話題になりすぎて聖地も大はしゃぎ!? TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』の人気が広がる6つの理由
人気の理由➊:ありそうでなかった負けヒロインに光を当てた物語
本作では負けヒロイン達の物語に光を当てている点が画期的で、負けヒロイン、片思い相手、勝ちヒロインの間での三角関係が描かれます。
一般的なラブコメ作品では、恋に破れた負けヒロイン達の多くは物語の本流から外れ、登場する機会も少なくなってしまうもの。
しかし、本作では負けヒロインの存在感が薄れることはなく、それぞれのやり方で失恋と向き合い成長する姿が丁寧に描かれます。
誰でも生きていれば思い通りにいかない現実に直面することがあるもので、うまくいかなかった側を描く本作の物語には共感する人も多いはず。
そのため、主人公と負けヒロイン達が送る青春模様に感情移入しやすく、本作はラブコメ作品を普段見ない人でも触れやすい作品と言えます。
また、コメディとシリアスのバランスが絶妙なので、失恋する女の子の姿を見るのは辛いですが、一方で不思議と暗い気持ちにならないのも本作ならではでしょう。
そして負けヒロイン3人と関わるのが、この物語の主人公・温水和彦なのですが、彼は彼女達の恋愛の「観測者」という一風変わった立ち位置にいます。
負けヒロイン達とは、旧校舎の非常階段で毎日お昼ご飯を一緒に食べたり、体育倉庫で2人きりになったりと、しばしばラブコメ的な展開に遭遇する温水。
しかしながら、温水には自分が背景キャラだという意識があり、負けヒロイン達との間に恋が芽生えそうな兆しがあったとしても、そこから恋愛関係に発展することはありません。
八奈見から「そういうとこだよ温水君」と言われがちな温水ですが、恋愛に敗れてなお輝こうとする負けヒロイン達に寄り添う過程で、その立ち位置や関係が変化していく様は必見です。
人気の理由➋:可愛くて少し残念な部分もあるマケイン達
本作の人気をグッと押し上げているのは、何と言っても魅力的な負けヒロイン達の存在でしょう。
作中に登場するのは、可愛くて少し残念な部分もある、八奈見杏菜、焼塩檸檬、小鞠知花の3人です。
メインヒロインの八奈見は、とにかく食べるのが大好きで、ドヤ顔をしたりボケたりとコロコロ変わる表情から目が離せない女の子。
幼なじみの背中を押して失恋した彼女が、周囲から気遣われるも強がる姿はいじらしく、自分の恋心と真正面から向き合う姿は視聴者の心を揺さぶりました。
続く、ショートヘアと日焼けした肌が特徴の焼塩は、温水と同じ中学出身のクラスメイトで、陸上部で1年生エースを務める純粋な女の子。
告白する前に長年温めてきた思いが突然終わりを迎えた彼女ですが、後に意中の幼なじみと向き合い、まっすぐに自分の気持ちを伝える強さを発揮します。
そして文芸部員でBL好きの小鞠は小動物的な愛らしさがあり、人と話すのが苦手な一方、同じ部活で同学年の温水に対しては毒舌な女の子。
そんな小鞠ですが、叶わぬ恋と知りながらも、尊敬する文芸部の部長に自ら告白する勇気を見せました。
それぞれに一途な恋心を抱き、傷つきながらも前を向こうとする負けヒロインの3人。
三者三様の恋愛模様はあまりに切なく、簡単には割り切れない気持ちと真剣に向き合う彼女達の健気な姿は、どうしようもなく胸を打ちます。
作中では負けヒロイン同士の友情も見どころで、その関係性が深まっていくのも見逃せません。
人気の理由➌:熱量ほとばしる声優陣の演技
負けヒロイン達をはじめ、キャラクターの魅力をさらに輝かせるのが、熱量ほとばしる声優陣の演技です。
本作には主人公・温水和彦役に梅田修一朗さん、メインヒロイン・八奈見杏菜役に遠野ひかるさん、焼塩檸檬役に若山詩音さん、小鞠知花役に寺澤百花さんなど、人気と実力を兼ね備えた今をときめく才能が名を連ねます。
それぞれの人となりが伝わってくる声は、キャラクター自身の声帯から音が出ているとしか思えないほどピッタリ。
彼ら彼女らの心情に寄り添った演技は見事で、息の合ったテンポの良い掛け合いは、いつまでも聴いていたくなる心地よさがあります。
中でもSNS上で絶賛の声が多くあがっているのが、八奈見を全力で表現する遠野ひかるさんの演技です。
コミカルかつ振り切った演技は視聴者の笑いを誘い、一方でシリアスな場面で見せる切ない演技や、抑えきれない感情が込み上げる演技で心をつかむ。
遠野さんが見せる表情の幅広さは圧巻で、身を削った演技は思わず心配になってしまうほど。
抜群に可愛くて、でも残念な部分もある八奈見杏菜という人物の愛おしさが、より多くの人に伝わったのは遠野さんの演技があってこそでしょう。