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夏アニメ『ATRI』赤尾ひかるがアトリを演じる時に意識していること【連載第1回】

『ATRI -My Dear Moments-』連載第1回:赤尾ひかるさん(アトリ役)|「アトリやこの世界で藻掻いている夏生さんたちの葛藤や頑張りを見届けてくださったら嬉しいです」

 

1話から楽しいアドリブが見られるシーンも

――収録時に印象に残ったスタッフ陣からのディレクションもお教えください。

赤尾:人間らしく、というディレクションをいただきました。アトリは人間らしくできている高性能なロボットなので、リアクションや動きも細やかで表情変化もかなり多彩です。ロボット・ヒューマノイドとはいえ、この世界では人間らしいと言えるんです。だからそちらに寄せるようしっかり動きを付けさせていただきました。

 

 

――ロボットではあるものの、最初から人間らしくという流れだったんですね。

赤尾:今後は、物語が進むにつれて序盤とは違う、彼女の反応が変わってくる場面が出てきます。最初は明るく振る舞っているアトリですが、時に感情の起伏が感じられない状態になってしまったり。そんなシリアスな一面を持ちつつ明るい雰囲気を出す、物語の段階を踏まえた変化のバランスには気を付けていました。

一度ゲームで物語の結末まで演じさせてもらっているので、終盤に向けてアニメで初めて本作をご覧になるみなさんに新鮮に感じられるよう、音響監督の明田川仁さん含めスタッフのみなさんもバランスを調整して頂いているのだと思います。

――収録時は、監督やスタッフさんからもアドバイスやお話があったのでしょうか。

赤尾:第2話でアトリというキャラクターの振れ幅に少し悩んだことがあって、そこから加藤監督へアフレコ前に「ゲームの時はこうでしたが、このシーンはこういうアトリでいいのでしょうか?」と質問しました。テストと本番の2回のチャンスで、最大限のものを出せるようあらかじめこの部分は相談しておきたかったんです。

また、明田川さんには、楽しいアドリブや無茶ぶりをやらせてもらっています。例えば「夏生さんのエッチ!」というセリフがあるのですが、その言い方を「エ……ッティ……!」にしてみたいな。そんな砕けた感じにセリフを変えてまでコミカルな印象に持っていって下さるんです。

第1話でも自己紹介する時のセリフ「アトリです!」を「A・T・R・I……アトリです!」みたいに変えた場面もありました。より楽しい方向にディレクションをいただいています。

 

 

――アドリブも結構入っているんですね。他に収録で印象に残ったエピソードはありますか?

赤尾:アドリブは他のキャストの方も結構入れているのですが、特に日笠さんのアドリブがすごく面白いんです。キャサリンは事件を持ってきてみんなをかき回す立ち位置なのですが、そんな彼女にも生い立ちや過去がある。最初は驚くかもしれないのですが憎めなくて、どんどん彼女がいなくちゃ嫌だなと思うようなキャラクターなんです。

やられっぷりとかも面白いですし、海から出てくるシーンではゲホゲホと咽たりと彼女らしいコミカルな様子も見せてくれます。キャサリンにはこの作品だからこそできるコミカルさや、日常とコミカルさが相まっているところがあるんじゃないかなと思いつつ、日笠さんの楽しくお芝居を見させていただいています!

後は髙橋ミナミさんの演じる水菜萌ちゃんは、いつでも優しいキャラクターですね。アドリブパートはそこまで多くはないけれども、アトリや夏生さんとかみんなを見てくれていて、そっと手を差し伸べてくれる、癒されるキャラクターだなと思っています。

――アニメから『ATRI』に触れる方に向けて、この作品の世界観の魅力も教えてもらえますか。

赤尾:アフレコ時の映像は制作中なので白黒やまだ線画や絵コンテの状態なのですが、加藤監督が絵コンテの段階から細やかに描いてくださっていたので、第1話からアフレコ時の絵は本当に綺麗でした。海に沈んだ世界に悲しくも美しい印象を強く受けて、改めて素敵だなと思ったくらいです。そんな世界で生きる身動きの取れない人たちが希望を見つけていく物語になっています。

天真爛漫なアトリが光だとすると、影の部分は色濃く島の人たちの生活の中に出ていたりするので、心を締め付けられるシーンも多いです。だからフランクな気持ちでというよりも、登場キャラクターたちに寄り添いながら見ていただければ嬉しいです。また、AI化が進む今だからこそ刺さる部分もあるんじゃないかなって思っています。

 

 

――放送直前の掲載となりますので、第1話全体の見どころも伺えればと思います。

赤尾:第1話では、まさにこれまでのビジュアルで描かれてきたような美しく神秘的な世界観を堪能できます。夏生さんだったり他の子たちだったりの閉じた世界をアトリが彩っていくと言いますか、何かちょっと希望や光が見えてくるエピソードになっているんじゃないかなと。どこが今後の物語の伏線や謎なのかも把握しきれないはずなので、とにかく綺麗な海とそこに沈んだ心という切なさをみんなで体感できたらなって思っています。

――期待しているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。

赤尾:『ATRI-My Dear Moments-』という作品は、明るく、切なく、そして母なる海に沈んだ世界に生きる人々の物語を描いています。そんな海で出会う少女アトリとの物語がいよいよ始まります。ロボットは人に近い存在なのか、感情を持っているのかという部分にも踏み込んでいるので、ぜひ最後までアトリやこの世界で藻掻いている夏生さんたちの葛藤や頑張りを見届けてくださったら嬉しいです。

 
[取材&文・胃の上心臓]

 

作品概要

ATRI -My Dear Moments-

あらすじ

原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。夏生は“失った未来”を取り戻すため、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。そこで見つけたのは、棺のような装置の中で眠る不思議な少女――アトリ。彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。海底からサルベージされたアトリは言う。「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。それまで、わたしが夏生さんの足になります!」

キャスト

斑鳩夏生:小野賢章
アトリ:赤尾ひかる
神白水菜萌:髙橋ミナミ
野島竜司:細谷佳正
キャサリン:日笠陽子
名波凜々花:春野杏

(C)ATRI ANIME PROJECT

 

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