『映画 ギヴン 海へ』公開記念インタビュー連載第5回:中山春樹役・中澤まさともさん|春樹の成長は、自身の成長。今の春樹だからこそ思えること
TVアニメ『ギヴン』や『映画 ギヴン』、OAD『ギヴン うらがわの存在』を経て、『映画 ギヴン 柊mix』の後編となる『映画 ギヴン 海へ』が2024年9月20日(金)より上映スタート! 今作では、『ギヴン』という物語の最終章が描かれていきます。
そんな『映画 ギヴン 海へ』の公開を記念して、アニメイトタイムズでは公開日のカウントダウンと共にメインキャストの方々へ連載インタビューを実施しました。
映画公開まであと3日。連載第5回は中山春樹役・中澤まさともさんのインタビューをお届けします。春樹と梶 秋彦の関係が大きく変わった『映画 ギヴン』を経て、感じること。そして、最終章を迎えるにあたって思うことなどお話を伺いました。
前回はこちら
春樹の成長は、自身の成長。今の春樹だからこそ思えること
――『映画 ギヴン 海へ』が公開となりますが、映画2部作の前編『映画 ギヴン 柊mix』の物語を振り返ってみて、いかがでしょうか。
中山春樹役・中澤まさともさん(以下、中澤):物語は幼馴染組が中心ではありますが、テーマとしてはいつか向き合わなければならない「選択」があるように感じました。出来事で具体的に言うと「プロデビュー」と「卒業」の話ですね。そこを中心にそれぞれの心の中を掘り下げたり解いたり寄り添ったり分かち合ったり暴いたりして「変わって」いく。
これには「進んでいたものが停滞する」という意味もあるのですが、とにかく『柊mix』のラストは原作を読んでいてもハラハラしていました。
――『映画 ギヴン 海へ』におけるお芝居はどのようにアプローチしていったのでしょうか? 『柊mix』とのアプローチに違いなどがありましたら併せてお聞かせください。
中澤:『柊mix』は前述の通り「変わって」いく最中なので、春樹の中でも仲間の様子見や情報収集が必要でした。
お芝居的にも、「プロデビュー」はめちゃくちゃ嬉しいけど、まだ現実味が無くてそわそわする感じにしてました。そこをまあ、秋彦がまたカッコよく心情を掬ってくれたので、『海へ』では立夏や真冬を見守る立場を固められるという流れに出来ました。
――2019年よりアニメが放送され、原作最終巻までのストーリーがTVアニメ・OAD・映画で展開されてきました。始まりから終わりまでの物語を通して、春樹の成長や変化、人柄など、演じていて感じたことをお聞かせください。
中澤:春樹には、強いシンパシーをずっと持ったまま演じてこれました。
以前にも何かで話したことがあるのですが、ギヴンのメンバーである矢野奨吾くん、内田雄馬くん、江口拓也くん、3人とも声優としてのキャリアは厚く、色んな作品で主役の経験を持つ、重ねた努力と実力と胆力のある素晴らしい若者たちです。
比較して自分がその中にいることの居心地の悪さは正直ありました。もちろん今はそういうことでは無いのは解っているのですが、ちゃんと収録で仕事をしている自分を、なかなか認めてあげることが出来ませんでした。
なので、『映画 ギヴン』で「俺って必要なくない?!」と叫ぶところは、お恥ずかしながら、かつての自分の叫びでもありました。そこから秋彦に、「上向かないと」「お前必要だって」と言われたことは、春樹にとっても僕にとっても救いであり、そこから描かれていく春樹の成長は、自分の成長でもあったのです。
春樹を演じることが出来て本当に良かったです。
――春樹は梶 秋彦との関係が大きく変わった『映画 ギヴン』を経て、今作ではほかのメンバーたちを見守るような立ち位置にいるなと感じました。春樹からみた真冬たちについて感じたことを教えてください。
中澤:まだちょっとハラハラしますよね。「きっと大丈夫だろうけど大変だよなあ……」というのが春樹の正直な感想ではないでしょうか?
これまでの出来事で、バンドメンバーの結束は高まっているから、秋彦には真冬たちのフォローをしてもらって、春樹はプロデビューの下準備を……という役割分担になっていますね。
高校生組に対して、真冬と立夏に対しては「大人として支えよう」という気持ちがあって、柊と玄純に対しては「高校生なのに覚悟している気迫」を感じているのだと思います。
――改めて、原作・キヅナツキ先生の作風の魅力を教えてください。
中澤:僕が大好きなのはその繊細な物語に乗っかって、ちょっとお遊びが入るところです。原作のオマケも全部アニメで演じたかったし、見たかったところがあります。謎の極秘プロフィール紹介とか、霊視とか、「(検索)柊くん ︎真冬くん ︎百合」とか、ユーチューバー柊とか。
あと立夏の中の話は特に好きなシーンなのですが、TVアニメで菅生隆之さんが突然ナレーションでご出演された時は「贅沢!」って思いながら収録に立ち会っていました。
――お話いただきありがとうございます。最後に、中澤さんイチオシのシーンや注目ポイントを教えてください。
中澤:とにかく楽しみなのは、ラストのライブシーンと、ブランコのシーンです。映画館でどのように聞こえるかがもちろん気になりますが、物語に没入して絶対泣いちゃう自信あります。
エンドロールでのセンチミリメンタルさんの歌も楽しみです。みなさんぜひ、劇場でご覧下さい。
[文/笹本千尋]
作品概要
あらすじ
一方、メジャーデビューを決めた鹿島 柊と八木玄純のバンド「syh〈シー〉」。
一時的なサポートギターとして加入していた立夏は、柊から託されたある曲を完成させようとしていた。
そんな中、立夏のもとに真冬から「あいたい」と連絡がくる。
ただならない雰囲気を感じた立夏は真冬のもとに駆けつけるが、真冬の音楽を拒むような態度に気づいてしまう。
立夏への想い、音楽への想い。
さまざまな気持ちの前で戸惑い、立ち止まってしまう真冬。
そんな彼に声をかけたのは、世界的に活躍するヴァイオリニスト・村田雨月だった。
キャスト
(C)︎キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会