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『マケイン』遠野ひかるが一番時間をかけて収録したセリフとは【連載04】

檸檬&小鞠、それぞれの恋に思うこと。そして全話を通じて一番時間をかけて収録したセリフとは――『負けヒロインが多すぎる!』連載 第4回:遠野ひかるさん(八奈見杏菜 役)インタビュー

負けて輝け少女たち! マケインたちのはちゃめちゃ敗走系青春ストーリー TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』が、とにかく面白い。

ヒロインたちが第1話から失恋し続け、第4話までで3人の恋愛模様が描かれていった。結ばれなかった負けヒロイン=マケインたちの生き様が、温水和彦視点で描かれていくのだが、どの子も個性豊かで応援したくなってしまう。

第4話では、勇気を出して玉木部長に告白した小鞠知花のその後と、第1話で恋が実らなかった八奈見杏菜の、その後が描かれていく。シリアスとコメディのバランスが絶妙だった第4話について、八奈見杏菜役の遠野ひかるさんにたっぷりと語ってもらった。

 

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前回はこちら

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檸檬(第2話)と小鞠(第3〜4話)の恋を見ての感想は?

――まずは第2話の檸檬回「約束された敗北を君に」を見て、いかがでしたか?

遠野ひかるさん(以下、遠野):いやぁ、檸檬ちゃんハジけてましたね(笑)。台本の檸檬ちゃんのセリフは言葉になっていないリアクションが多くて。どんなシーンになるのか想像できなかったんですけど、アフレコの日は(若山)詩音ちゃんのお芝居に聞き惚れてしまいました。

――体育館倉庫でのシーンですね。

遠野:そうです。温水くんが「少しくらい変な気になっても…、俺は悪くないと思います」って思っちゃうくらい、あらあらまぁまぁ!っていうシチュエーションだったんですけど、檸檬ちゃんが檸檬ちゃんすぎて、面白くなっていたところかもしれないですね。

 

 

――お色気全開ではなかったですね。

遠野:マケインのドキドキシーンってこうなるんだ!と思いました(笑)。

――その後、告白せずに敗北するシーンもありましたが。

遠野:小林千晃さん(綾野光希役)の「俺、彼女いますし」のセルフリフレインがすごく綺麗で、感動しました!と同時に、なんと残酷な敗北なんだ…と(笑)。

――実際に繰り返し演じられていたそうですね。

遠野:私も第1話で同じセリフの繰り返しがあったので、この作品ではお決まりなのかもしれません(笑)。綾野くんの鈍感系キャラが引き立っていました。鈍感すぎてニクい・・・・・・!

――それもそうですが、そのあと新入部員の王冠を被せる杏菜もどうかとは思いました(笑)。

遠野:まだ杏菜も部員じゃないのに乗せるっていう。「とりあえず、お疲れ様」って、いろいろ考えて出た言葉がそれ!?って(笑)。檸檬ちゃんの気持ちを思うと本当に切ないですが、その想いを走ることにぶつける檸檬ちゃんらしさとED(LOVE2000)のイントロが相まって、とても青春を感じる負け回でした。それをめちゃめちゃ良い先生みたいな顔で小抜小夜先生が送り出すのも良かったですね。

――シリアスと笑いのバランスがいい作品だなと思いました。

遠野:マケインたちは真剣なんですけど、俯瞰して見ている温水くんとか、いろいろな角度から立体的に物語が描かれているので、見ている側からするとギャグとして映えるというのが面白いなと思います。

 

 

――続いて、3話から4話にかけて、小鞠知花(CV.寺澤百花)の恋が描かれました。この部分についてはいかがですか?

