』作品情報
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