音楽
『ヒプマイ』7連続リリースCD『.Buster Bros!!!』レビュー

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.Buster Bros!!!』レビュー|数多の苦虫を噛み潰したBuster Bros!!!は大きな成長を始めるーー【7連続リリースCD連動企画】

中二病だけじゃ終わらない山田三郎の「朱夏」

山田三郎といえば、クラシックをサンプリングした曲の数々ですよね。1曲目は「G線上のアリア」、2曲目は「レクイエム“怒りの日”」でした。

3曲目となる「朱夏」は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」をサンプリング。

山田三郎は中二病全開なのがかっこいい。そう思っていたんですが、いつもとは様子が違う……!

<はやく大人になりたかった 思い続けた思春期の最中 ラップスキルは大人顔負け なのに言われる長男のおまけ 少なくとも次男よりはハイスペ って魔法使いの14気取って 取り戻したスマート でも全然内心穏やかじゃなくて>

お、おい……。どうしちゃったんだよ三郎! いつものお前らしくないじゃないか……! と思わせる冒頭ですが、これまでのストーリーを見ていると三郎がそう思っても仕方ないのかもしれませんね……。

しかし、今回の曲名は「朱夏」。「朱夏」とは、古代中国の五行思想にある言葉です。人生を四季に例え、春は「青春」、夏は「朱夏」、秋は「白秋」、冬は「玄冬」と呼んでいます。

人は、幼き日の青春から盛りのついた朱夏へ、次第に落ち着きを身につける白秋から老齢となって人生を締めくくる玄冬へと向かっていく、という考え(玄冬を幼少期と捉える説もあり)。

つまり、三郎は「青春」から「朱夏」に向かっている、もしくは「朱夏」に入ってきていると捉えて良いのでしょう。人として大人になってきているということ! 三郎ちゃん、成長したねぇ……。

その成長はリリックからも見えていきます。<一番星に漏らした僕はちっぽけ><彼にはなれないどうやったって だから僕は僕のやり方で>と、今の自分を客観的に捉え、成長していこうという意思が伺えます。

しかも!<泥臭くたって いつも全力なあいつだって 案外すげーって 誰にも絶対言わねーけど> だと……? これは山田二郎のことを言っているのでしょうか? そうだったとしたらアタイ、泣いちゃう。いや、どちらにせよもう泣いちゃっていいよね?

そして、曲の中盤から終盤にかけて山田三郎の感情は前向きになっていきます。いつも何事に関しても穿った見方をしていた彼が、こんな熱い曲を歌うなんてね……。また泣いちゃう。

それに冒頭にもお伝えした、山田三郎の中二病なところがちゃんとうっすらと残っているのもまたいいんですよ。山田三郎の個性をそのまま成長させた今が「朱夏」なのです。

Buster Bros!!!を初期から見てきた三浦康嗣

山田三郎の「New star」から『ヒプマイ』の楽曲に関わっている三浦康嗣。これまで、「IKEBUKURO WEST GAME PARK(Boyz Sunshine remix)」や「おはようイケブクロ」なども担当しています。そして再び、「朱夏」で山田三郎の楽曲を担当することに。

三浦康嗣は『ヒプマイ』だけでなく、手掛けている曲の幅がとても広いので、「三浦康嗣に任せれば間違いない!」と個人的には思っています。それだけの大ベテランなので、頭が上がりませんね。

個人での活動もちょこちょこと行っているようで、こちらもいい曲が多いんです。

この独特なアンニュイ感。たまりません……。

「Sundaynight」は夏のどこか火照った気持ちを持った金曜の夜を描いているようです。MVは夜の渋谷を映し出しています。この曲を聴きながら夏の夜の渋谷を歩くと気持ちいいだろうなぁ。

公式YouTubeチャンネルでは実験的な試みのポッドキャストもやっているので、気になった方はぜひチェックしてみてください!

成長し過ぎのBuster Bros!!!、これからどうなる!?

以上、3曲のご紹介でした。毎回、Buster Bros!!!は成長を見せてくれますが、今回の成長は一味違ったように思います。それぞれが大事な局面を迎えたことによって、人間としての成長が必要だったのでしょう……。その成長が楽曲としても作られているのは本当にすごいことですよね。

それにこれも毎度言っていますが、声優陣の成長も目覚ましいものがあります。長く演じてきたこともあり、キャラクターへの理解が深まっているのがわかるし、『ヒプマイ』で様々な曲に関わったことで単純に歌唱力も上がっているように思います。そりゃあいい曲ができるわけだ!

