『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! 』青山吉能さんにとって《結束バンド》メンバーの存在とは/インタビュー
『劇場総集編 ぼっち・ざ・ろっく! Re:』(前編)公開3日間で興収2.1億円を突破したというニュースが流れたが、TVアニメ放送終了から1年以上経っても、その勢いは止まらず、劇中バンドの結束バンドは、『JAPAN JAM 2024』のような巨大ロックフェスへ出演。この夏は『ROCK IN JAPAN FES. 2024』(8月4日)への出演、その後『結束バンドZEPP TOUR 2024 “We will”』も決定している。
絶賛公開中の『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』(前編)。8月9日より公開の『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』(後編)も待ち遠しい今、作品で、難しい後藤ひとりという役を見事に演じ切った青山吉能さんに、劇場総集編について話を聞いた。
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劇場総集編で楽しみにしているシーンは?
――劇場総集編の話を聞いたときはどう思いましたか?
青山吉能さん(以下、青山):すごくさらっと伝えられたんですよ。別件で稼働しているくらいのときに、劇場総集編をやるんですけど……みたいな。でもすごいことじゃないですか。テレビで無料で観れるアニメが、劇場でお金を頂いて、その見返りとして映像と音楽を届けることになるなんて。だから期待も大きくなると思いますし、その責任は、イチ演者としてもちろん感じているので、今スタッフさんが鋭意頑張っていると思います!
今回は新録があるわけではないので、私たち声優にできることが何もなさすぎるというもどかしさはあるんですけど、その分、スタッフの妥協のないこだわりが届くと思うので、スタッフ頑張れ!という気持ちで、私も応援しています。
――このインタビューの段階では、まだ『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』の公開前ですが、青山さんはもう観られましたか?
青山:それがまだ観られていないんですよ。ただ(長谷川)育美さんに最初のセリフが誰なのかだけ教えてもらったんです。それがめっちゃ意外な人物でした。そこはまだ観ていない人は楽しみにしてほしいかもしれません。
ただ、第1話から第8話までを貼っつけただけではないことは、一人目の台詞で分かりましたし、そこから始めるんだ!と驚きました。
――OPテーマの「月並みに輝け」も、PVで聴くことができました。(※EDテーマ「今、僕、アンダーグラウンドから」と共にリリースされています)
青山:TVアニメ12話を経ての結束バンドの新曲なんだなと思いました。総集編へ向けた新曲というわけではないのかもと思っていて、『光の中へ』とか、いろいろな曲を書いてきた上での新曲なのかなと思います。
――『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』のどんなところを楽しみにしてほしいですか?
青山:原作が4コマ漫画なので起承転結がありすぎるんです。それをどうアニメ尺にして12本作るんだというところで、吉田恵里香さん(シリーズ構成・脚本)の手腕が光る神脚本だったんです。
それが劇場総集編になるということで、どう総集したのかというのは、注目すべきポイントなのかなと思います。4コマならではの面白いシーン、面白いワード、面白いシチュエーションが、TVアニメでもぽんぽんぽんぽん出てくる作品だったので、それをどう削って、どのくらいを出していくのか。その出し引きの加減がすごく気になっているので、大ボケ小ボケの感じを劇場でも味わってほしいなと思っています。
――劇場では、大スクリーンで、大音量で観られますからね。
青山:ライブシーンが圧巻なものになるのはもうみんな予想できていると思うので、私はせっかく大スクリーンで観られるのならば、背景の描き込みとかを見てほしいです。持っている小物のネタがすごく多い作品でもあるから、それこそライブハウス・STARRYに貼ってあるポスターも、誰のポスターをオマージュしているのかなんかも、よく見えると思います。
あと、『ぼっち・ざ・ろっく!』って、急に立体的になったり、ポリゴン化したり宇宙が出てきたり、アニメ放送を観てても、私何を観ているんだろう?って思うところがあったんですよ。
――ぼっちタイムですね。
青山:急に別のアニメが始まるのも『ぼっち・ざ・ろっく!』の魅力だと思うので、総集されるということは、そういうシーンも相当ギュッとされるとは思うんですけど、あれを大きい画面で見たらどんな気持ちになるんだろう?って思っています(笑)。
――TVアニメのときの、アフレコの一番の思い出を教えてください。
青山:やっぱり第1話の収録が忘れられなくて、かなり長い時間がかかったんです。それこそ、帰れるのか?くらいまで。第1話って、ほとんど後藤ひとりがしゃべっているんです。つまり私のせいで時間がかかってしまっていたので、アフレコが終わったあとに、私にして後悔していないかな、これだけ時間をかけてしまって、みんな青山なんかにしなければ良かったと思っているんだろうなと思っていたんですね。
だから正直、達成感とか、携われて幸せという感覚はなく、自分を責めるばかりだったんですけど、アフレコが終わったときに、CloverWorksの梅原翔太さんが席を立って拍手を始めたんです。それこそスタンディングオベーションみたいに。そんな風にキャストを迎えてくださって、はまじあき先生も「本当に皆さんで良かったと思っています。皆さん、完璧です」と言ってくださって。
しかも「後藤ひとりを青山さんに任せて良かった」というお言葉までいただけて、でーごーきゅー(大号泣)。私、この座組の中では座長だし、割と先輩だし、カッコいいところを見せなきゃと思っていた中で、自分ばかり時間を取らせてしまって、情けないと思っていたときの言葉だったので、舞い降りてくる天使のお言葉みたいな気持ちでした。でも、めちゃめちゃ泣いちゃったなぁ。恥ずかしかったです(笑)。