TVアニメ『【推しの子】』の物語は、これから更に仄暗さを増すーー作中劇『15年の嘘』の目的と登場人物を解説｜実は第1巻から登場していた「カミキヒカル」って何者？　アイの“本当の願い”とは

【超ネタバレ注意！】映画『15年の嘘』とは、何だったのか

こちらでは、映画『15年の嘘』の根幹ついて解説していきます。『【推しの子】』のストーリーの核心に迫る内容となっていますので、更なるネタバレにご注意ください。

アイの本当の願い

作中において『15年の嘘』の企画が進み始めたのは、単行本第11巻に収録されている第110話。その第110話の最終ページは、アイが眠るお墓に向かって、アクアがこう呟く場面が描かれています。

「君の本当の願いを僕が叶えてみせる」

ここで語られた本当の願いは、第154話で明かされることになります。

↓↓↓物語の核心に迫ります。ネタバレには十分にご注意ください。↓↓↓

映画『15年の嘘』は、アイがカミキに宛てたラブレター

度重なる“闇”に呑まれ、アイに依存していたカミキ。愛梨からの性加害や姫川夫妻の心中によって、命の重さに押しつぶされそうになり、精神は摩耗し限界となっていました。

そのタイミングでアイの妊娠が発覚。これ以上背負うものが増えたらヒカルは壊れてしまうーー「私たちが居なくなれば　きっと彼は大丈夫」と考えたアイは、カミキの身を案じて「私は君を愛せない」と、別れを切り出します。

カミキは、唯一の理解者であったアイからも見放され、絶望してしまいます。結果、ファンの一人にアイの住所を教え、殺傷事件へと発展してしまいました。

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アイがアクアに遺したビデオレターの中で、「本当は彼と一緒に居たかった」「彼の背負っているものを一緒に背負って」「一緒に未来を生きたかった」と語るアイ。誰かを愛したことのないアイは嘘をつくことは愛であるとして、自分の得意な“嘘”を“愛”へと昇華させたのです。

『15年の嘘』でアイを演じたルビーはこの意図を汲んで、「私は君を愛せない」という言葉を“嘘”として演じました。

アイは最後までカミキの身を案じており、カミキが救われることを願っていました。この残酷とも言えるアイの願いと想いから目を背け、殺人に関わったカミキに消えることのない自戒と後悔を与えること。これこそがアクア、そしてルビーの復讐だったのです。

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TVアニメ『【推しの子】』の物語は、もっともっと深い場所へ……

本稿では、原作漫画『【推しの子】』から、作中劇『15年の嘘』について解説、紹介をしました。

芸能界の光と闇を描く本作において、限りなく漆黒に近い部分が描かれる本編。目を背けたくなる描写もありながら、“嘘”とはなにか、“愛”とはなにかを深く考えさせられるとともに、キャラクターの心理描写に心惹かれます。

アニメは第2期が放送され、実写化も発表されるなど、更に盛り上がりを見せる『【推しの子】』。原作は最終章に突入していますので、今こそ改めて赤坂＆横槍ワールドを堪能してみませんか……！

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『【推しの子】第2期』作品情報

あらすじ

新たな舞台の幕が開く──
人気マンガ『東京ブレイド』の舞台稽古が始まった。
劇団ララライの役者達に囲まれ、大きく飛躍するかな。
かなの才能を認めながら、ライバル心を激しく燃やすあかね。
才能と熱意のある役者が集う中、アクアは演技すらも利用してアイの死の真相を追い続ける──。
そしてアイドルとして母の背中を追い続けるルビーは......。