『真夜中ぱんチ』十景(とかげ)役・上田 瞳さんインタビュー|十景は黙ってたらいい女なのに、って言われるタイプ(笑)。でもきっと愛してもらえるんじゃないかなと【スタッフ・声優インタビュー連載第12回】
十景は分かりやすいクズですが……
──第9話に関しては、アフレコはいかがでしたか?
上田:真咲に関しては「良いお話でまとまらないように」と言われていた記憶があります。さくらに対する一連の流れも、結局は「真咲がクズなだけだから」と(笑)。真咲はクズであることをディレクションされている印象があります。確か、第9話でも言われていました。
さくらちゃん(CV.石見舞菜香)とも一緒に録れたので楽しかったですね。実は真夜中ぱんチ、姉のファンだったというギャップがかわいらしく表現されていて……最後のさくらちゃんは特にかわいかったです。
──とってもかわいいですよね。それと今おっしゃっていた「良いお話でまとまらないように」というのは、この物語全体の主軸となっているところなのかなと思います。
上田:そう思います。そこがすごく魅力的だし、だからこそ人間味も感じられて良いなって思います。真咲はクズであればあるほど愛すべき存在のように感じています。私たちは真咲がめちゃくちゃ大好きなんですよ。だからアフレコでも「真咲って良いよね」ってよく話をしていました。
──十景に対しては、どのようなディレクションがあるのでしょう?
上田:十景って余裕がある時はクセをつけて喋るんですよ。「あたいはなんちゃらだったのさ(↗)」って感じの……。
──本物だ……!
上田:(笑)。そういう独特のクセがあるんですけど、切羽詰まってくると普通に喋るんですよね。それは演じている私自身が普通だからそう感じただけかもしれないんですけど。でもあの独特な節を忘れないようにとは思っていて。ディレクションでも「いつものおちゃらけた喋り方をしてください」って言われたことはありますね。
それと格好つけるシーンでは「このセリフはめちゃくちゃ格好良く言ってください」といったリクエストをいただきました。「格好よくか……」と緊張するんですけど(笑)。でも格好つけるのもギャグだとか、決めるところは決める人だとか、いろいろな側面があるキャラクターだからこそのディレクションなんだろうなと思います。
──それだけ味のあるキャラクターということですね。
上田:そうですね。人間って多面的な部分があるじゃないですか。一面だけではない。そういうところも見せられて……いるんじゃないかなと思いつつ。
──十景もですけど、魅力あるキャラクターが多いですよね。
上田:それぞれの良さが全然違うんですよね。めちゃくちゃ魅力的! みんなクズですけど(笑)。最初に寄せた公式コメントも、大体のキャストがみんな「クズ」ってコメントしていて、笑ってしまいました。実際「今日もクズだね〜!」って言いながら台本を読んでいたので。
──あははは。でもだからこそ気軽に楽しめるところがある気がします。本間修監督の意図もあって、最近のアニメでは珍しいというか……。
上田:そうなんですよね、そこも大好きなところです! 本当に気楽に見られるし、クズなところが良いところですし。中でも、十景は分かりやすいクズです(笑)。でも苺子の回を見たとき(第6話)、自分なりに寄り添ってくれる吸血鬼なんだなって。その側面を知ったときは嬉しかったです。