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『マケイン』若山詩音が自身が演じる檸檬の恋愛を見て感じた恋愛の難しさ【連載05】

檸檬の恋愛を見て感じた恋愛の難しさ――『負けヒロインが多すぎる!』連載 第5回:若山詩音さん(焼塩檸檬 役)インタビュー

 

コメディとシリアスの連続、第6話での檸檬の心境は……

――第5話は、ギャグが面白かったですね。

若山:確かに、笑える場面が多かったですね。最初、檸檬の「君、誰と待ち合わせしているの?」ってところから始まった第5話でしたが、ギャグシーンの中で、私は地味に「これを言われたらきついよ」って感じところがあったんです。

ぬっくんの部屋に八奈ちゃんと千早さんが来て、美少女もののタペストリーを見て談義を始めるところなんですけど、あの会話は、「オタクとしてはクリティカルヒットだよ!」って思いました。

――温水くんの気持ちになっていたんですね(笑)。

若山:はい! オタクとしては、そこが一番聞かれたくないところなのよ!と思っちゃいましたね。触れないのがおそらく正解だと思います。

 

 

――ちなみに、素麺のくだりも謎でしたよね。

若山:あれは、私も全然わからなかったです。素麺が給料として支払われるって、どこに勤めているんだろうと考え始めちゃって(笑)。でも、(温水)佳樹ちゃんが出てきたあたりで、考えるのはやめました。

それで言うと、ぬっくんの自宅がすごく大きかったですよね。リビングに階段がある!ってびっくりして。しかも佳樹ちゃんが料理を作ってくれるのも羨ましいです。

――逆に佳樹のヤバさも見えてきましたけどね。

若山:佳樹ちゃんだから、ヤバくてもかわいいんです! アフレコでも、みんなで佳樹ちゃんみたいな妹がほしいと言っていました。しかし、改めて考えてみると、確かに束縛は強そうですよね(笑)。

――どのくらい監視されているか、わからないですから。

若山:そこは千早さんといい勝負なのかなと思いました。監視されているだけで怖いんですけど、2人共それが自然になっているのがもっと怖いんですよね。まったく自覚がないという…。

 

 

――ギャグで言うと、喫茶店に行くときの温水の表情ですかね。

若山:電車のシーンですよね! あれも笑っちゃいました! コメディシーンだとは思っていましたが、アフレコのときはあんなギャグシーンになるとは思っていなかったので、ぬっくんがあの形相で、窓の外もギュンギュンしていて、放送を見て、すごく笑ってしまいました。最高です! 

この作品はスタッフさんの緩急が絶妙で、落とし所も気持ちいいところでつけてくださるんですよね。その電車のシーンも、デートかと思ったけど、「よし、これはデートじゃない」っていうところで落ち着く。そのテンポ感が最高なんです。

――そのシーンは、自己啓発本を真に受けた八奈見のオチでもありましたからね。第5話の遠野ひかるさんの演技はキレキレだったと思うのですが。

若山:あのシーンはすごく突飛で、めちゃくちゃ大好きです。自己啓発本にハマっている時点で、オチは見えていましたけど、それが尚更面白かったです。八奈見さんにはいろんな側面があるんですけど、それをすべて遠野さんが演じきっているので、どんなに引き出しがあったらあんな風に演じられるんだろう、とアフレコのときから思っていました。

確か、自己啓発本にハマってる時のお芝居は、「飛んでいっちゃうくらいの語り口って、どんな感じだろう?」と、スタッフの皆さんと一緒に考えながらいろんなディレクションを受けていて、それに応じて演じてらっしゃったんです。そうそう! そっちもあり! そっちもいい!のオンパレードでした。この現場では、本当に皆さんからたくさんのことを勉強させていただきました。

 

 

――三段階の「浮気だよ」も面白すぎて。

若山:あれは、本当に最強でしたよね! 

――ネットを見ると、みんな濁点を付けて表現していましたからね。

若山:濁点は入れちゃいますよね(笑)。このシーンでは喫茶店が登場していましたがここの喫茶店にも行ってみたいと思いましたし、クリームソーダも飲んでみたいなと思いました。行きたい場所が増えていくアニメですね。

――朝雲千早についてもよくわかるエピソードでしたが、いかがですか?

若山:本当は檸檬ちゃんと光希が付き合うべきじゃないかと思っていたと不安を吐露していましたが、それは違うんだよって思いながら見ていました。光希くんが選んだのはあなたなんだよって。でも千早さんのシーンは、最後の仕掛けが面白かったですね。COUNTRYがまさかの…。

――手で他の文字を隠して「NTR」になっているという(笑)。

若山:ああいうネタも面白くて、リハからケラケラ笑っていました。

 

 

――そこからの第6話は、檸檬としてはヘヴィなものでしたね。

若山:めちゃめちゃ辛かったですし、すごく堪えました。好きな人の近くにいながらも、自分は身を引いて支えてあげる、ということが、どんなに辛いことなのかというのを身を持って感じました。

「友達のままでいよう」とか「好きだけど支えるよ」とか、そんな台詞を色んな作品で見聞きしてきた気がしますが、実際自分がその立場に立って演じてみると、本当に地獄のような、ずっと業火で焼かれるような痛みが伴うんだなと感じたので、「檸檬ちゃんは本当に偉いよ」って、演じながら思っていました。

――檸檬の気持ちになると、想像以上に辛いでしょうね。

若山:そうですね。檸檬ちゃんの気持ちを想像すると、第6話を見るのがとても辛かったです。檸檬ちゃんが逃げだしたときに、千早さんがぎゅっと光希くんの腕を掴んで「行かないで」って止めるんですけど、そこに檸檬ちゃんはいませんが、私はめちゃめちゃ辛くて。光希くんも、千早さんの彼氏だからもちろん追いかけるのを諦めますよね。それを知らない檸檬ちゃんが可哀想でしたし、関係性的に千早さんには勝てないとなると、この先どうやって学校で過ごしていくのだろう、って思いました。

――夏休みで良かった。

若山:本当に! 

