檸檬の恋愛を見て感じた恋愛の難しさ――『負けヒロインが多すぎる!』連載 第5回:若山詩音さん(焼塩檸檬 役)インタビュー
負けて輝け少女たち! マケインたちのはちゃめちゃ敗走系青春ストーリー TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』の盛り上がりがすごい!
想い人の「俺、彼女いますし。」という一言で告白をしないまま振られてしまった焼塩檸檬。その檸檬と綾野光希に浮気疑惑が? それを追う朝雲千早と温水と八奈見。そこで明かされていく、それぞれが抱いていた想い。檸檬の気持ちを考えると、心が痛くなる第5~7話について、焼塩檸檬役の若山詩音さんに語ってもらった。
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第3話と第4話の感想、思うことがある袴田のあの台詞
――聖地巡礼企画『負けヒロインに会いに来た!』では、豊橋市地下資源館に行ってましたね。
若山詩音さん(以下、若山):テロップを絶妙な感じに入れてくださって、より面白い感じになっていたので、ありがたいな!と思いました(笑)。最初は、子供が楽しく学べるところなのかなと思っていたんですけど、アメジストなど様々な鉱石の展示もあって、大人でも楽しめる施設なんだなと思いました。
――デートにも最適?
若山:涼しいので、ワンチャンありですかね(笑)。プラネタリウムならいいのかな? でも一般的な高校生の女の子なら、映画とかショッピングとかカフェのほうがいいかもしれないです。
――アニメの本編のほうは、この作品にハマっている人が増えている印象がありますが、反響は届いていますか?
若山:それが、私はSNSをやっていないのでわからないんです。でも、すごく盛り上がっているといろんな方から聞いています。第6話は、檸檬的にはキツい場面が多かったのですが……。
――シリアスな第4話からの第5話の笑いも多い回、そこからシリアスな第6話へと、ジェットコースターみたいな流れだったので、SNSも賑わっていましたよ。
若山:それはすごく嬉しいです。アフレコでは繊細に気持ちを作っていって、リテイクを重ねながら丁寧に収録したので、それが伝わっていて嬉しいです!
――檸檬のエピソードは、意外にもすごくシリアスでしたね。
若山:そうなんです。アホかわいい野生児が檸檬ちゃんなんですけど、そのイメージに反して、ストーリーはシリアスで、すごく繊細でした。
――前回のインタビューから間が空いたので、少し物語を振り返っていただきたいのですが、第3話と第4話で、小鞠(知花)が玉木(慎太郎)部長に告白するも振られてしまうエピソードがありました。
若山:収録のときから、第3話ラストの告白は、小鞠ちゃんの気持ちが突き刺さって、胸が痛かったです。寺澤(百花)さんのお芝居からも、画のお芝居からも小鞠ちゃんの気持ちが伝わってきていましたから。振られるとわかっているからこそ、ちょっと希望を持たせた終わり方なのが余計に痛くて。しかも最後に「戦う前から負けている」という副題も出てきて、「このやろー!」って思っていました(笑)。
そこからの、第4話の線香花火をしながら泣いている小鞠ちゃん。線香花火と小鞠ちゃんの恋とがマッチしていて、すごく儚くて切ないな、と思いました。月之木(古都)先輩も玉木部長も大好きなんですけど、小鞠ちゃんの気持ちに寄り添うと、ちょっとずるいなと思っちゃうところもあるんです……。
恋愛ごとなので、三角関係になるとそう感じることが出てくるのは当たり前で、誰も悪くはないんですよね。けれど、私なら傷つくな、みたいなことを思いました。やっぱり月之木(古都)先輩も、玉木部長と幼馴染で、心の距離が近いというのを、その気持ちはなかったとしても見せつけてしまったところがあるのかな、と感じたので、小鞠ちゃんは心が痛かったんじゃないのかな?と思います。
――誰に寄り添っても、ちょっと傷ができるみたいな感じになるんですよね。
若山:文芸部の三角関係に関しては、誰に寄り添っても傷がありますよね。月之木先輩も小鞠ちゃんのことが大切だからこそ、玉木部長と付き合うことになったら、小鞠ちゃんとの関係に壁ができてしまう。それもリアルだなぁと思いました。ただ、そこは小鞠ちゃんの優しさで、明日からも来てくださいねって伝える……なんて優しい子なんだ!と思いました。
――感情を揺さぶられまくる第4話でしたけど、後半は温水(和彦)と八奈見(杏菜)が険悪になるという話もあって。ここもリアルでしたね。
若山:高校生らしいですよね。自分が思っていることとか不安とか、心配していることをうまく伝えられないからこそ、起こってしまったすれ違いなのかなと思いました。最初に距離を置こうとしたのがぬっくんからで、八奈ちゃんのことを思いやっての行動なのに、ぬっくんの優しさがうまく伝わらなくてもどかしかったです。でもそこがまたリアルだな、と思いました。
そのあと、袴田(草介)くんとの3人のやり取りを経て仲直りをして、温水くんと八奈見さんが友達になるというところに落ち着いたので、2人の関係値が戻って良かったです。
――すごく落差が激しい第4話のBパートでした。
若山:ここまで、八奈ちゃん(八奈見)のおかげで、シリアスな部分もシリアスになりすぎず、コメディを交えながら楽しく見られていたんですが、その八奈ちゃんがふざけずに感情を出していましたもんね。でも私は、袴田くんに対してはめっちゃ思うところがあるんですよ! これは女の子ならば誰でも思うと思うんですけど、「お前何なの!」って感じでしたよね!
――はい。
若山:「新しい恋が見つかればいいと思って」って何? お前、誰なの!?って……すみません、口が悪くなってしまいました。誰かほかの人と付き合うのは仕方がないと思うんです、好き同士なら。ただ、自分のことを好きだった幼馴染を置いて、自分が他の人と結ばれたからって、八奈ちゃんに誰かと結ばれてほしいって、それは君のエゴだよ!と思っちゃいますね。でも、最終的に自分の間違いを認めて、謝れるところが、八奈ちゃんが好きになっちゃうところなのかなと思いました。
ここは、八奈ちゃんの気持ちを考えるとツラいですよね。いつも明るく見せているからこそ、気持ちを吐露するところ、爆発させるところで、痛い感情がいっぱいあったんだなって感じました。第4話は、マケインたるものをギュッと詰め込んだエピソードだったので、すごくグッときました!