BL作品へのアプローチは“自分だったらどうするか”。『黄昏アウトフォーカス』土屋真央役・松岡禎丞さん、大友 寿役・内田雄馬さんインタビュー│尊い、寿と真央の関係性
じゃのめ先生原作(講談社『ハニーミルク』所載)の『黄昏アウトフォーカス』がアニメ化!
原作は、同名作と『残像スローモーション』『黄昏アウトフォーカスoverlap』『宵々モノローグ』『黄昏アウトフォーカス long take』など5作品あり、ドラマCD化もされている人気シリーズ。
男子校の映画部を舞台にした青春恋愛群像劇で、アニメのキャッチコピーは「僕らは、レンズ越しに恋を知る。」。今回のTVアニメでは真央と寿、仁と義一、礼と詩音の3組の恋模様を通して、思春期の湧き上がる想いや悩みが描かれます。
アニメイトタイムズでは、各カップルを演じるキャストにインタビュー! 第1話の放送が迫った今回は土屋真央役の松岡禎丞さんと大友 寿役の内田雄馬さんにお話を伺いました。
アニメはまるで原作の絵を動かしたようなイキイキした映像で、喜びとプレッシャーが!?
――ドラマCDから引き続き、アニメでも演じることになった感想をお聞かせください。
土屋真央役 松岡禎丞さん(以下、松岡):最初に原作を読んだ時は、男子校の寮で同室の真央と寿が、お互いに制約を設けるところから始まるので、「ここからどう発展していくのかな?」とすごく気になりました。内容もせつなくて、お互いを意識し始めてから思いが募っていく様子や苦しさなどの気持ちも上手に表現されていて。そして絵もきれいだなと思いました。
アニメ化のお話をお聞きした時は「マジか!?」という驚きと共に、いざアニメになったら絵やタッチが違うケースもよくある中、「どうなるんだろう?」と思っていました。ですが、実際にアニメ映像を見てみると、まるで原作のキャラがそのまま動いているようで、イキイキしたキャラを演じられるという喜びと同時にプレッシャーも感じました。
大友 寿役 内田雄馬さん(以下、内田):ドラマCDから3年くらい、この作品に携わらせていただいていますが、映画部が舞台になっているということで、作中に「フォーカス」など映像用語がよく使われていたり、映画を撮影する様子も描かれているなど、映像へのこだわりを感じる作品だったので、アニメでどう動くのかが楽しみでした。
演じるにあたっては、以前に何度かドラマCDで演じさせていただいたこともありましたし、収録現場もホーム感があって。だから気負い過ぎず、収録に臨めました。
――そして再びお二人で掛け合いされた感想はいかがでしたか?
松岡:雄馬とはこれまでも何度か共演してきましたが、メインキャラ同士でがっつり絡んだのは『黄昏アウトフォーカス』のドラマCDが初めてでした。その当時の収録で、「雄馬、硬いな」と感じていましたが、それから約3年経ってアニメを収録することになった時、「どうなるんだろう? あの時のままなのかな?」と思ったら、人間も3年経てば変わるもので(笑)。
内田:(笑)
松岡:最初の頃よりも柔らかくなっていて。また絵の力もあって、とてもやりやすかったです。自分からこんなにアドリブをぶち込んだ作品は初めてかも。
内田:本当ですか? それはめっちゃ嬉しいですね。
松岡:テストでは行けるなと思って。
内田:確かにアドリブを入れられる現場だったから楽しそうに収録されていましたね。ドラマCDといえば、収録の時、禎丞さんに「がっついてるね」と言われたのを覚えています(笑)。当時はBL作品での経験もそれほどありませんでしたし、慣れていなくて。だから役を演じる前に、気負いがあった中で、収録していた気がします。それも相まって、ガムシャラかつ手探り感があったところが、禎丞さんにそういう印象を与えたのかもしれません。
今回アニメになって、更に会話劇の面もあったので、禎丞さんとどう掛け合っていくのかという部分が大切ですが、僕をよく知ってくださっている方なので……。
松岡:何か意味深に聞こえるだろ!(笑)
内田:僕がデビューする前からのお付き合いなので、気心も知れているし、真央と寿も同室になって、誓いを立てたシーンから1年経って、ある程度の関係値が築けているところからのスタートだったので、心の開き具合やしゃべりやすさは僕も感じていました。
また禎丞さんと一緒の現場は久しぶりで、しかもこんなにがっつり絡む作品も最近なかなかなかったので、とても楽しみでした。
――お互いのキャラクターに対してはそれぞれどのように魅力を感じられますか?
松岡:大友は猫みたいな人物ですね。他人にあまり干渉せず自分の世界の中で生きている、ただどうしても人間の本質として寂しい気もしているというを抑えられない。
真央が家猫だとしたら、大友は野良猫みたいな雰囲気かなと思います。いい意味でも悪い意味でも縛られない、でも心が傷つきやすい一面も持っていて、人って一人では生きられないんだなというのを如実に感じさせてもらえるキャラクター像です。
内田:真央はとても実直なんですよね。自分のこだわりもしっかり持っているし、かと言って押し付けるのではなく、相手を見て言葉を選んだり。観察力や気遣いは撮影する人だからこそなのかなと。そういうところに惹かれてしまいますよね。