――その前に、さり気なく綾野の腕を抱く朝雲を見て、檸檬が息をするじゃないですか。あそこの息芝居がすごく良かったです。

若山:そう言っていただけて、とても嬉しいです。ここは台本に書いてあったので、私が考えたアドリブとかではないんです。でも、その場面を見たとき、自分が檸檬ちゃんを演じるに当たって、一度深呼吸をして、自分の中で整理をつけないと、次の言葉が出てこないなと思ったので、セリフと気持ちがすごくリンクしていました。

――にも関わらず、「アタシが惚れた男なんだから」と言っちゃったわけですね。

 

 
若山:こんなところで檸檬ちゃんの天然が出てしまって、あの鈍感な光希くんが、ここだけは気づいてしまう。何でだよ!!って思いました。もう、辛くて辛くて。

あそこで気づかず「何言ってんだよ、ははは」と光希くんが言っていれば流れていたと思うんですが、そこでスルーできなかったのは、第7話で明かされますが、光希くんも檸檬ちゃんのことが好きだったからなんだろうなって思いました。

――そうですね……。

若山:後押しをする言葉とも捉えられるんだけど、そのためには、先に気持ちを伝えて振られていなければいけないので、ここではなかったんですよね。

――本当にそうですね。そういえばこのダブルデートみたいなのも、もとはといえば綾野が、鈍感だと思われたくないから仕込んだものでしたね。

若山:もとはといえば、君たちのせいだからな!とは思いましたけど、光希も鈍感って言われるのはイヤだったんだなって思います。そこはちょっとかわいいなと思っちゃいました。みんな鈍感って言うけど、俺だってできるんだぜ!ってなるところが、また鈍感なのよっていうのは、かわいらしいですよね。

 

 

――好きだった気持ちが綾野本人にバレてしまい、逃げ出したところに追いかけてきてくれたのが温水でした。ここのやり取りもとても印象的でしたね。

若山:ここは本当に印象的でしたね。マイクも隣同士で、本当にバス停と同じ距離感で会話をしていたんです。

あんなに自然に会話のキャッチボールをしながら、柔らかい気持ちのままに演じられることもなかなかないな、と感じながら演じました。穏やかな場面ではあるものの、感情的にこみ上げてくるものはすごく辛かったです。(選ばれたのが)自分ではなかったことに一生懸命整理をつけようとしている檸檬ちゃん、っていうのがすごく出ていて、辛いなという感じました。

――聞いてくれるのが温水だったのも良かったですよね。

若山:八奈見さんだったら、違うことを言いかねないですからね。ぬっくんだからこそ、聞いてくれて、受け止めてくれて、解決策を言うわけではないけど、心が軽くなるような言葉を掛けようと頑張ってくれたというか。そういう姿勢が優しいなと思います。

――聞き上手で、受け止め上手なんですよね。檸檬はここで、自分と綾瀬の関係性を童話に例えますけど、最後に「そのあと、王子様と女の子はどうなったんだ?」と温水が聞くんですよね。王子様と女の子は一緒にお城(学校)に行っただけで、その先は言わないわけですからね。

 

 
若山:ここもめちゃくちゃ心情的にきついですよね。「それでおしまい。物語はね、いつだってめでたし、めでたし で終わりなの」って。「自分はそうではなかったけど……」という言葉が付いているような気がしちゃって、すごく辛かったです。

――第6話のBパートでは、部活を休んでいる檸檬を探しに、文芸部のみんなが檸檬のいるおばあさんの家に行くところでした。

若山:こうやって探しに来てくれる友達がいるってすごく嬉しいことですよね。でも、後半は八奈見さんが大活躍していました。 毎話何かに啓発されているというか。人類の歴史を語りだす!というような雰囲気で、いろんなことを話してくれますよね。。

――「人類は糖質の奴隷と言っても過言じゃないんだよ」とか言ってましたね。

若山:彼女は名言メーカーですよね。すごく壮大に歴史を語っているところが、八奈見さんのかわいらしいところです。

――道に迷いながらも、檸檬と合流することになるわけですが、檸檬は、無理に明るく振る舞っている感じもありました。

若山:みんなに心配をかけまいとしているところはあったかもしれないですね。話から少し逸れますが、でもここも「檸檬ちゃんもお金持ち?」って思っちゃいました(笑)。

――猫足つきのお風呂がありましたから。

若山:第7話で、一族は勉強ができる人が多いという話をしているので、比較的お金に余裕がある家庭なのかもしれないですね。

――かなり豪華なお寿司も取っていたし。

若山:本当ですね!というか、小鞠ちゃんにウニとアワビを取ってあげる檸檬ちゃん、めっちゃ優しいですよね(笑)。あと、お寿司を断ろうとしたぬっくんを止める八奈ちゃんも最高でした。あれは照れちゃいますよ。いいな~って思いました。

――頰を赤らめていましたね。でも、本当に遠慮というものがない子だなと……。

若山:多分食欲と恋愛なら、食に向く人でしょうね(笑)。

 

 

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