『ATRI -My Dear Moments-』連載第4回:小野賢章さん(斑鳩夏生役)|島の現状を知った夏生の今後の行動に期待してほしい
夏生はアトリを観察すればするほど人間に見えてきている
――足を失うことになった出来事など、夏生の過去も今後は重要になりそうです。その辺りはいかがでしょうか?
小野:現時点では詳しく言えないのですが、やっぱり大事な要素のひとつではあると思います。夏生にとってのトラウマなので、常に気になっていることでしょうし。そこを克服しない限り彼が本当に前に進むことは難しいんじゃないかなと。最終的には克服してアトリや水菜萌とか、島の子供たちにも心を開いていくと思いますし、彼が今後どうなっていくのかは僕も楽しみです。
――戦闘ロボだから家事が苦手、とアトリが嘘をつく場面がありました。このあたりから夏生の中に疑念が出てくるかと思いますが、演じる際はどんなことに気を付けましたか?
小野:夏生は、最初はアトリを新しい義足のために売るかどうか悩んでいましたが、何か引っ掛かるものがあって思いとどまり、この辺りからかなりアトリを観察するようになっていきます。夏生自身、アトリを観察すればするほど多分人間に見えてきてしまっていると思うんです。
その辺りのモノローグを演じる時は冷静に分析している雰囲気が出ていたらいいなと思っていますし、普通に喋っている場面ではこのあたりからアトリの扱い方に慣れてきているので少し差が出たらいいなと思っています。ですが、基本的にアトリに振り回される夏生っていう関係性は変わらないかなと。
――そして、アトリを売った代金を山分けしようと話していたキャサリンの動向もそろそろ気になるところです。
小野:“キャサリン”なんて明らかに偽名だろうみたいな話もしていたので、彼女の素性も描かれていくはずです。
現場では日笠さんが一番楽しそうな印象があります。演技で掛け合う時はその存在感に夏生として引っ張られないことを意識しています。アトリに対しては振り回されて感情が昂ったり、声が大きくなったりするのですが、キャサリンに対しては割とクールであまりムキにならない。掛け合いをする中で相手が楽しくなってきたのを感じたら、夏生のキャラクター的にもそれに引っ張られて自分も楽しくならないよう必死に抑えつつ演じていますね。
あとは加藤監督がおっしゃっていたのですが、キャサリンは原作ゲームの時より大分活躍するようにしているそうです。今後の活躍に期待してもらえたらなと思います。
――最後に作品のファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
小野:物語自体は、凄く丁寧にゆっくりキャラクターたちの心情を描写しつつ進んでいると思います。その中でアトリが何を忘れているのかとか細かな伏線を気にしつつ、今後は夏生がどういう風に周囲に心を開いていくのかを見守ってください。
[文・胃の上心臓]
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