アインズは、自分にとって切り離せない大切な存在ーー『劇場版「オーバーロード」聖王国編』日野聡さんインタビュー
2024年9月20日(金)より全国公開中の映画『劇場版「オーバーロード」聖王国編』。
シリーズ累計発行部数1400万部を超える大人気ノベルを原作とするアニメ『オーバーロード』。今作は、シリーズ初となる完全新作劇場版で、原作ファンからの人気も高い「聖王国編」の待望の映像化となっています。
今回は、そんな『オーバーロード』の主人公であるアインズ・ウール・ゴウンを演じる日野聡さんにインタビュー。劇場版の見どころはもちろん、第1期から演じ続けているアインズへの想いやこれまでの思い出など、様々なお話を伺いました。
『聖王国編』には、アインズとナザリック勢のスタンスが濃縮されている
ーーまず、『聖王国編』の劇場アニメ化が決まった時の心境はいかがでしたか?
アインズ役・日野聡さん(以下、日野):今までにも総集編という形での劇場公開はあったんですけど、今回は完全新作として『オーバーロード』の映画を皆様にお届けできると聞いた時は興奮しましたし、嬉しかったです。
ーー『聖王国編』は少し時系列が特殊ですよね。
日野:そうですね。第4期の中間というか、別軸で起こっていたエピソードなので、『オーバーロード』を今まで知らない方は、流れ的なところで少し戸惑われるかもしれません。
ただ、単体でみても物語として理解できる作りにはなっていますし、今まで『オーバーロード』を知らなかったという方も、この劇場版をきっかけにTVシリーズも観ていただけると、より楽しめるんじゃないかなと思います。
ーー『聖王国編』は、どんな部分が魅力だと感じましたか?
日野:一言で言うなら、『オーバーロード』におけるアインズやナザリック勢のスタンス、考え方みたいなもの、それらがぎゅっと凝縮されているストーリーなのかなと。
劇場版単体で見ても、大まかな流れは把握できると思いますが、アインズが持つ魅力やカリスマ性みたいな部分を、新キャラクターであるネイアの視点から描いているので、アインズに救われた人達がどのようにアインズに心惹かれて魅了されていくのかがより分かりやすくなっているのも、今回の劇場版の特徴だと感じています。
ーーアインズは立場上、物語の当事者にならないケースも多いですけど、本作に関してはネイアとの直接的なやりとりも多いですよね。
日野:原作からの構図ではあるんですけど、エピソードによってはアインズがほとんど出てこないこともあって、アニメ作品として成立させる上では、そこが難しいポイントにもなっていました。
今回は、アインズというよりネイア視点になっていて、彼女が間近でアインズを見ることにより、アインズからどういう影響を受けていくのかも見どころになっています。原作だと、もう少しアインズを中心に描いていた部分もありますが、劇場版はとくにネイア側に重きをおいた作りになっていて、限られた尺の中で『聖王国編』の見どころをうまく作り込んでくださったなと。
ーーすでに完成した映像はご覧になられたのでしょうか?
日野:一足先に拝見させていただきました。『オーバーロード』はTVシリーズから、迫力ある戦闘シーンが多いんです。今回劇場版になることによって、TVシリーズで描けなかった、騎士たちの練度の高さまで伝わってくるような描写など、細部にこだわった演出が増えていて、改めて映像映えする作品だと思いました。
戦闘シーンだけでなく、馬に乗っている描写一つとっても、視界に入ってくる景色が流れていくところとか、臨場感があって非常にカッコよかったです。