『2.5次元の誘惑(リリサ)』天乃リリサ役・前田佳織里さんインタビュー|コスプレに心血を注ぐヒロイン・リリサと前田さんに共通する想いとは?
シリーズ累計発行部数290万部を突破した橋本悠先生の漫画が原作、2024年7月5日(金)より連続2クールで放送開始となるTVアニメ『2.5次元の誘惑(リリサ)』(以下、『にごリリ』)。
主人公・奥村正宗(CV:榎木淳弥)を中心としたラブコメ要素、コスプレやオタク活動に心血を注ぐ熱いストーリーなど、見どころ盛りだくさんの作品となっています。
本稿では、本作のメインヒロインのひとり、天乃リリサを演じる前田佳織里さんにインタビュー!
「スポ根」作品顔負けの熱さを持つ本作の魅力から、「オーディション段階から一切妥協したくない」と語る前田さんの仕事への向き合い方など、作品の名に恥じない情熱的なインタビューとなっています!
少年のような「情熱」と「愛」を持つリリサ
ーーまずは前田さんが本作に感じた魅力について、お聞かせいただけますか。
天乃リリサ役・前田佳織里さん(以下、前田):オーディション時に原作を読ませていただいたんですが、まずは絵柄に惹かれました。序盤はラブコメ要素が印象的で明るく楽しい作品なんだろうなと思っていたんですけど、読み進めていくとかなりスポ根なんですよね! コスプレがテーマになっていて、日常的なシーンも多く描かれていますが、王道のジャンプ作品らしい情熱を感じました。好きなものを追求すること、本気で何かに取り込むことの大切さや難しさを教えてもらった気がします。
ーーもともとスポ根作品がお好きなんですか?
前田:大好きです。『はじめの一歩』が好きで、人生を変えてくれた作品と言っても過言ではないですね(笑)。
ーー前田さんが仰る通り、絵柄も魅力的ですよね。
前田:綺麗ですよね。ギャグシーン等で、キャラクターたちがデフォルメされているのも可愛いですし、綺麗と可愛いのメリハリがついているなと。アニメーションでどのように表現されるのかを楽しみにしている方も多いと思います。
女の子を描く際の線の柔らかさがあって。キャラクターそれぞれが、自分の体型にあったコスプレを追求していくのですが、キャラクターそれぞれの骨格や体型の描かれ方にこだわりを感じます。性別関係なく、キャラクターを愛おしく思えるんじゃないでしょうか。
ーー前田さんの演じる天乃リリサはどのようなキャラクターでしょう?
前田:リリサは、最初こそ控えめな子といいますか。私が演じる際にも序盤は意図的にそういう演技をさせていただいたのですが、それはほんの一部分に過ぎません(笑)。
最初に作品を読んだ際にも思ったんですけど、リリサは少年みたいなんですよ。演じるうえでは、彼女の心にあるその少年のような熱さをセリフに込めています。もちろん可愛らしい面も持ち合わせていますが、中身は「ジャンプ作品の主人公なんだ!」というところを大切にしたいと思ったんです。
ーー少年のような熱い部分が演技の軸になっているんですね。
前田:熱血キャラだと思って演じています(笑)。リリサの凄いところは、自分の熱い気持ちを大切に行動することによって、周りにも影響を与えているところなんです。周囲の人を動かす、誰かの心を揺さぶる力を持っていて、そのリリサの姿勢がかっこよくもあり、可愛くもあり……。
作品のメッセージやセリフに重みがあるので、自分が思っている以上に本気をぶつけないと、視聴者のみなさんには伝わらないなって。特に榎木淳弥さんとの掛け合いは、収録後にお互い汗だくになるくらい、全力でやらせていただいています。この作品をアフレコしていると、青春を味あわせて貰っているなと感じますね。
ーーオーディションの際には、リリサという役に対してどのようなアプローチをしたのでしょうか?
前田:とにかく勢いが大事だなと。原作を読んだ際に、自分が思っている以上に熱血さを伝える必要があると思ったので、可愛らしさとのバランスが難しくて。色々と調整しながら、オーディション用のテープを録っていました。そうしたらテープを聞いたマネージャーさんが「もっといける! もっとやろう!」と言ってくださって。ここも部活みたいな感じですね(笑)。
私の実力やポテンシャルを理解してくれている方なので、リリサの熱い部分を私の中から引き出してくれました。その甲斐あって、今回はテープオーディションの段階で役が決まったので、驚きましたね。本当にありがたいです。
ーー演技についてマネージャーさんと話し合うことがあるんですね。
前田:弊社(アミューズ)は、心が体育会系といいますか、マネージャーさんもタレントもレスラーみたいな人が多いんです。
最近やっとできるようになったことではあるんですけど、マネージャーさんから作品や演技を客観的に見た時の意見をいただいて、議論することもあります。オーディションテープでも一切妥協はしたくないので。
限られた時間の中で、より良いテープを出すことは絶対に譲りたくないですし、オーディションを受けて欲しいというご指名に対しての誠意だと思っています。
一方で満足のいく役作りをして収録に臨んだとしても、本番で生まれる“何か”があるのは事実です。でも、本番前にどれだけ基盤を作れているかでスタートが変わってくると思うので、この作品では、収録前からしっかり詰めて良かったなと思っています。