それはBuster Bros!!!の3人だけではありません。すべての『ヒプマイ』に関わる声優陣が成長を遂げているのです。今回のレビューはより気合いを入れなければ……!

また次回もお楽しみに!

[文/石橋悠]

「.Buster Bros!!!」商品情報

タイトル

「.Buster Bros!!!」

 

発売日

6月26日(水)
 

定価

税込2,530円
 

収録内容

M1:「H歴維新」山田一郎
M2:「Sunshine」山田二郎
M3:「朱夏」山田三郎
M4:Drama Track「My Generation」

【パッケージ仕様】
初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

【CD封入特典】
11月2日(土)開催「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング Buster Bros!!!」@ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
CD購入者抽選予約受付シリアル

ヒプノシスマイク〝初〟のファンミーティング詳細はこちら
https://hypnosismic.com/special/hmfanmeeting/

アニメイト特典

ミニフォト3枚セット(各54×86mm)

◆メーカー特典の対象店舗はこちら!

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通の特典となり、特典絵柄が各CDで異なります。

アニメイト、ELR Store全巻購入特典

全巻収納BOX

【対象店舗】
アニメイト、ELR Store

※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※特典はなくなり次第終了となります。
※全巻購入特典については、すべて同一の店舗にてお買い求めください。
※詳しくは各店舗までお問い合わせ下さい。

ヒプノシスマイク ディビジョン別CD 7作品連続リリース決定!

商品名/発売日

「.Buster Bros!!!」/6月26日(水)
「.MAD TRIGGER CREW」/7月24日(水)
「.Fling Posse」/8月21日(水)
「.麻天狼」/9月18日(水)
「.どついたれ本舗」/10月16日(水)
「.Bad Ass Temple」/11月13日(水)
「.中王区 言の葉党」/12月11日(水)

定価

税込2,530円
 

収録内容

M1~3:各ディビジョンメンバーソロ曲
M4:新作Drama Track
 
【パッケージ仕様】
初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

【CD封入特典】
「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング」
CD購入者抽選予約受付シリアル

ヒプノシスマイク〝初〟のファンミーティング詳細はこちら
https://hypnosismic.com/special/hmfanmeeting/

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通のグッズ特典となり、特典絵柄がCDごとに異なります。

アニメイト特典

ミニフォト3枚セット(各54×86mm)

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通の特典となり、特典絵柄が各CDで異なります。

アニメイト、ELR Store全巻購入特典

全巻収納BOX

【対象店舗】
アニメイト、ELR Store

※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※特典はなくなり次第終了となります。
※全巻購入特典については、すべて同一の店舗にてお買い求めください。
※詳しくは各店舗までお問い合わせ下さい。

『ヒプノシスマイク』作品概要

西暦XXXX年。
第三次世界大戦により世界は人口の3分の1を失った。
人類滅亡を危惧した権力者たちは武力ではなくディベートによる戦争回避を目指したが、
愚かな男たちは武器による争いを止めることはなかった。
そして西暦最後の年──
既存の世界は女性の手により終わりを迎える。

H歴。
人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」の登場により、戦争は根絶された。
このマイクを通したリリックには人の交感神経、副交感神経等に作用し、様々な状態にする力があるという……。
女性党首率いる“言の葉党“が政権を握り、言葉の力が武力に取って代わった世界で、
男たちはラップで優劣を決するようになった。

H歴3年。
“言の葉党“は拠点を構える中王区にて「ディビジョン・ラップバトル」を主宰する。
優勝したディビジョンは他の領土を獲得できるという確約のもと、

イケブクロ・ディビジョン、
ヨコハマ・ディビジョン、
シブヤ・ディビジョン、
シンジュク・ディビジョン、
オオサカ・ディビジョン、
ナゴヤ・ディビジョン

……など、各ディビジョン代表のMCグループはラップバトルで互いの力を競い合う。

兵器ではなく言葉が力をもつ世界で今、男たちの威信をかけたラップバトルが始まる。

◆公式サイト
◆公式X

1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。

この記事をかいた人

石橋悠
1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。

担当記事

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