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『わんぷりむーびー!』主題歌シングル発売記念!石井あみ&北川理恵インタビュー

「大好きのキズナ」で共鳴したふたりが、思いの丈を語り合う――『わんだふるぷりきゅあ! ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』主題歌シングル発売記念! 石井あみさん&北川理恵さんインタビュー

 

お互いの、お互いにしかない魅力

――少し話が遡りますが、おふたりで歌うことが決まったときはどのような心境でした?

石井:本当にやばい、嬉しい!ってなりました。私が去年、ライブハウスサーキット(プリキュアシンガーズ Premium LIVE HOUSE Circuit! vol.1 <2019-2023 Newest 5 Years ~広島公演~>)でご一緒させていただいた3人とのデュエットをコンプリートしたんです(笑)。

――ああ、確かに、吉武さんとは「ヒロガリズム」「Try Try Try」を、Machicoさんとは「For "F"」を、そして今回の北川さんと!

石井:そうなんです。私にとってあの日のライブの経験がすごく大きなものになっていて。目指すべき憧れのシンガーの3人とご一緒できて、皆さんの姿を舞台袖から見ているときに「私、こうなりたいな」って思ったんですよね。

――Machicoさんにお話をうかがった際に、ライブハウスサーキットの広島公演でのステージをずっと袖で見ていたと話をされていました。

石井:(笑)

北川:いたいた(笑)。もうずっと見つめていて。

石井:ただただ圧倒されていました。私は理恵さんのライブのステージを見るのがその日が初めてだったんですよ。だから特に衝撃を受けました。目がすごいんですよ、理恵さんって。

理恵さんが出演する舞台も観に行かせてもらっているんですが、理恵さんは一発で分かるんですよね。オーラと声と目と……なんだろう? やっぱり目かなあ……伝える力がすごいんですよね。どれだけ暗くて見えないときも「あ、理恵さんがいる」ってわかりました。ライブハウスサーキットの広島公演でもそれを感じたんですよね。伝える力とオーラが、全身から溢れていて、私もそうなりたいなって。だからこうやって理恵さんと今回歌わせていただくことになって大興奮です! イベントなどでも、いろいろ吸収させていただきたいです。

北川:(照れつつ)ひええ〜! いやいや、もう私こそなんですよ。私はね、『ひろプリ』でシンガーとしてのデビューを飾ったあみちゃんの姿を見てきたから、フレッシュ!!なあみちゃんと一緒に歌えることを楽しみにしていました。

あみちゃんは、私とはまったく違ったアプローチの歌い方を持っていて、それがすごく羨ましいんですよ。いろいろな曲を聴いていて「そういう歌い方か、なるほど」「ああ、こうやって歌うんだ」と思うことが何度もありました。

今回、同じ曲をデュエットするにあたって、きっと全然違うアプローチで歌うんだろうなと。それがどうなるのか、純粋に楽しみでしたね。

――北川さんが石井さんのアプローチで、特に刺激を受けたところというとどんなところだったのでしょうか?

北川:曲を聴くたびにいろんな発見があるのですが……すごく滑らかなんですよね。私は舞台をやっているので、どうしても言葉一つひとつに感情を込めなきゃいけないという気持ちが強くて。だから言葉を発するたびに、つい一生懸命になりがちなんです。でも、あみちゃんはそれをひっくるめて、すごく滑らかに歌えるんです。私はその技術がないというか、うまくできないから。

例えば『ひろプリ』のオープニング「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」はあんなに早い曲なのに、全部の言葉がちゃんと聴こえてきて、響いていて。しかもあんなにも滑らかに歌えているのがすごいと思うんですよ。それが第一印象だったから、私も少しでもその技術を盗めたらいいなという思いは正直ありましたね。

石井:嬉しい〜。

 

 

――実際のレコーディングを終えての手応えはどうですか。

北川:お互いの歌い方が揃っているわけではないけれど、ちゃんと寄り添って溶け合っている感じがして、すごく良かったなと後から思いました。

というか、さっきからあみちゃんが私のことをずっと褒めてくれていて、実はずっと動揺していました(笑)。そんなに言われるほどのことじゃないよって。

石井:いやいやいや……!

