『真夜中ぱんチ』ゆき役・茅野愛衣さんインタビュー|みんなが芝居で“ぱんチ”しあっている現場でした。もろに喰らうこともあれば、手で受け止められることもあって、すごく楽しい【スタッフ・声優インタビュー連載第13回】
「振り返ると、みんなが芝居で“ぱんチ”しあっている現場でした」
──そういう意味では『マヨぱん』でいろいろな刺激を受けたんですね。
茅野:めちゃめちゃ受けました。お話はもちろん、演出の仕方も面白い描き方だなって感じました。第11話はすごくシリアスな展開になるじゃないですか。そして第12話でも驚きの展開が待ち受けています。あまり第12話のネタバレになりそうなことは言えないんですが……昨日うちのマネージャーが全話見てくれたそうなんですけど「まさかこんな展開になるなんて」と。そもそも第11話の台本をもらった時、私たちもびっくりしたんです。台本の絵を見た限り、そんなシリアス展開がくるなんて思わなかったんです(笑)。
また、刺激を受けたというお話で言うと、今回ご一緒したメインキャストがわりと後輩ちゃんたちが多かったんですね。それと、がっつり一緒にお仕事するのが初めてな子が多かったんです。特に昨今は分散収録が多かったので、作品内でご一緒していても、直接会えないことも多かったんですよね。今回はメインキャストの6人は基本的に毎週一緒に録れていて。みんなのお芝居がすっごくおもしろくて、すごく刺激をもらいました。
月曜日の朝に録ってたんですよ。週末にどんなイベントがあっても、月曜日の朝、みんなテンションマックスでやってくるっていう。本当にパワフルで、体当たりでぶつかっていくようなお芝居も素晴らしくて。なんて言うんでしょう。それぞれが役に対して熱い思いを持っていることが伝わってきて、みんなお芝居が大好きなんだなって感じました。掛け合いをしていても面白くて。「早くみんなと掛け合いをしたいな」と思っていたので、第10話で仲間に入ったとき、すっごく嬉しかったです。
──あ、そうか! ゆきはみんなと一緒にいるイメージはあったけれど、立ち位置的に掛け合いは多くはないんですよね。
茅野:そうなんです。いわばマヨぱんメンバーをピンチにさせる側の人間なので……いつも腕を組んで「吸血鬼であることをバレないようにしてね!」と目を光らせていたので、晩杯荘での楽しげなシーンなどの掛け合いを間近で見て「混ざりたいなぁ」って思っていました。それくらい、掛け合いが生き生きとしていて。オリジナルだからこそ遊び要素も多かったので、みんなのお芝居に刺激されて、「ゆきもこういう表現をやってみたいな」と、自分自身も挑戦したくなりましたね。
「しげゆきって言うな」っていうセリフも、ファイちゃんがりぶとして、面白いくらいムカつくように振ってくれるんですよ(笑)。だから掛け合いもすごくやりやすかったです。振り返ると、みんなが芝居で“ぱんチ”しあっている現場でした。もろに喰らうこともあれば、手で受け止められることもあって、すごく楽しい。
その一方、苺子(CV:伊藤ゆいな)は悲しい過去があったり、 譜風 (CV. 羊宮妃那)はじんわり泣けてしまうようなエピソードがあったり。お芝居としてもそれぞれ見せ場がちゃんとあって、とてもバランスのいい作品だなって。
──確かに、みんなクズではありますけど……。
茅野:そう、それは間違いないです!(笑) クズはクズだけど、いいクズばかりで。クズじゃない部分ももちろんあるんですけども(笑)。ただ、クズなお芝居って力がないとできないから。
──確かにそうですよね。
茅野:役に向き合う姿勢が本当にまっすぐな方たちばかりなんですよね。だからこそ、グッと引き込まれるものがあります。この作品を通じて、キャスト陣の皆さんと仲良くなれてすごく嬉しかったです。