『Re:ゼロから始める異世界生活』初のフィルムコンサート開催! オーケストラと映像でよみがえる名シーンの数々。 エミリア役・高橋李依さん、レム役・水瀬いのりさんによる生歌唱や、 前島麻由さん、鈴木このみさんによるオーケストラアレンジバージョンによる生歌唱も。
2024年10月よりTVアニメ3rd seasonの放送を控えた『Re:ゼロから始める異世界生活』初のフィルムコンサートが7月20日、東京・TACHIKAWA STAGE GARDENにて開催!
TVアニメシリーズ1st seasonから2nd seasonまでの名シーンの映像と楽曲を楽しむコンサートで、演奏は過去に『氷菓』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『響け!ユーフォニアム』などのコンサートの演奏を手掛けたHeartbeat Symphonyが担当。
更に、ナツキ・スバル役の小林裕介さん、エミリア役の高橋李依さん、レム役の水瀬いのりさんが名シーンを生アフレコ。加えてオーケストラの演奏をバックに、高橋さんは1st season ED曲の「Stay Alive」、水瀬さんは第18話の挿入歌「Wishing」を。
そして『リゼロ』を彩ってきたOP曲、ED曲を担当する前島麻由さん(ex.MYTH & ROID)と鈴木このみさんが主題歌を熱唱。濃密な一夜となったフィルムコンサートの模様をレポートとしてお届けします!
オーケストラの生演奏と共にスバルの旅路を振り返る
今年の10月に、TVアニメとして約3年半ぶりに帰ってくる『Re:ゼロから始める異世界生活』。その放送を目前にして行われたフィルムコンサートは、作品としては初の試み。作中のバトルやシリアスシーン、感動的な名場面には欠かせない末廣健一郎さんの劇伴は評価が高く、作品ファンにとっては嬉しいイベントとなったことだろう。
開演時間になると、奏者とコンサートマスターがステージに現れて調音を始め、指揮者の吉田行地さんが続けて登場し、大きな拍手の中でコンサートが開幕。1曲目の「愛と漆黒の輪舞曲 -Main Theme-」では、モニターに1st seasonから2nd seasonまでのシーンが次々と流れ、ピアノと弦楽器の演奏から風雲急を告げるようなコーラスそれぞれが徐々に力強くなっていく。現実から『リゼロ』の世界に引き込まれ、スバルの記憶とリンクして、異世界での様々な出会いや戦いが再び始まるんだなという感覚に。
「異世界行進曲」は、エミリアと初めて出会った街でのシーンと共に、軽やかなメロディで進行。異世界に来たばかりのスバルと出会ったエミリアとのやり取りや、異世界での生活が始まるスバルのワクワクやドキドキする心を表現しているよう。
「英雄のタクト」では、戦いの緊迫感が高まる音楽の中で、「腸(はらわた)狩り」のエルザとラインハルトが交戦。激しいバトルの映像に息をのむ。
「始まりの音色」は、ストリングスが印象的なやすらぎを感じる曲で途中からリズミカルに。スバルがロズワール邸に迎えられ、ベアトリスやラムとレム、ロズワールと出会っていく平穏な日常が楽しげな曲と共に流れていく。スバルがエミリアにラジオ体操を教え、両手を挙げて「ヴィクトリー!」のシーンも。
「記憶の鎖」は、魔女の匂いを漂わせるスバルを危険視したレムに拷問され、スバルが絶望に号泣するシーンとあわさってすごく悲しく切なく聞こえる。そして死に戻ると今度はレムが死んでしまった周回へ。ロズワール邸で出会ったラムやレム、全員が笑顔で迎えられる結末に至るために自分から崖に飛び込んでいったシーンにスバルの強い想いを感じた。
「衝動への前兆」では、ドラムと弦楽器が戦いのリズムを刻んでいく。鬼化したレムが魔獣たちをモーニングスターで蹴散らしていくシーンや、暴走したレムにスバルが決死の一太刀を浴びせ、角を折ることで正気に戻すシーンと相まって緊迫感に引き込まれる。
「戦慄の時」も不穏な曲。ラムとレムの過去が映し出され、魔女教に襲われた村が炎に包まれる中、レムを助けるためにラムは角を折られてしまう。その後のウルガルムとスバルの死闘の最中に響いたドラムの刻むリズムとコーラスも、怖気や恐怖が入り混じっているようで印象深い。
小林さんと水瀬さんによる生アフレコ&「Wishing」の初生歌唱!
ここでナツキ・スバル役の小林裕介さんが燕尾服姿で、レム役の水瀬いのりさんが青いドレス姿でステージに上がり生アフレコ。スバルが自らを囮にし、ラムとレムを逃がした後、シャマクを発動させつつウルガルムと交戦。ロズワールも到着し魔獣を倒した。その後、ロズワール邸で目を覚ますと傍らにはレムの姿――そんな場面から生アフレコは始まった。
自分を責めるレムにスバルが優しい言葉をかける名シーンの1つがスクリーンに映し出され、ピアノの演奏をバックに小林さんと水瀬さんが掛け合う。そして最後に第11話のサブタイトル「レム」が。大会場ながらもすすり泣くような声も聞こえてきた。
二人がステージから去ると、壮大厳粛なムードの曲「親竜王国ルグニカ」と共に、エミリアが王選に参加する場面が。エミリアとの約束を破りついてきたスバルは、エミリアがハーフエルフだと侮辱されたことに怒り、騎士のユリウスと決闘することになるも叩きのめされてしまう。そして、エミリアと言い争い決別。重厚感のある演奏も相まって、この時からスバルに立ちはだかっていく困難を思い出させた。
そして、次の曲「怠惰」で、呪文のようなコーラスにのって1st seasonでもっとも鮮烈な印象を与えた魔女教大罪司教『怠惰』担当のペテルギウスが映像内に登場。ペテルギウスの声は場内に流れていないのに声まで頭の中に浮かんでくる。スバルを守ろうとしたレムが惨殺されるところも印象深い。
そして再び、小林さんと水瀬さんが登壇。演じるのは、第18話のスバルとレムのやり取り。八方ふさがりで一緒に逃げようと言うスバルを、レムが断ってからのシーン。ピアノが奏でる「Wishing」の音色にのせて、自分が嫌いだと吐き捨てるスバルに、レムはスバルの好きなところを挙げていく。
レムの言葉から立ち直っていくスバル。そして自分はエミリアが好きだが、レムに力を貸してほしいと告げるスバルに、うなずくレム。掛け合いの最後にスバルの「――ゼロから始める、異世界生活を」のセリフと共にタイトルが映し出された。
生アフレコが終わると、水瀬さんがステージ中央へ。「Wishing」と共にレムのいろいろなシーンがスクリーンに流れ、会場は青いペンライト一色になった。ピアノ演奏にのせて優しく歌い上げる水瀬さん。サビからピアノ、ストリングス、パーカッションなどの演奏がより大きくなる。歌詞がレムの思い浮かべるスバルとの未来だと思うと明るくもせつなく、水瀬さんの伸びやかな歌声が会場に響き渡り、歌い終わると大きな拍手が送られた。