北川:それでも、教えてくれてありがとう。

石井:言葉に説得力があるんですよ。その言葉に、どれだけの想いが詰まっているんだろうって。その技術を吸収したいけど、なかなかできないですね。

北川:そんなことないよ。

石井:本当に、そこを私もできるようになりたいです。理恵さんとお話をしていると、考え方にも感銘を受けるんです。私は「今の自分」を基準にして考えることが多いのですが、理恵さんは日頃から過去のことや未来のこと、そして自分以外の人々のことまで考えているんだなと感じていて。「あ、私はそこまで深く考えられていなかった」と。その発見が、私にとっては大きな学びで、私も過去や未来のことまで考えようって。

北川:焼き肉おごるよ……!

 

We are friends!!から感じたこと

――お互いの良いところを引き出し合いながら、一緒に成長していく関係ってデュエットならではだなって、それこそ吉武さん、後本さんのおふたりのお話を聞いていても感じたことでした。

北川:自分ひとりで歌うよりも、デュエットの方が支え合っていられる安心感があって。あみちゃんのパートを想像しながら歌うことも結構好きなんです。「あみちゃんがこの部分はどう歌ってくるかな」「私だったらこう歌うけど、あみちゃんだったらこうかな」などと想像を巡らせていました。

「大好きのキズナ」って、爽やかで疾走感があって、かっこよくて、でも言ってることはあたたかくて、という曲じゃないですか。それって、私が『ひろプリ』OPを初めて聴いたときの印象とすごく重なるものがあったんです。だから楽曲のデモを聴いたとき、最初に脳内再生されたのがあみちゃんの声でした。「絶対にこれはあみちゃんにピッタリだな」「あ(自分は)まずいな」と思っていました(笑)。

実際にあみちゃんがどのようにテンションを合わせてくるかを考えながら、キズナの歌を歌うのはすごく楽しかったし、嬉しかった。相手が予想外のアプローチで来るのも楽しみの一つだなと。だからこそ、生で歌ったらもっと面白いだろうなと思いました。映画館で見てくれる人たちにも、「ひとりじゃなくてふたり」ならではの相乗効果が伝わるといいなと思います。

――しかもユニゾンが多いですよね。だからこそひとりではなく、ふたりのキズナも感じます。

北川:そうなんですよね。1番では歌い分けをしていたところが、2番になるとユニゾンになっているんですよね。きっとそれはふたりの考え方や共有している時間を表現しているのかもしれないと感じました。プリキュアたちの過去の思い出だったり、これから続いていく未来だったりが、脳内にまざまざと浮かんでくるような気がします。そうした部分も含めて、この曲が持つメッセージが素敵だなと思いました。誰かと誰かが「はじめまして」をして、そこから生まれていくキズナもあるとは思うんですけれども、「大好きのキズナ」はそれだけでなく、そこからさらに先に進んでいく過程こそがキズナだということも伝わってきて、すっごく良いなと思いました。

――曲を手掛けたのは、作詞はこだまさおりさん、作曲・編曲は馬瀬みさきさんのおふたり。

石井:馬瀬さんはレコーディング現場でお話させてもらっていて。馬瀬さんの作る世界って本当に最高なんです。私自身、馬瀬さんの曲が大好きなんです。大好きな方に対する、ありがとうの想いも込めたいなって思っていました。

北川:おふたりが描き出す世界観ってめちゃくちゃ歌いやすいんです。言葉のハメ方とかが……なんていうんだろう、歌っていて躓くところが一度もないんですよね。そのふたりがゼロから作り出してくださった世界観をイチから10にするためにも頑張らねば、というのをいつも思っています。

――最後の言葉〈We are friends!!〉は、同じくこだまさんが手掛けた「We are Alive!!」も思い出します(ヒーリングっど♥プリキュア ボーカルベストアルバム ~We are Alive~収録)。

北川:うんうん、ありましたね。「We are Alive!!」は、のどかの口癖である「生きてるって感じ」という言葉があったからこその言葉ではありますが、あの当時もIではなくWeなんだ、というのがすごく印象的だったんです。それこそがプリキュアなんだろうなって。

