映画
水樹奈々が語る、“しんみり”だけでは終わらない『しんちゃん』の深さ【インタビュー】

たくさん笑って、ポジティブな気持ちになって、物事に対して真っ直ぐな気持ちでぶつかることの大切さを感じてほしい――『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』ナナ役・水樹奈々さんインタビュー

「好きという気持ちは何物にも勝ります」

――今回の映画では、しんちゃんたちにとって特別な夏の思い出となるような出来事が描かれました。そんな今作にちなんで、水樹さんご自身の特別な夏の思い出について、お聞かせください。

水樹:子ども頃の夏と言えば、色々なカラオケ大会や発表会に出場するために練習を積み、遠征をしていた思い出がほとんどです(笑)。普段は学校があるので限られた場所にしか行けないけれど、夏休みは遠くまで出かけてしのぎを削っていましたね。全国の歌上手キッズたちと競い合って「私はまだまだだな……」と打ちのめされて、また修行をして……と、反省と成長の連続だったなと思います。

――既に子どもの頃から、歌に集中していた夏だったのですね。

水樹:そうですね。デビューしてからの水樹の夏と言えば、やはりライブです! 毎年のようにツアーをやらせていただいて、沢山のエネルギーと気付きをもらっています。ライブでは毎回、自分が持てる120%の力を出せるように準備していくのですが、それを出し尽くすことによってまた新しいアイデアが浮かぶんです。

自分の家で唸って悩んでいても不思議と良いものは降ってこないんですよね。みんなと思いっきりエネルギーをぶつけ合い、循環させることで目覚めるというか、やはり毎年夏に、成長させてもらっています。

――また、歌手になる夢を叶えるために遠征していたとのことですが、まさに本作では“夢”との向かい方がひとつのキーワードになっています。それこそ大変だった思い出もあるかと思いますが、そこで水樹さんが夢を投げ出そうと思わなかった原動力は何に由来するものなのでしょうか?

水樹:子どもの頃は学校から帰ってきたら即レッスンの日々でした。「友だちと遊びたいな」「みんなでお泊り会があって」なんて話をした時には、「大人になったらたくさん遊べるから」と言われて(笑)。

なので、レッスンを辞めたいと思ったことは何回もありました。でも、参加した歌の大会で負けるとやっぱり悔しくて。「練習が足りなかったな」「甘えた心があったな」と、自分の弱さに気が付くんです。その点だと、一緒に切磋琢磨していたライバルたちの存在が大きいと思います。

そして、両親が歌の世界に憧れていたこともあり、その想いを託された感覚もありました。歌手になることは家族の夢だから「絶対に叶えたい!」と思っていたし、家族も全力でサポートしてくれていたので、高いモチベーションを保っていられたのだと思います。両親への感謝の思いも、原動力の由来かもしれません。

そして何より、歌が大好きだったんです。好きという気持ちは何物にも勝りますから、一番はそこかもしれません。

――マイナスな感情よりも、歌に対する「楽しい」「好き」という気持ちが大きかったのですね。

水樹:そうですね。私の歌を聞いて喜んでくれる方がいたことも、大きかったです。当時の私は演歌を歌っていたので、私の歌を聞いてくれたおじいちゃんやおばあちゃんが「懐かしい歌をこんなに小さな女の子が歌ってくれるなんて!」と、涙を流して喜んでくれて……。歌の持つパワーを実感しました。

自分の好きなことで周りの人を喜ばせることができるなんて、なんて素敵なんだろうと思ったことも、続けたいと思った大きな要因です。色々なサポートや気付きがあって、走り続けられていると思います。

――素敵なお話ですね。今回の映画を見た子どもたちも、しんちゃんやナナたちからパワーを受け取って、水樹さんのように夢に向かって走り出すと思います。改めて、今作の魅力について教えていただけますか。

水樹:ぜひ幅広い世代のみなさんに見ていただいて、日々のエネルギーにしていただけたらと思います。しんちゃんたちのピュアなエネルギーで、ストレスや疲れを吹き飛ばして、「明日から、また頑張ってみようかな」という活力になれば嬉しいです。

また、“絆”や“家族”がテーマの作品では、涙の要素が多くなってしまうことが多いのですが、それだけで終わらないのが『クレヨンしんちゃん』だと思っています。肩肘張らずに見ることができて、自然に作品に入り込んでメッセージを受け取ることができるので、たくさん笑って、ポジティブな気持ちになって、様々な事に対して真っ直ぐな気持ちでぶつかることの大切さを感じていただけたらと思います!

styling/KATAYAMA SAYURI
Hair&Make/松田よりこ
インタビュー・編集・撮影/鳥谷部宏平
文/西澤駿太郎

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『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』作品情報

映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記

あらすじ

これから始まる夏休みに、ドキがムネムネ~なしんのすけ。
そんなある日、世界中がおどろくビッグニュースが飛び込んでくる!
なんと!現代に恐竜をよみがえらせた一大テーマパーク"ディノズアイランド"が東京にオープン!
「すごいゾ!オラも行きた~い!!」
念願かなって特別に招待されたしんのすけたちカスカベ防衛隊は、
いざディノズアイランドへ!
世界中が注目するテーマパークで、恐竜たちとの出会いに大コーフン!
世間では恐竜の大ブームが巻きおこり、まさに恐竜フィーバー!アゲアゲな夏に!!
一方同じころ、カスカベの河原では、シロが小さな恐竜"ナナ"と出会う。
夏休みをともに過ごし、「大切な思い出」と「ひと夏の成長」を得るしんのすけたち。
しかし、ナナには大きな秘密があって――。
そんな中、ディノズアイランドから恐竜たちが大脱走!カスカベで!東京で!恐竜パニック!!
今年の夏は史上最大のアンビリ~バボ~~~!

キャスト

野原しんのすけ:小林由美子
野原みさえ:ならはしみき
野原ひろし:森川智之
野原ひまわり:こおろぎさとみ
シロ:真柴摩利
ナナ:水樹奈々
アンジェラ:戸松遥
バブル・オドロキー:安元洋貴
サン:小林ゆう
ヨウ:金田朋子
ビリー(幼少期):内田真礼
ビリー:北村匠海
アンモナー伊藤:伊藤俊介
チュウ:畠中悠

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024
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