遠野:小鞠ちゃんは強い子ですよね。普段は言葉を詰まらせたり、スマホを使ってコミュニケーションを取っているけど、3人目のマケインにして、唯一自分の気持ちを言葉で相手に伝えるっていう。一生懸命、いっぱいいっぱいになりながら言葉にしているのが、なんかわかるなぁと思いました。

誰かに何かを伝えるとき、別に悲しいわけではないし、泣きたいわけではないんだけどこみ上げる想いと一緒に涙が溢れてきちゃうっていうのは、私もよくあって。そんな自分と少し重ねながら、頑張れ! 小鞠ちゃんって応援していました。

――第3話のラストで玉木部長に告白しましたね。

遠野:葛藤はあったと思うんです。玉木部長も古都先輩も小鞠ちゃんにとって文芸部の大切な居場所である特別な存在。もしかしたら気持ちを伝えることによって、今後の関係性が変わってしまうかもしれない。それでもちゃんと告白するのは、強い子だなと思いました。

――第4話になりますが、振られたあとも良かったですよね。

遠野:付き合い始めた玉木部長と古都先輩を受け入れられるって、なかなかできることではないと思うんです。「私、大丈夫ですから」って古都先輩に言ったところも、なんて強い子だろうと思いましたし、全てを覚悟の上で伝えた想いだったんだなって、小鞠ちゃんの真っ直ぐさが見えました。

 

 

――「先輩いないと寂しい」と言っていましたからね。

遠野:そうだよね、寂しいよねって思いました。このあとの物語で、小鞠ちゃんにとって、文芸部とは何なのか、先輩たちの存在がどれほど大きいのかも描かれていくので、この先も見守っていただきたいです。

――実際、アフレコを見ていていかがでしたか?

遠野:アフレコで見てたら、とても杏菜みたいな気持ちでは見られなかったですよ(笑)。 「ここからがいいところ…」じゃないんだよ!と。

杏菜は、わりと冷静にみんなを見ているところがあるんですけど、私はお芝居をしているとき以外で檸檬ちゃんや小鞠ちゃんを見守っているときは、本当にツラかったし、普通に泣いてました。

――実際、お芝居も心動かされるやり取りでしたよね。特に告白した小鞠ちゃんに関しては、告白だけでなく、線香花火をしているシーンや古都先輩とのシーンなど、グッとくるシーンばかりでした。

遠野:寺ちゃん(寺澤百花)の絶妙なお芝居もそうですし、古都先輩が小鞠ちゃんの言葉を受けて流す涙も、すごく青春を感じました。学生のときって、学校のことが生きている8割くらいを占めるじゃないですか。そこでこれだけの大きなドラマがあるって、当事者たちにとっては相当なことだろうなって、小鞠ちゃんを見て思いました。

 

 

――なんとか丸く収まったあとで、温水くんを見てメロンパンを食べてる杏菜は、本当に意味がわからなかったです。特に何もしてないのに(笑)。

遠野:何の立場で、何の顔やねん!って思いますよね(笑)。

でもそれも、杏菜の視点というものがちゃんとあると思うんです。檸檬ちゃんや小鞠ちゃんと友達として関係を深めるにつれて、杏菜はこういう風に思っていたんだ、とか杏菜視点での友達への思いやり方みたいなものが見えてくるシーンがたくさんあるんです。だから、「こうやって物事を捉える子なんだ」っていうのを、この先でもっと知っていただけたらなぁと。

――また、第3話では水着も登場しました。

遠野:みんな楽しそうで良かったし、杏菜、あなたスタイル良いわね!って思いました(笑)。海でもずっと食べてるのに、不思議な体型してるな〜って。あと、最後に海に放り込まれる小鞠ちゃんがかわいかったです。檸檬ちゃんと小鞠ちゃんのコンビを見てると癒やされるんですよね。

――温水くんも、生涯この日を忘れることはないだろうと言っていましたが、誰も経験できないようなことをしている点で、すごくラッキーですよね。

遠野:本当ですよ! 良い青春を送ってると思います。ちゃんとイベントを経験してますから。体育館倉庫イベント、海へ行くイベント、合宿イベント……。良い学生生活です(笑)。

 

 

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