プリキュアの世界観って、1人では絶対に成り立たないものだと思っているんです。支え合える人がいる、助けてくれる人がいる、誰かを助けたいと思いがある。そういった前提があってこそ、自分が成り立っていくものというか。つまり、誰かと一緒にいるからこそ、誰かとなにかをできるからこそ「生きてる」と感じられるものなんじゃないかなと思っています。今回の「大好きのキズナ」も、誰かと一緒にいるからこそ、友情という言葉が生まれ、キズナが深まっていくものなんだなって、改めて思いました。ちょっと話がそれてしまうんですけども、大学生くらいのときに、人間はひとりでは居所が見つからないなと考えていたことがあったんですね。

(石井さんを見て)私、大学の頃に人間社会学の授業を取っていたのよ。その時に「人は誰かと話すことで、自分の社会性が初めて生まれる」と学んだんです。つまり、他者と関わり合うことで、初めて自分という存在が形成されるっていう。それは目上の人と接する時や同僚と話す時……さらには子どもやお年寄りとの関わりの中で、それぞれの相手ありきで自分ができていく。そういうのを全部ひっくるめて自分だって学んだんですね。それを授業で教えてもらった時に、私は居心地がよくなったんですね。それまでは、あの人といるとき、この人といる時とで、自分が違うということにどこか違和感があって。

でも相手によって自分が変わるのは当たり前で、それをひっくるめて自分と認めて大丈夫。そして、誰かと“一対一”になった時にキズナが生まれる。そういうのが全部つながっていくのが、人間生活の本質なんじゃないかなって思っていて。

石井:(頷く)

 

 
北川:だから〈We are friends!!〉という言葉からも、誰かとつながっているからこそ、自分自身の輪郭がはっきりと現れるものだし、自分の大好きの気持ちも2倍、3倍とふくらんでいくものだよという想いを感じました。それを歌声で伝えるのって難しいものだとも思うんです。「We are Alive!!」もそうですし。でも、こういう曲を聴くと、私はすごく勇気をもらえますし、つながりを大切にしたいって思います。

半径何百メートルにいる人たち全員を守るのは難しいかもしれないけど、自分の隣にいる人たちと手を握っていけたら、それが少しずつ輪になって、大きなものに変化していくんだろうなって感じています。

――すごく良いお話。

石井:本当に。私、広島公演で「We are Alive!!」を生ではじめて聴いたのですが、千颯ちゃんがリハの時に、一言「すごい……」って言ってて。

北川:あははははは。

――言い方が似ていてさすが(笑)。

石井:で、私も「すごい……」ってなってたんです。で、いざ本番のステージになって「We are Alive!!」を理恵さんが歌っている姿を後ろから見た時に……理恵さんが手を伸ばしながら歌っている姿をみんなが立ち止まって見ている、みたいな光景に見えたんですね。私も含めて、理恵さんに「ひとりじゃないよ」と歌いかけられているような感覚がありました。ライブのとき、〈We are friends!!〉も私もそういう気持ちを大切にして歌えたらなって思っています。

北川:すごく楽しみ。誰かのぬくもりを感じながら歌えるというのは、デュエットの醍醐味ですよね。

――北川さんがさきほど言及されていましたが、深い言葉だからこその伝える難しさというのもあるかとは思います。でも、本当に素敵な歌詞なんですよねえ……。

北川:そうなんですよね(笑)。聴いてくださる方たちにとって、すんなり受け取ってもらえるようなエピソードだと思うんですよね。でも一言一言噛み締めて読むと、泣きそうになっちゃうんです。私、タイトルのキズナがカタカナで良かったなって感じているんです。『絆』という言葉自体が持つ深さがあるので、カタカナになったことで、少し軽やかに感じられて、逆に歌いやすくなったんです。カタカナありがとう……(笑)。

石井:(笑)。本当に素敵な歌詞ですよね。距離的に誰かと離れてしまう状況ってあるじゃないですか。そういう時に、ふいに「私ひとりだ」って思うことがあると思うんです。私自身もあって。そういう時にこの曲を聴くと「今は距離的に会えないだけで、その子とのつながりがなくなってしまうわけではない」って思えるんじゃないかなって思います。気持ちが負けてしまいそうな時、一歩を踏み出す勇気が欲しくなったとき、誰かの背中を押すきっかけになればいいなって。

北川:確かに……。そしてこのメッセージをプリキュアが届けてくれているって思ってもらえたら良いな。「プリキュアたちがこう言ってるんだから大丈夫」って感じてもらえたら嬉しい。

 

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